親子丼は丼メニューの中でも目立つ存在ではない。牛丼・カツ丼・天丼などと比べると、いまいち華に欠けるというか、地味というか……。とにかく目立ちにくいのである。
「肉めし 岡もと」はそんな地味な親子丼を不憫に思ったのか(?)、期間限定の新メニューとして提供開始した。岡もとが鶏肉メニューだと!? 気になったので、発売翌日にお店を訪ねたところ、まさかの品切れ! 親子丼が品切れになる店なんてある!?
実物を見て納得。親子丼のセオリーをぶち壊した盛り付けながら、1度は食べてみたいと思わせる代物だった!
・発売日翌日に行くと
親子丼の発売が始まったのは、2023年11月15日。私(佐藤)はその翌日昼頃に提供店舗の1つ、東京・新橋店を訪ねた。やっぱ昼は混み合うよねえ~。空くまで待つか。
……ふと、入口を見ると、1枚のメモ紙が貼られている。そこには「親子丼 品切中」とある!
ウソでしょ! 昨日発売で今日売り切れるって、そんなことある? いまだかつて、岡もとでそれほどまでに人気の商品ってなかった気がする。
それにしても、小さなメモ紙にボールペンで書いているところを見ると、スタッフも売れ行きに焦ったのかな。予想外だったんだろうなあ。
仕方がないので、最寄の御徒町店に移動。ここなら食えるはず。表にデカいメニュー写真があるから、多分大丈夫だろう。
と思ったら、券売機の表示が「SOLD OUT」になっとるやないか~い!
チキショー、もう食えんのか。すべてがなくなってしまったのだろうか。
スタッフに尋ねると、この日の仕込み分が終了したとのことだった。なるほど、日ごとに肉を仕込んでいるから、1日の販売分が品切れになったってことね。
よし、また明日来ます! なるべく早く来ます! なんなら1番乗りくらいで来ます!!
・セオリーをぶっ飛ば~す!
そして翌日、開店時間の11時にはすでに店前でスタンバイ。あいにく、私の前に2人お客さんが並んでいた。負けた~、1番になれなかったでござるよ~……。
でも、大丈夫!! 親子丼、ありま~す!
これが肉めし岡もとの親子丼(税込979円)。岡もと初の鶏肉メニューにして、骨付き肉がドン! と豪快にのった一品である。さすが、大胆な盛り付けに定評のあるお店である。従来の親子丼のセオリーを軽々しくぶっ飛ばしている。
そういえば、ココイチも「ホロ肉ドカンと豪快カレー」がバカ売れしたんだっけな。近頃はただのデカ盛りではなく、極端な盛り付けのものがウケるのかもしれないな。
ご覧の通り、一般的な親子丼のような肉と卵の一体感や、ふわとろ食感とは縁遠い仕上がりになっている。しかしながら、肉は見た目の武骨さを裏切る柔らかさ。箸でもカンタンにほぐれる。
丁寧に解体してご飯の上に展開したところ、一応親子丼の体(てい)を成したが、味の統一感は薄い。
それでも、肉を食っている満足度は高い。これこそ岡もとの真骨頂。肉! 卵! ご飯! → 親子丼!! という、シンプルかつ大胆な方程式で、客を圧倒する姿勢こそが「岡もとイズム」といえるだろう。このひと口を食えば、すべてに納得できてしまう。
ということで、日ごとの仕込みのため、時間によっては品切れになる場合もあるが、日を変えて訪問すれば食えるかもしれないぞ。いずれにしても、期間限定なので気になる人はお早めにどうぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 肉めし 岡もと御徒町店
住所 東京都台東区上野4-1-2
時間 11:00~22:00