もしかしたらもう記録は更新されているかも知れないが、日本一デカいダイソーといえば、地上6階地下1階の規模を誇る『ザ・ダイソーギガ船橋店』である。圧倒的な品揃えに度肝を抜かれたことを思い出す。
しかし、世界は広い。
韓国のソウルに行った際、地下鉄「明洞(ミョンドン)駅」から地上に上がると……なにやら見覚えのある英単語が。「daiso」……ダイソーやん! そこはかとなくロゴがadidasっぽいけれど、それは紛れもなくダイソーだった。
なんと地上12階建てのビルまるごとダイソー! まだ開店10分前の午前9:50だが、すでにチラホラとお客さんが集まっている。その中に日本の100均評論家の私も加わる。これはもう徹底的にレポートしなければ……
と思いきや!
撮影禁止!
日本のダイソーは「撮影OK」と書いてあることが多いのだが、なんと、韓国のダイソーは店内撮影禁止なのである。しかしレポートはしたい……。ということで、
文字だけのレポートを12階から1階まで、「各フロアを視察しながら綴った取材メモ」をもとに、どんな状況だったのかをお伝えしたいと思う。
なお、先に結論だけを書くとしたら、韓国のダイソーは日本のダイソーとは全く品揃えも違うので、ソウルに行く予定のある100均ファンなら絶対に行って損はない! と断言したい。それはそれは、驚くべき光景だった。
では、エレベーターで一気に最上階まで上がって。12階から行きます!
・12F:運動、キャンプ、トラベル用品
まず入店1分で悟ったことだが、韓国オリジナル商品がありまくる。「どうせ日本のダイソーに置いてある商品が売ってるんでしょ」なんてナメた思いはマッハの勢いで吹っ飛んだ。
仮に日本にもある商品だったとしても、ラベルやパッケージがハングル表記になっているので、なんだかものすごく新鮮。
価格は1000W(ウォン / 約108円:2023年7月28日時点)から〜といった感じで、3000Wや5000W、はたまたそれ以上の商品もある。このあたりの価格設定は日本と同じだ。
で、まだ12階の時点なのに、すでに “間違いなく日本よりも商品数がある” ことを確信。日本では見たことない商品が山ほどある。
例えば、自転車の「ハンドルグリップ」や「水筒をとめるやつ」や「変わった形の自転車ポーチ」など、やたらと自転車グッズが充実。もちろんキャンプ用品もおまかせあれだ。
しかしそれよりなにより韓国ならでは! と感じたのが、ゴルフ用品の商品数の多さ。ボールはもちろん、ティー、ゴルフ用グローブ、マット付きのパター練習器具などなど。
また、洋服も日本よりも種類がある。フィットネス衣類も充実していて、特にレディースは上下完璧にスポーツウェアが揃ってしまうほど。
とどめとばかりに「デジタル体重計」まで5000W(約542円)で売っていた。しかし、日本にはよくある「釣り用具」は一切売っていなかった。
・11階:工具、自動車、手芸用品
もう「カー用品店かな」って思うくらいのことになっている。間違いなく日本の比ではない商品数。特に「香り系」の充実っぷりやヤバイ。車用の洗剤も山ほど種類ある。
電化製品は日本の規格とは違うので要注意。そこまで種類は売っていない。「スタンガンハエ叩き」などはアリ。
工具などは日本と同じだけど、なぜか粘着テープの種類が異常なまでに充実。粘着テープだけで1コーナーを占めるほど。
・10階:園芸、造花、ペット用品
フロアに入るとまずガーデニング用品が目に飛び込んでくる。日本と似ている……ように思ったが、よく見ると花瓶は独特なデザイン、独特な色使いの品物が多い。
ペット用品も初めて見るものばかり。なにせ猫用の爪とぎだけで10種類もある。餌も充実。犬用のグッズもあるが、猫用の方が圧倒的に多い。
アクアリウム商品もすごい。水槽の中に入れてフンなどを吸い込むフィルターも売っている(5000W=約544円)。そのフィルターに空気を送りこむポンプも売っている。こちらも5000W。凝った商品は5000Wが多い。
・9階:インテリア、収納
フロアに充満する「香り」がスゴすぎてLUSHかと思ったほど。とにかくアロマディフューザーなど、臭い系の商品が韓国は充実している。
また、衣装ケースの種類が豊富すぎてホムセンみたいになっている。編み込み模様の「進化したタイ椅子」みたいなのも5000W。
この階のカゴコーナーで、ようやくメイドインジャパンの商品を発見。ほかは「メイドインベトナム、デザインドバイコリア」や「メイドインチャイナ」がチラホラ。
日本の100均だと「イノマタ」製のカゴが目立つが、韓国には一切イノマタは売っていなかった。
もうひとつ気になったのは、日本が誇る「サナダ」の『仕切りボックス』という商品が、デザインやサイズ感そのままで、他のメーカーから売られていたこと。もしかしてパクられているのだろうか?
