先日、ちょっとショックな出来事があった。愛用していたイヤホンを片方紛失してしまったのだ。自分にとってイヤホンとは生活必需品のようなもの。今すぐ新しく買い替えなければ! とアマゾンを開いてみたところ……
1万6900円の89%OFFで税込1890円!
みたいな商品がトップページにズラリと並んでいることに気づいた。いや、89%OFFてアンタ……。閉店セールを永遠にやってる靴屋みたいだな。
ほぼ間違いなく地雷であるが、もしかしたら奇跡的にワンチャンあるかもしれないので試しに買ってみることにした。
・アマゾンの激安イヤホン
今回、私(あひるねこ)が購入したのは税込1万6900円……からまさかの89%OFFで税込1890円になった、「abrryo」というブランドのワイヤレスイヤホンだ。アマゾンによると商品名は……
『イヤホン Bluetooth イヤホン ワイヤレスイヤホン ブルートゥースイヤホン LEDディスプレイ残量表示 Bluetooth5.3+EDR搭載 イヤホン単体6時間再生 自動ペアリング 瞬間接続 タッチ操作 イヤホン ぶるーとーすイヤホン 左右分離型 イヤホン ワイヤレス イヤホン bluetooth ハンズフリー通話 WEB会議 / テレワーク / 通勤通学 / ランニング IOS / Android対応 (black)』
である。商品名というよりはただの情報の羅列だが、2023年8月22日の時点で169個の評価がついており、星4.7と尋常じゃなくバカ高。
・買ってみた
もう誰がどう見たって怪しいが、私も別に高望みをしているワケではない。音質だって特別に良くなくてもいい。フツーに。フツーに聞けたらそれでOKなのだ。
が……
実際に届いた商品を見た私は、箱を開封する前からすでに心が折れかけていた。なぜか?
「真のワイヤレスヘッドセット」
終わった──。わずか13文字とは思えぬ圧倒的絶望感。こんなにも嫌な予感がする「真の〇〇」は初めて見たかもしれん。もはや言葉の暴力。
・早くも試合終了
箱に書かれている情報によると、この商品は中国製で、正式名称は『AP09』というらしい。中には本体と充電ケーブル、サイズ違いのイヤーピースが2セット入っていた。
見た目はこんな感じで悪くはない。
イヤホンをケースに戻すとLEDディスプレイが点灯し、バッテリー残量が表示される。そこそこダサいが、まあ便利っちゃ便利だ。
フタを開けて取り出すとマッハでペアリングしてくれるのも良い(あらかじめBluetoothをオンにしておく必要あり)……のだが。次の瞬間、またしてもヤバイ気配が私の耳を襲った。
「電源、入る」
装着するや否や、完全にやっちまってる系の日本語アナウンスがイヤホンから流れ出したのである。アカン! これはアカンぞーーーー!!
それでも音が普通なら別に問題ないのだが、試しに曲を再生してみたところ……残念ながら、異様にこもっていて即解散を決意した。特に低音がヤバイ。めっちゃこもっているのに、なぜかめっちゃ主張してくる。思わずイコライザを確認してしまったではないか。
たまたまプレイリストに入っていた「くるり」の新曲を再生してみるも……
──岸田繁、風呂入ってる? 風呂場で歌ってんの? ってくらいヴォーカルがこもっている。なんだか全体の音像がすごくぼんやりしているのだ。
しかし、そんな状態でも低音だけはやたら強いため、特にヒップホップ / ラップなどを聴くと、街中で音楽をドゥンドゥン鳴らしているヤン車みたいな感じになってしまった。イヤホンなのに。
ラジオやポッドキャストを聴く分にはそこまで問題ないが(なくはないが)、このイヤホンで音楽を聴くのは、何というかちょっともったいない気がしてしまったな。つーかお前……これでよく定価1万6900円って名乗れたな。どんな度胸やねん!
一応、サクラチェッカーで調べてみたら……
うん、知ってた。
・結論
イヤホンなんて消耗品なんだから安くていい。音質が普通なら全然問題ないよ! という人は私を含めけっこういると思うが、やはり謎に安い商品には、謎に安いだけの理由があるのだ。結果的に私は1890円をドブに捨てたワケで、一言でいうとマジで後悔している。
もちろん買う買わないは個人の自由ですが、この記事を書いている私が今、信じられないくらい真顔であることだけは、どうか知っておいていただきたいですね。さて、次を探すか……。
参考リンク:Amazon、サクラチェッカー
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
screenshot:Spotify、サクラチェッカー