京都の広東系の中華料理店にて楽しめる「からしそば」というメニューがある。その名の通り、からしと中華そばを使った一品だ。

いくつか有名店があり、京都に行くたびに食べ比べをするくらいにはハマっているのだが、そろそろ味を記憶できたような気がするので自分でも作ってみようと思う。はてさて、うまくいくだろうか。

・中毒性のあるツンとくる味

京都を歩いていると、所謂(いわゆる)町中華をよく見かける。餃子の王将のメッカでもあるし、京都人は中華好きなのかもしれない。

件の「からしそば」は冒頭に書いた通り、その中でも広東系の店で提供されるものらしい。

なんでもかつて関東地方の中国人が京都にやって来て、京都人の舌にあわせて作ったことが始まりという。


記者が初めて食べたのはいつのことだったか忘れてしまったが、周りの人が皆注文していたので真似して頼んだことは覚えている。

見た目はシンプルな具材を使ったあんかけそばで優しそうであるのに対して、口に入れると思いのほか からし が効いていて驚いた。

店によって少しずつからしの量が違ったり、麺の具合も異なるものの、鼻にツンとくるあの独特の味わいは共通している。とにもかくにも中毒性のある味なのだ。


とある店で「麺にからしが絡まってるから気を付けてね」と言われたことがある。

厨房が見える店で出来上がる様を見ていると、確かにどこもあんかけ部分に からし を入れるのでなく麺と混ぜ合わせていることが判明。

なんとなく作り方もわかったような気分になったところで、自分でもチャレンジしてみることにした次第である。



・家ならではのからしそばに

作るにあたり絶対に必要なものは言わずもがな、練りからし(チューブで良い)と中華麺。 具材はささみ(もしくは鶏むね肉)と海老、キクラゲとレタスとネギ、タケノコとしいたけを用意した。


肉は鶏もも肉を使っている店もあったが、多くが鶏むね肉を使っていたので、むね肉推奨だ。

1人分であれば、むね肉を持て余すと思うのでささみでも良いだろう。今回はささみを使用した。



まずは麺にかける、あんかけを用意しよう。

具材を炒めて、鶏がらスープの素をお湯で溶かし、炒めた具材を覆いつくすくらいまでスープをかける。


ふつふつと煮立ったところで、水溶き片栗粉を溶き入れて終わりだ。味が足りなければ塩コショウで調整すると良いだろう。


次に中華麺を指定されている時間より少し短めに茹で、からしとしょう油と酢を入れたボウルの中に、湯を切って入れて絡める。麵を皿に盛って、先のあんかけをかければ完成。結構簡単だ。



調味料の量は、鶏がらスープの素はスープを作る時と同じくらいだろうか。袋に書いてある分量に従えば良し。からしと酢は好みで調整し、しょう油は少し垂らす程度で十分だ。


ちなみに記者はガッツリからしを堪能したかったので大さじ2杯半、また酸っぱいのが好きなので酢は大さじ2杯ほど入れた。混ぜながら味見をして都度、足していくような感じだ。


何度か作ってみて気を付けたほうが良いと感じたところは、水溶き片栗粉の入れるタイミングくらいだ。一旦水溶き片栗粉なしで仕上げておいて、食べる直前に入れるくらいでちょうど良い。


気になる味は、もちろん店の味……とまではいかないまでも、なんとなく近いものに仕上げることはできた。家だからこそできる具だくさんで、からしのピリッとさをそれらの具材の水分でうまく中和してくれる。


中華麺にもう少し拘りたいところではあるが、近所のスーパーで手に入る麺は限られているので致し方なし。いやはやしかし家で食べるからしそばの味で、コレはこれで美味しいではないか。

大満足とまではいかないまでも、満足できる仕上がりだ。簡単なのでこれからは昼ご飯に困ったときなど、作ってみようかなと思う。

そのためにも今後も京都に行くたびに、お店の「からしそば」を食べ続け改良をしていきたい。みなさんも京都に行く機会があれば「からしそば」、試してみてほしい。クセになること請け合いだぞ。

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼具材はどの店もほぼ変わりないと思うが、旨味がしっかり出るものを使うのがポイントかも

▼ねぎは大幅に切るとソレっぽくなる

▼麺にもこだわるとまた違ってくるかも。スーパーの袋麺でも十分に美味しい! 

▼お店のを食べつつ、もう少し改良しようかな

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]