すでに落ち着いたと思われる、フードチェーン各社による月見戦争。しかし、真の出番はまだ終わっていない。
9月29日に中秋の名月にして、今月の満月の夜がやってくるのだ。ここでこそ食べないと、全く月見じゃないだろう。
お月見の本番に向けて、そろそろ今年の月見系新作の覇者を決めたいと思う。
・新作のみ
今年もほぼ全ての全国規模なファストフードチェーンが、月見系を出している。しかし、中にはバーガーじゃないものもあったり、あるいは去年と同じ品だったりというのも見受けられた。
ぶっちゃけウマけりゃ何でもいいとは思うが、今回は各社今年の新作のみに限定してジャッジすることにした。
新商品でありさえすれば、別にバーガーでなくてもOKというレギュレーションだ。ではいこう。私の中で、2023年を制したのは2社だ。
・ファーストキッチン
はい。個別のレビューでも私のテンションがひときわ高かったが、2023年の月見系新作で最強の1社目はファーストキッチンだと主張したい。
新作の「月見もっちバーガー(870円)」と「月見もっちチキン竜田バーガー(740円)」にて、餅という新素材を導入し、絶妙な食感の餅と味付けでバーガースタイルにマッチさせることに成功。
和風な味付けも相まって、素材のセレクトと味の両方から日本っぽさがある点も「お月見」というテーマに沿っている。
総合的に芸術点が高いと言わざるを得ないだろう。個人的には竜田派だが、客観的にはノーマルも竜田も同格のウマさだと思う。
記事を出した後で無関係にプライベートでも食ったのは、今のところファーストキッチンの月見だけだ。終わる前にもう一回食べたい。
・ロッテリア
もう1社はロッテリア。バーガーの新作が4種とやたら気合が入ってたが、ウマさも比例して素晴らしかった。
しかしお勧めしたいのはこのうちの1品のみ。もっともベーシックな「半熟月見 和風絶品チーズバーガー(570円)」だ!
過去にあったんじゃないかってくらい、具材やビジュアルは普通だ。しかしウマさは突出している。
おなじみの「絶品チーズバーガー」の月見カスタムって感じなのだが、もう通年で出してほしいというくらいウマい。
月見とか言ってるから年1でしか出せないのであれば、改名して「半熟玉子入り絶品チーズバーガー」とかで。
ロッテリア自身の他3種と比べて最も目立たない感があるが、ウマさで間違いないのはこいつだと思う。こちらも終わる前にもう1回食べたい。
ということで、各チェーン店による新作月見系を全部食べた私が選ぶ2023年の覇者は、ファーストキッチンとロッテリアだ!
ネタ的に1番盛り上がったのは間違いなくコメダだし、どう考えてもハロウィンなフレーバーの新作スイーツ類も美味かった。
去年から続投の「フルームーンバーガー」ももちろん強いが、あれは続投&デカさの暴力で全てをどうにかしている疑惑もあるため、今年は対象外としたい。
冒頭でも述べた通り、いよいよ中秋の名月の本番が迫っている。29日の19時頃に満ちる予定なので、しっかり月見系フードを用意して臨んでくれ!
参考リンク:ファーストキッチン、ロッテリア
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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▼個別に記事にはしなかったバーキンとケンタも、総評を出すにあたり食べてチェックしている。ケンタの新作は「とろ~り月見ツイスター(460円)」と
「エッグタルト(290円)」
どちらも普通にウマい。特にツイスターは半熟玉子のトロっとした感じと、チキンの衣のサクサク感のコントラストが良い。
▼バーキンは、完全にコメダに出し抜かれた感がある。
「チポトレ・パイン ツキミバーガー(540円)」と「テリヤキ・パイン ツキミバーガー(540円)」の2種。
玉子じゃなくパイナップルという意外性でウケを狙ったのではなかろうか。しかしコメダの(恐らく特に何も狙っていない天然の)パワープレイに先を越され、埋もれてしまった。
モノとしてはどうだったのか? チポトレはかなりマイルド。パイナップルのフルーティさが際立つウマさ。
テリヤキは完全に空気がUSA。アメリカ人が作る間違ったTERIYAKI。
それなりにウマいのだが、絶対に好みが分かれるヤツだ。ピザや酢豚にパイナップルが許せる人は大丈夫だと思うが、許せない人にはダメな味わい。
バーキンは去年のように、月見ガン無視でディアブロとかやってる方が面白い疑惑。月見文化を悪魔でぶっ壊すくらいの方が “らしい” 気がする。