トーストやサンドイッチのような喫茶店の軽食が好きだ。

個人的に無性に食べたくなるのが「チーズトースト」である。ただのトーストでもなく、具だくさんのピザトーストでもなく、チーズトースト。

家でも食べられるよなあと思いつつ、ほの甘い食パンとチーズの塩気のコントラストが好きで、メニューにあるとつい頼んでしまう。しかしチーズトーストって地味なメニューで、ついでのような感じで存在していることが多い。

そんなあるとき、大阪発の老舗喫茶チェーン・丸福珈琲店に入ったところ、珍しく「チーズトースト」がイチ押し商品として紹介されていたのだ! 

・昭和九年創業の丸福珈琲店

丸福珈琲店は天下の台所・大阪発らしくカレーやプリンアラモードなどフードにも力を入れている。

地味でスポットライトが当たらないチーズトーストがわざわざイチ押しメニューとして紹介されている……!

ぶっちゃけホットケーキが食べたくて店に入ったのだが、急きょ予定変更。チーズトースト好きとしては運命を感じずにはいられない出会いである。

チーズトーストの価格はドリンクとセットで1340円と、なかなか強気な設定。期待しかない。



・我が目を疑うヴィジュアル

注文から10分ほど経って、席に運ばれてきたチーズトーストを見て、私はめちゃくちゃビックリした。

そのチーズトーストは私がこれまで食べてきたチーズトーストとは一線を画するヴィジュアルだったのだ。



チーズケーキか!?


まるでカットされた四角いチーズケーキが3切れ、皿の上に乗せられているよう……。

1カットだけだと完全にチーズケーキ。

ネットのセキュリティによくある「以下の画像からチーズケーキをすべて選んでください」みたいなテストだったら間違いなく引っかかると思う。

ていうか、パンのボリュームがすごすぎる。関西のトーストは厚切りだが、ここまで厚いトーストは初めて見た。普通のチーズトースト3枚分くらいある。



・チーズも独特

そして上に乗っているチーズである。焼き目がしっかりついて、普通のチーズトーストよりもかなり黄味が強い。まるでチェダーチーズみたいな色だ。

これだけトーストが厚いんだから、さぞかしチーズがたっぷりトロ~リ…と思ったら、意外にもチーズの層は薄め。チーズはトロトロ系ではなくしっかりと固め。

「何もかもがこんなの初めてだな〜」と思いながらひとくち食べてみると……


チーズがめっっっちゃ濃厚〜!


まるで、ワインのおつまみに出てくる高級チーズをかじっているような、ギュッと濃縮されたうまみと塩気が効いている。

そして、パン生地がめちゃくちゃ細かくてモッチモチのフッカフカ……。最近はやりの高級食パンのような、噛みしめるごとに甘みが出てくるタイプの生地。これはたまらない……。

キュッと塩気のきいたチーズとモチモチでほの甘い食パンのコントラスト。これは唯一無二で究極のチーズトーストだ。



調べたところ、このチーズはプロセスチーズを削って卵黄が混ぜてあるらしい。どうりで独特のコクとうまみがあるわけだ。

食パンもチーズもこだわり抜いた、言うなればアルプスの少女ハイジが大人になって食べたチーズパンって感じなのだ。

丸福珈琲店は関西を中心に全国に支店があるようなので、チーズトースト好きでなくても、ぜひ食べてみてほしい。今まで食べたチーズトーストの概念を覆してくるぞ! ただしかなりボリューミーなのでお腹をすかせておくべし。


参考リンク:丸福珈琲店
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.