どうも韓国では『mb・Ko』なるメーカーが強いようで、このフロアに売られていた半数近くのプラスチックカゴは『mb・Ko』製(メイドインコリア)だった。
カゴ以外には、クッションがたくさん売られていた。また、なぜか「足拭きマット」が専門店かってくらいに充実していた。
・8階:バス、掃除、洗濯グッズ
シャンプーやコンディショナーなど、これまた圧倒的な品揃え。はたして「石鹸置き」だけで何種類あるのか! ってくらい。
なにより驚いたのは、なんと便座まで売っていたということ(5000W)。洗剤とかもアメリカ並みにデカい(2.5リットルで3000W)。
トイレットペーパーも種類が多いし、乳酸菌飲料みたいなカラーの「2.2リットルパイプクリーナー(2000W)」とかまで売っている。
シャワーヘッドも、下手なホムセンより多いくらい。だいたい価格は5000W〜。ちょっとしたDIYできそうなくらいの配管まで売っている。
7階:食器、キッチン用品
木の皿、木の食器、木の鍋敷きに、木のお盆などなど、ウッド系のキッチン商品がた〜くさん。
フライパンの質や種類も日本とは違う。マーブル的なのとか、サーモス的なのとかが1つ5000Wで売っている。
あと、「さすが韓国」と思ったのは、銀食器が多いということ。ご飯を入れる茶碗的なやつとか、冷麺用の器とか。
また、バス用ではなく、「キッチン用のシャワーヘッド」も、今まで見たことのない商品が多い。こちら、プラスチックの安いやつではなく、金属製のヘッドである。文化の違いを一番感じた階かもしれない。
6階:陶器、ガラス食器
まず、種類が半端ない。本当に半端ない。河童橋(かっぱばし)のお皿屋さんに匹敵といっても言い過ぎではない。
プラケースは日本と同じような商品であったが、「キムチ専用プラケース」の充実っぷりには驚いた。1.5リットルの小さい容器が2000Wなのに対し、16リットル(!)もの大容量なのは5000W。デカいのに安い。
なお、日本だったらナカヤので決まりな「冷凍ごはん容器」に関しては、日本では一度も見たことがない長方形の「日本製」の商品が売っている。しかしメーカーは完全ハングル表記なので読めず。謎だらけの商品だ。
5階:食品
もう、観光地のスーパーかな? ってくらい。事実、ミョンドンの「お菓子屋さん」くらいの品数は揃っている。本場ロッテのお菓子もあるし、パクり系のお菓子もたくさん売っている。
ほか、韓国海苔、カップ麺、おつまみ、レトルト食品、缶詰、調味料、そして冷蔵庫に入ったジュースまで……。もうスーパーに行く必要もないと思う。
あと、サランラップとかアルミホイルとかは、箱がイカしたハングル表記でデザイン的にカッコイイ。お土産に良いかも。
4階:おもちゃ、キッズ、パーティー用品
ここはもうチビッコ天国。何度も言うようだが日本のダイソーの比ではないくらいの商品数。ちょっとしたデパートのおもちゃコーナーくらい。
どうやらディズニーやマーベルとコラボしているっぽく、それ系のグッズが所狭しと並んでいる。ディズニー&マーベル屋さんかってほど。
また、「oxford」というレゴっぽい商品がアツい。なにせ「ダイソー配達用トラック」や、「ダイソーストア」まで商品化されているのだ。ともに5000W。
3階:文具、包装、デジタル用品
文具はオールハングルだけど、ラインナップ的には日本と似てる。パッケージやラッピング商品も特秘すべきことは、ほぼない。
デジタル用品はキーボードがやけに充実。「普通のキーボード」「ゲーミングキーボード」「キーが丸いキーボード」など。
また、見たことないクリップ式スマホホルダーや、Apple Watchグッズ、スマホケースも充実していたが、そこまで驚くべき商品はなかった。
2階:美容、ファッション、アクセサリー
まずビックリしたのが、ドライヤーが売っていたこと。しかも安い。5000W(約544円)だ。
衣類もすごい。パジャマもある。プチプラもたくさん。ボディーソープ、シャンプーコンディショナー、日焼け止め、美容パック、ヘアスプレー……など。このあたりは日本と同じか。
1階:季節商品、レジ
1階はほぼレジ(有人&セルフレジたくさん)なのだが、特筆すべきは「BTSの可動式フィギュア(おそらく1/6スケール)」が売られていたこと。7種類あったので、おそらく全員分のフィギュアが揃っている。1体5000W(約544円)。
また、フィギュアの他にも「BTSマスク」も売られていた。こちらのマスクはプロレス的なマスクではなく、コロナ的なマスクのほう。各メンバーのネーム入りのマスクである。
あとは念押しで洋服もチラホラ。ポロシャツ5000W(約544円)、パジャマ下5000W(約544円)、日本のよりはやや大きめな扇風機も5000W(約544円)で売られていた。
──てな感じである。
いやはや、本当にスゴイ。これまでタイやベトナムやハワイのダイソーに行ってきたが、これほどまでに「日本の商品が売っていないダイソー」は初体験。
ここまで日本のダイソーとは違うのであれば、逆に日本に来た韓国の人が日本のダイソーへ行ったとしても、それもまた楽しいのだろうなぁ……と思った。それほどまでに商品が違う。100均ファンなら要チェックだ!
参考リンク: コネスト「ダイソー 明洞駅店」
執筆:100均評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24