狙ったものが出るまで回したり、コンプを目指したり、コレクターズアイテムの側面もあるカプセルトイ。運に左右されるギャンブル要素はガチャの醍醐味でありながら、敗者には残酷なシステムでもある。

しかし「1つ買うだけでドンジャラ一式が入っており、そのまま遊べる」アイテムを発見! すごい、誰も不幸にならない!

とはいえドンジャラは牌だけでも80個以上あるはずだし、大型の卓で遊ぶもの。1つで遊べるって、いったいどういう状態だ?


・カプキャラ ミニチュアドンジャラ ワンピース

その商品は、バンダイの「カプキャラ ミニチュアドンジャラ ワンピース」(税込800円)。言わずと知れたビッグタイトル『ONE PIECE』の関連商品だ。

出てきたのは、かなり大ぶりなカプセル。全2種しかなく、絵柄やカラーが違うだけなので、どちらが出ても単体で遊べる。

開封すると極小サイズの牌がついたランナーが何枚も層になっていた。


なるほどなぁ、こういうことか! 自分で切り離して牌を作るんだな。


中央にあるのは予備の牌かな? 白(ハク)ではないよね? 子どもの頃に持っていた本物のドンジャラにも、紛失時の予備が入っていたことを思い出した。

カプセル内のパーツを組み立てると、牌立てが4人分できる。


あとはひたすらニッパーで牌を切り出していく。


嘘だろっていうくらい小さい! 吹けば飛びそうなサイズだ。


さらに裏面にシールを貼っていく。ぷるぷると手が震えて、ぴったり中央に合わせるのが難しい。


ランナーから切り離す前に貼ったらいいと気づき「グッジョブ自分」と思ったが、ピンセットを持った手が震えることに変わりはないので成果は同じだった。余談だがシールはタフな粘着力を発揮し、800円という値段相応の高級感がある。

貼っては切り、貼っては切りを繰り返す。すでにこの時点でカプセル開封から1時間が経過。道のりは長い。

できたー! 丁寧に仕上げるなら、それぞれ3か所残るゲートのバリを処理するといいと思う。81+3枚あるけどな!


・プレイしてみよう

さっそく遊んでみよう。相手がいないので1人4役だが、子ども時代にはアラレちゃんドンジャラで腕を鳴らしたのでルールは完璧だ。公式サイトからは切り離してチップにできるペーパーや得点表をダウンロードでき、至れり尽くせりである。

が、とにかく小さいので積み上げるのが難しい。麻雀牌のように1列に並べてから両端を持って2階建てにすることも不可。ちょっとした移動や手ぶれで崩れてしまう。

何度も崩して「あぁ……」と嘆いているうちに、牌立てで両側から挟んで移動させるという秘技を生み出した。これからプレイする人は参考にしてくれ。

親は筆者だ。そして子も筆者だ。互いの “待ち” がわかってしまうのは難点だが、各自が考える最善の手を選ぶロールプレイをしよう。サイコロなどはなく、親は好きなところから取っていいらしいのでさっそく牌をいただく。

ところが、極小サイズの牌を、狙った部分だけ掴むのがそれはそれは難しい。不器用な巨人になった気分だ。

牌だけでは薄すぎて立たないのだが、牌立てがあるおかげで意外にさまになっている。

すでにブルックが3枚揃っている。あとはウソップに期待だな。ONE PIECEドンジャラでは、ただの3個組×3セットでも「いろいろセット」というベーシック役が認められて上がりやすい。

おおっ、北家の人なんかオールマイティがすでに3枚もあるじゃないか。しっかり混ざってなかったな。ちょっとでも派手に混ぜると吹っ飛んでいくから手心を加えてしまった。

ちなみにオールマイティーは同色3個セット(刻子)の中の1つとして使える。これはかなり有利。なおプレイ順は時計回りだそう。

気を抜くと、とにかく簡単に崩れるので指先に神経を集中する必要がある。ゲームへの集中とは別の忍耐力が鍛えられる。ひとつひとつの動作に気を配り、静かに慎重に牌を扱う。

これ1人だからいいようなものの、4人で遊んでいたら誰かが身じろぎしただけで山が崩れて戦争が勃発しそうだ。

しかもついつい麦わらの一味ばかり残してしまう。かつて同作にハマって航海士になれる進学先を本気で探したり、就職後に客船のソーシャルスタッフの中途採用に応募して書類選考さえ通らなかったことは青くさい思い出だ。

おお、ブルック3枚、ウソップ2枚、フランキー2枚になってもう少しでリーチ! 難しく考えず、とにかく3枚セットにすればいいので誰にでもチャンスがある。老若男女が楽しめる優しいルールだ。

しかし西家はサンジとブルックのシャンポン待ちになっている! これはまずい。


最初にオールマイティばかり来ていた北家は、ロビンを切ったことを後悔しているであろう。馬鹿め。

ああっ、西の人がドンジャラだ! おめでとう! これはサンジとルフィ3個ずつの「うめ~!サンジおかわり!」という役だ。

ちなみに筆者は、上手くいけば「鼻唄ブルックと鼻長ウソップ」の役ができるところだった。

このほかにも作品にちなんだ、ユニークな役がたくさん。ルフィとゾロで「最初の仲間」になったり、ロビンとナミで「麦わらのセクシーレディー」になったりする。ついつい切ってしまう七武海も、集めると役になるぞ。


・ドンジャラの楽しさを再認識

いや、ドンジャラおもしろいな! バンダイでは通常サイズのONE PIECEドンジャラも展開しており、そのルールを踏襲しているのだと思われる。

ミニチュアサイズながらしっかりとしたゲーム性があり、ソロプレイなのに、というか対戦ゲームとして成立していないのに楽しさの片鱗がばっちり感じられる。

普通に遊ぶにはものすごく難度が高いが、精巧かつプリントもきれいで、大人のコレクターズアイテムとしてはかなり満足! 9月第5週から全国の売り場で販売中だ。


参考リンク:株式会社バンダイ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.