ジャンボ! いや、「スパ!」かもしれないな。マサイのルカに会ってきた。そう、あの長期連載「マサイ通信」の主人公でもあるマサイ族の戦士・ルカに会ってきたんだ。


というのも、ケニアに来た日本人旅行者から「ルカの村に行きたい」とのリクエストがあってだな、希望通りナイロビからアンボセリまで片道6時間ほどかけて連れていったんだ。


久しぶりのルカの村。ゴー(羽鳥)と一緒に何度か来たことはあるけれど、ゴーと一緒に泊まったこともあるけれど、この日の村は、オレにとっては初体験な状況だった。


それはなぜか?


「雨の後」だったんだ。


常日頃から雨の降らない「干ばつ」に悩むルカの村。なにせマサイ通信が始まったきっかけは “水を求めて” だったほど。いつもルカの村は乾いていた。それなのに……この日はジメジメとしていたんだ。


久々に会うルカは元気そうだった。オレとゴーは兄弟みたいなもんだから、挨拶は必ず「Hi My bro(よう兄弟)」だけど、ルカとゴーも「Hi My bro(よう兄弟)」から始まる兄弟らしい。


なのでオレたちは三兄弟だ。



オレは聞いた。「よう兄弟、調子はどうだい?」。ルカは答えた。


「昨日は本当に大変な日だった。まず昼間は大雨。信じられないくらいの大雨で、空もどんより曇り空。ソーラーパネルがまったく機能せず、充電もできなかったので、夜は照明も無く真っ暗だった」


なんと、マサイ通信シーズン3で達成した「村全体に光を(ソーラーライトを)」は、いまだ現役バリバリで稼働中だったのだ。このことをゴーに話すとメチャクチャ喜んでいた。


それはさておき、ルカは続ける。


「電気もない、真っ暗な夜。なんと村にライオンが侵入してきた。もちろんオレはライオンに1勝もしたことがある戦士だから、まっさきに飛び出して追い払おうとした……が、真っ暗すぎて上手くいかず……」


逆に考えれば、いつもはソーラーパネルのライトがあって、窓(というか穴)から光も漏れているから、それを怖がってライオンも近づかなかったもようなのだが、漆黒の闇になったとたんライオンが襲ってきたと。


ソーラーライトは、ライオン避けの役目も果たしていたのかもしれない。


「結局そのライオンは、村で飼っているヤギの一部を噛み殺し、気が済んだのか立ち去った。ライオンが去った後、その殺されたヤギをすぐさま解体して調理した。そしてみんなで食べた。特に体調には変化なしだ」


そう語るルカの顔は、少しばかり疲れていた。そして、「怖かった。とても、怖かった」とも言っていた。百戦錬磨の戦士でも、闇の中で対峙する野良ライオンとの一戦には肝を冷やしたようすだった。



でも良い話もある。


「最近は、よく観光客も来てくれて村にお金を入れてくれたり、食料を寄付してくれたりもするから、村の学校に通う子供たちも、美味しい食事ができている。ありがたいことだ」


ちょうど学校に行くと昼食の時間。子供たちは、美味しそうに何かを食べていた。


ルカの村では、観光客が来ると、まずはマサイ式の歓迎の儀式。マサイジャンプもここで披露。


そして火おこしや、バリケードや、家の説明があって、最後に「お土産コーナー」の時間がとられる。村人が広場に集まって、フリマみたいな状態になるんだ。


「この女性は、96歳。長生きだろ。この村で最も年配の女性だ。なんか買ってあげてくれよ」



帰り際、ルカは「今度会いに来る時は、アンボセリ国立公園で最も大きな象を見せてあげるよ」とオレに言った。


なんでもその象は、これまで見たこともないくらい大きく、他の象も逃げ出すくらいの迫力らしい。今ではアンボセリ国立公園の名物になっているそうだ。


もしもケニアに行くことがあったら、ぜひともアンボセリのルカの村を見学するといい。行き方がわからなかったらオレが連れて行くから。


連絡方法はカンバ通信の第301回をじっくり読んで参照してくれ。逆に、この回を読んでもわからないって人は、たぶんコミュニケーションを取るのも難しいのでスマンがご遠慮願います。


最後にルカは「また来いよ、兄弟」と言い、村の中に消えていった。

次にこの村に来るのはいつになるかな。ゴーと一緒に来れるかな。また兄弟3人が集まる時はあるのかな。そんなことを考えながら、オレはナイロビまで車を走らせ家に帰った。

クワヘリ。……いや、オレセリ!


執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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