新潟の郷土料理、「ぽっぽ焼き」。小麦粉に黒糖を入れて作る素朴なお菓子だ。
一見細長いホットケーキのようにも見えるけれど、食べてみるとふわふわというよりもちもちで独特の食感を楽しめる。
ぽっぽ焼きの生地はぽっぽ焼きにするためのものだと思ってたけど……小麦粉と黒糖でできてるってことは、他の料理を作ることもできるんじゃ?
ということで、ぽっぽ焼きの生地を使っていろいろな料理を作ってみることにした!
・生地の作り方
まずはぽっぽ焼きの生地の作り方をご説明しよう。材料は、
・薄力粉 100g
・黒糖 40g(決まった量はない。好みの量に調整してOK)
・ベーキングパウダーか重曹 4g
・水 140cc
以上の4つだ。
まずは水を鍋に入れて温め、黒糖を入れて煮溶かす。完全に溶けたら、火を止めて冷ましておく。
次に薄力粉、ベーキングパウダーか重曹をボウルに入れて軽く混ぜる。
そこに煮溶かした黒糖を流し入れ、泡だて器などでしっかり混ぜ合わせたら完成だ!
いつもなら、これを卵焼き用の四角いフライパンで焼いた後に細長く切ってぽっぽ焼きにするのだが……今回はここからさらに手を加えて別の料理にしていこうと思う。
・蒸しパン
まず作ってみたのは蒸しパン。材料も似たようなものだし、まぁ大失敗することはないだろう。生地をカップに流し入れて……
レンジで加熱。
完成したものがこちら!
なんか……テカってる……!!
確かにぽっぽ焼きってホットケーキやケーキのスポンジよりちょっと光沢があるよな~と思ってたけど、まさかこんな仕上がりになるとは。
見た目は不安な感じになってしまったけれど、味や食感は無事だろうか? ドキドキしながら食べてみると……
もちもち具合が倍増してる~!! 通常のぽっぽ焼きと比べて大きいからなのか、ますます食べ応えが増していた。味もそのままで、塊のぽっぽ焼きを食べてる感じ。うん、全然アリだな。おいしくいただけて満足だった。
・クッキー
続いてクッキーを作ってみる。この粘度の生地を成形するわけにもいかないので、ホットケーキの要領でそのまま天板の上に垂らすことにしたのだが……む、難し~!!
量を多くしすぎると隣とくっついちゃうし、サッと引き上げないと余計なところに垂れちゃうし。悪戦苦闘した結果だいぶお見苦しい天板になってしまったが、努力の跡として目を瞑っていただけると幸いだ。
余熱しておいたオーブンでしっかり焼いたら……
完成!
生地が水っぽかったからなのか、見た目はかなり平べったい。焼きたてを頬張ってみると……
小さいホットケーキかな……? しっかり加熱した割には、柔らかくてふわふわしている。断面を見てみるとほとんどぽっぽ焼きのそれで、この食感になるのも納得だ。
念のため冷ましてからも食べてみたけれど、ふわふわの食感が失われることはなかった。
やっぱりクッキーはクッキー用の生地で作るのが正解だったか……! でも、これはこれでおいしい!!
・パン
最後にパンを作ってみよう。これまでのメニューはぽっぽ焼きの生地をそのまま使っても何とかなったけど、パンとなるとさすがに無理があるので材料に多めの強力粉とイーストを追加した。
完成したものがこちら!
黒糖が入っている分、以前作ったパンよりも茶色の濃さが増していておいしそう~! 半分に切ってみると、断面にもしっかり黒糖の色がついている。
小麦粉を足した分、黒糖の味が中和されていて優しい風味を楽しめた。朝ごはんやおやつにちょうど良さそうな味だ。食感も完全にパンで、ぽっぽ焼きの面影はどこにもない。
ただ、バターや卵を入れないという材料のせいなのか発酵が足りなかったのかは分からないが、1日経過したらびっくりするくらい固くなってしまったのが残念だった。
パンをあんなに引きちぎりながら食べたのは人生で初めてだったな……歯を痛めながらなんとか噛みまくって飲み込んだ。
・新体験だった
予想外の出来事が起こることもあったけど、基本的にどのメニューもおいしく食べることができた。これまでにない形で地元の味を味わえて楽しかったな。
小麦粉の使い道はまだまだ他にもたくさんあるからな。アイデア次第ではもっと違うメニューも作れそう!
郷土料理ではあるけれど、特別な材料も必要ない上に超お手軽に作れちゃうぽっぽ焼き。気になった方は是非作ってみてほしい。
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.