ネットに吹き荒れる異性への悪口や収入のボーダーライン。性格が合うだけでもレアなのに、結婚相手を見つけにくい世の中だ。今配偶者がいる人は奇跡だと思った方がいい。まあ、そう思うような人間だからこそ私(中澤)には相手がいないのかもしれないけれど。
で、相手探しの手段としてはもう限られているわけだが、その候補に入ってくるのが婚活パーティーである。しかし、婚活パーティーってヤバイ人とかいないのだろうか。
・7年間婚活パーティーの司会
そこで婚活パーティーの司会をやっている人物に話を聞いてみた。仮名・奈古宇人(なこうひと)さんは、7年間婚活パーティーの司会で生計を立てているプロ。パーティーの際には受付から仕切りまでを担当しており、ひと通り参加者の人柄なども分かるのだそうだ。
登録の時点で条件の合わない人はハネられるため、大半は普通の人としながらも、驚きの行動を取る人がたまにいるという。
・支払えない
奈古宇人さん「登録メンバーでパーティーの条件に合う人にご連絡して、実際の代金は会場の受付でお支払いいただく形なんですが、受付まで来て『支払えない』という方がいらっしゃいましたね」
──どういうことですか?
奈古宇人さん「支払いが現金、クレジットと決済サービスはau PAYで、これは事前にお知らせしているんですが、財布を忘れて現金とクレジットがないと。そこで決済サービスをすすめたところ、au PAYは嫌だとおっしゃられまして。
仕方ないので、Pay Payで私に払ってもらって私がau PAYで支払う旨を伝えたところ、会社の支払い自体にPay Payを入れろと拒否されました」
──すぐには無理な対応ですね。
奈古宇人さん「結局、パーティーには参加できず、対応は本部に投げる形になりました」
──1人欠けた場合、どうするんですか?
奈古宇人さん「そのタイミングでもう1人呼ぶことはできないので、例えば8対8なら、8対7のまま開始になります。バランスが悪いまま始めることになるので、お支払いはキチンとしていただきたいです」
・年齢詐称
奈古宇人さん「あと思い当たるのが年齢詐称ですね」
──そんなことできるんですか?
奈古宇人さん「登録段階では身分証明書の提出などもあるので難しいんですが、受付でパーティーメンバーに渡す用の登録カードを自身で記載してもらうんですね。その際に10歳くらい鯖を読む方がいらっしゃいます」
──気づくものなんですね。
奈古宇人さん「はい。やはり見た目で分かります。それで登録データをさりげなく確認するとやっぱりかと」
──見つけた場合対応するんですか?
奈古宇人さん「出禁になります」
──重いですね。
奈古宇人さん「やはり、相手も一生の伴侶を探しに来ているので嘘の罪は重いですよ」
・変なビジネスの勧誘
奈古宇人さん「まれに変なビジネスの勧誘をする方もいらっしゃいますね」
──それも気づくものなんですか。
奈古宇人さん「そうですね。様子で分かりますし、お客さんからも報告されますしね。変なチラシを配ってるとか」
──その場合の対処は?
奈古宇人さん「口頭で注意して聞かなければ出禁です」
──まあ、確かにそれは出禁にしてもらいたいですね。
・参加者の悪口を司会に言う
奈古宇人さん「先日困ったのが、参加者の悪口を私に言ってくる人ですね。そのパーティーは8対7で、1人ずつローテーションで待ち時間が生じる形だったんですが、その待ち時間に話しかけてこられまして。
暇なのかと思って対応していると、周りに聞こえるような声量で参加者の気分を害しそうなことをおっしゃられ始めたんですね。内容は伏せますけどギャグのつもりだったのか……。その後の気まずさがヤバかったです」
──そういう人ってマッチングされるんですか?
奈古宇人さん「ヤバイ人がマッチングされているのは見たことがないですね」
──ですよね。普通の人の方が多いんですもんね。
奈古宇人さん「ですね」
──とのこと。他にも、待ちに対してクレームを入れる人や、外見ディスを本人に言う人などもいるらしい。相手を探しに来とるんちゃうんか。
とは言え、私が大阪でローソンのバイトをしていた時の客ほどはヤバくない気がした。週1でトイレをうんこまみれにされてたし、犯罪で全国紙に載った人とかいたしな。そこらへんはやはり登録と出禁などでふるいにかけられているのかもしれない。
そう考えたら、ヤバイとは言え問題に巻き込まれることは少なそうだ。1回行ってみようかな。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.