ロケットニュース24

「牛タンの自販機」をよく見たらラッキーチャンス的なボタンが! 押してみたが……押すべきではなかった

2023年9月10日

いまや大体なんでも自販機で売られているので、牛タンの自販機があったところでそれほど驚くべきことではない。インパクトとしては、過去に紹介した二郎系ラーメンを売る自販機うな重の自販機の方が大きいような気がする。

しかし、その牛タン自販機にはちょっと変わったボタンがあった。ラッキーチャンスっぽいヤツ……つまり何があたるかわかりません的なボタンである。運が良ければお高い牛タンが当たる! というわけで、やってみた。

最初に自販機についてもう少し詳しく説明しておこう。こちらは仙台発の牛タン専門居酒屋「和顔」が展開するもので、国内に100台以上設置されているらしい。


それだけあると自販機ごとに細かい違いがあるだろうが、私が見つけた筐体(きょうたい)ではもっとも安い牛タンが『切り落とし(200g)』で700円。逆に最も高いものは『プレミアム牛タンうま塩(150g)』で2000円だった。


また、牛タン以外にも『牛ホルモンねぎ塩味(700円 / 200g)』や、『プルコギ(300円 / 230g)』なども。つまり、以前に取り上げた宮崎牛の自販機のように「何があたるかは運次第です」というガチャ式ではなく、基本的に自分が欲しいものを選ぶ形。

ただ、その中に1つだけ運任せのボタンがあった。「大感謝祭」と書かれた10番のボタンだ。


価格は700円ながら、もっとも高い『プレミアム牛タンうま塩』が当たるチャンスがあるっぽい。また、牛タンの切り落とし(240g)の写真もあるから、こっちが当たるかもしれない。


先に述べたように、『プレミアム牛タンうま塩』を普通に買ったら2000円で、牛タンの切り落としは本来200gで700円である。

つまり、10番のボタンで『プレミアム牛タンうま塩』が当たったら当然お得だし、切り落としが当たっても240gあるからお得ってことになる。

まぁ、他の商品が当たる可能性もあるが、「やらない手はない……!」という気持ちになるのはいたって自然。私は700円を投入して、10番のボタンを押した



言うまでもなく、『プレミアム牛タンうま塩』が欲しくてチャレンジした。しかし、そう上手くいくわけがない。当たったのは、どう見ても切り落としっぽいヤツだった。


まぁ、「それでも良い」と思いたいところなのだが、いったん『プレミアム牛タン』を夢見てしまうと、もうプレミアムの口になってしまうのだ。

分厚〜い牛タンを受け入れるための口に。絶妙な弾力を味わうための口に。コリッとしたあとにジュワっとなることを想定している口に。

つまり、私の口はプレミアムをお迎えするパーティーの準備が整っていた。部屋の飾りつけをし、手料理を準備し、みんなでやるためのボードゲームまで用意していた。

その状態で、「やっぱりプレミアムさんはパーティー来ないっすね」となったら、なんだか心に穴が空いたような気持になってしまうもの。で、その穴を何で埋めたのかと言うと……



高い牛タン(1200円)である!


プレミアムではないが、なんだかとっても分厚そう。結果的に1200円の支出が追加で発生したが、大感謝祭のボタン(700円)と合わせても1900円。

プレミアム(2000円)を買うより安く済んだという事実が、どこか心地いい。なんだか得をしたような気持ち

いや、そもそも700円のボタンで240gの切り落としが当たった時点で損はしていない。しかし、目的のものをゲットできなかったことで損をしたような気持になって、いまそれを埋め合わせられたような気持ちになっている。

自分で勝手に踊っているだけ。冷静に考えればそうなのだが……。これはもう相手(自販機)を褒めるしかないだろう。1つだけ「何が当たるか分からないボタン」を用意しておくなんて、なんとも策士な自販機である。黒田官兵衛かよ。



というわけで、自販機の策にハマった私は2種類の牛タンを持ち帰った。運試しの方で出た牛タン(切り落とし牛タン)と追加で買った高い方(極芯牛たんうま塩 / 1200円)である。

解凍して調理してみると、高い方は見るからに分厚い。


だけど、量でいえば切り落とし牛タンの方が多い。どっちが美味いかと聞かれたらそりゃあ高い方だが、どちらも味が濃くてお酒が進む。


安い方だって全然悪くない。これなら追加で買わなくて良かった……ということが学習できたから高い方を買って正解だったのか? よく分からないが、美味いからOKということにしたい。


ちなみに、本日9月10日は牛タンの日だ。お察しのようにただのゴロ合わせなのだが、正直に言うと「今日こそは大感謝祭のボタンでプレミアムが出やすくなっているのではないか?」と考えている自分がいる。つくづく、恐ろしい自販機である。

参考リンク:和顔の味付き牛タン
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼このように冷凍状態の牛タンが出てくるので、解凍してから調理する

▼自販機の設置場所は公式サイトで確認できるぞ

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

モバイルバージョンを終了