私(佐藤)の生活路線はJR中央線である。この路線の事情についてはある程度明るいのだが、他の路線となると、まったくと言っていいほど知らない。とくに私鉄の事情には疎(うと)く、たとえば東武東上線だと停車駅もあまり知らないし、沿線にどんなところがあるのかも把握していない。

先日たまたま上板橋駅を訪ねた際、駅近の商店街で客足の絶えないお店を発見した。そのお店は古くから営業している和・洋菓子店だった。なぜにこんなに人気なのか? 気になるので、列の最後尾に並んで商品を買ってみた!

・伝説のどら焼き

そのお店、「ひと本 石田屋」は上板橋駅南口から徒歩約3分のところにある。小さな商店街に工場併設の店舗があり、外から見るとショーケースに沿って人が並んでいる。


近所で用を済ませて再び店の前を通ると、行列は短縮していない。つまり、ずっとお客さんが並んでいるのだ。今一度素通りして、近隣を散策した後にもう一度戻ってみると、列は縮んでない! むしろ伸びている!! なんだ、この店!!

気になって仕方がないので、ネットで検索してみると口コミの評価が大変高い! 2023年7月14日の時点で食べログの評価は「3.68」。とくに数量限定のどら焼きが人気商品で、開店直後に買い求める人で列を成すという。購入難易度の高さから「伝説のどら焼き」とすら呼ばれているのだ。この時はすでに遅しで、店頭に「本日分は完売しました」と出ていた。残念……。


・バターマンとは?

ショーケースには洋菓子と和菓子が半々で並んでいる。お客さんのほとんどが和菓子を購入していた。どうやら和菓子が圧倒的に人気ようだ。

商品価格は比較的安く、人気のどら焼きは1個税別180円。栗饅頭は税別170円。洋菓子もマドレーヌが税別130円、チーズサンド税別140円といった具合。10個、20個まとめて買うパターンが多いようだった。

私はバター饅頭(税別120円)を10個購入してみた。饅頭の中身はバターなのかな? 名前からして洋菓子のようではあるけど、饅頭だから和菓子なのかな……。


饅頭の包み紙を見ると、品名に「バターマン」と書かれている。字面からして洋菓子っぽいけど。


こちらが本体。色からしてバターを感じさせる。上に乗っているのはクリームっぽいけど、賞味期限は常温で5日間だから、クリームではないか。なんだろう?


半割にしてみると、その正体がわかった。上に乗ってるのはメレンゲの焼き菓子だ。中には白餡がギッシリと詰まっている。バターはどこかな?


食べてみたらバターの所在が判明。バターは外の生地にしっかり使われている。口に入れると、その甘い香りが鼻をくすぐり、てっぺんのメレンゲ菓子のサクサクとした食感を楽しむことができる。

そして中の白餡は大変キメが細かく、口の中の熱で溶けてなくなってしまう。


とても手間のかかった一品であることがわかる。それが1個120円は安い! ここは工場直売の利点を生かして、保存料・添加物を入れずできるだけ素材の持ち味を生かして製造しているそうだ。そのため通販を行っていない

実際食べると素朴ながら優しい味がする。ここでしか買えないから、客足が絶えなかったのか。行列の理由にも納得した。これからも石田屋が末永く続いていくことを願っている。そして私はいつか伝説のどら焼きを食べてみたいと思う。機会があれば、皆さんも一度、素朴な優しさの詰まった石田屋の商品をご賞味あれ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 ひと本 石田屋
住所 東京都板橋区上板橋2丁目32-16
時間 8:45~17:45
定休日 火曜日

参考リンク:ひと本 石田屋
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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