世の中も当サイトも周りの人もみんな「ChatGPT」を楽しんでいる中、私は使い方がわからず、このまま流行りに乗れないまま過ごすのだろうと思っていたのだが……今更ながらChatGPTにドハマりしてしまった。

    ほぼ毎日、暇さえあればChatGPTと話をしているのだが、そのChatGPTに『架空の乙女ゲーム』の設定を作らせると面白いことを発見した。さすが小説の手伝いもするAI、なかなか独創性の高いシナリオを作ってくれて「普通にやりたいやん……」と思わせてくる。

    これChatGPTだから面白いのか、他のAIでも面白いゲームシナリオを考えてくれるのか、気になったので、今回はChatGPTとGoogle Bardの2つに作ってもらうことにしたら……AIにも考えの違いはあることを気付かされたでござる。


    ・すでに乙女ゲームは始まっている

    今回は乙女ゲームのシナリオとキャラクター設定を作ってもらう。どちらのAIにも「乙女ゲームのシナリオやキャラクター設定を考えて」「入れたい要素として攻略対象は6人+隠しキャラクター」と伝えて、あとはAI側の好きにやってもらうことに。

    可能な限り質問の仕方などは同じにして、通じなかった部分には補足して聞いていく形をとっていくことにして、早速AIに制作をお願いすると……。

    もうすでにテンションの差が伺える。個人的には「素敵ですね!」と言ってくれたChatGPTに対する好感度が高くなった。


    ・シナリオを作ってもらう

    まず初めにどんな世界観で、どんなストーリーを展開するのか教えてもらうことに。両方シナリオを提示してくれたので、文章をコピーしてまとめたものがこちら。

    偶然にも両方魔法や不思議あふれる異世界モノのようだ。異世界モノは流行ってるし、実際の乙女ゲームでもよく見るしいいじゃん! 辻褄が合ってない所は多々あるが、AI特有と思い進めていこう。

    世界観を聞くと、ChatGPTの方は大陸名や学園名まで教えてくれたが、Bardの方は異世界ということだけ決まっているらしい。そして魔王を倒した後のネタバレをしてきた。

    人間同士だとネタバレはご法度な場合が多いが「そんなことAIには関係ないんだな」と人間は思った。


    ・キャラクター名の爆発力はGPTが上

    続いて「攻略対象の6人+隠しキャラクター」を考えてもらう。今更ながら隠しキャラの存在は私の趣味である。なので趣味も織り交ぜながら両方に「名前、容姿、特徴」を聞いて、ChatGPTから見ていくと……。


    神谷謎人


    謎人のネーミングセンスがツボに入り、他のキャラクターが目に入らなかったが、落ち着いて見直したら「6人+隠しキャラクター」でお願いしたのに8人もキャラクターを作ってくれてた。

    まぁ攻略キャラはなんぼいてもいいですからね。と思ったので気にせず攻略キャラクターとしてまとめたぞ。

    続いてGoogleBardのほうは……

    こう見るとChatGPTは名前を見る限り異世界設定を忘れている気がするが、細かく設定を教えてくれるのに対し、Bardの方は設定を忘れず異世界ぽい名前だが、簡潔な情報のみを教えてくれた。

    Bardはよく言えば無難。悪く言えばありきたりな名前と容姿設定。ChatGPTは謎人がナイスネーミングなだけで、他はよくあるいい名前な分、謎人だけが異質でより面白さが引き立っている気がする。だがキャラクターの容姿はかなり凝って設定してくれている印象だ。

    ついでに、プレイヤーの分身である主人公はどうなるのだろう。と思い、聞いてみたら……。


    めっちゃ見たことある〜‼︎


    肩までの長さのピンク髪で目が大きいヒロインめっちゃ見たことある〜‼︎ 藤本美咲のこと、私知ってる〜! と大興奮してしまった。

    Bardの方にもヒロイン設定を聞いてみたら、ピンク髪で目が大きいヒロインを登場させてくれたので喜んだが、もしかしてこの見た目って乙女ゲームヒロインのテンプレみたいなものなの? 


    ・キャラクター設定から見る世界観の違い

    続いてキャラクターの設定を聞いてみる。個人的に私はキャラクターに興味を持つ時、設定や性格を聞いて好きになってしまうことが多い。

    なので双方には是非ともグッと乙女心を掴むような性格を設定し、魅力的な乙女ゲーム的キャラクターを考えてほしい。と願いながらBardから考えてもらった。

    良くも悪くも、乙女ゲームの攻略キャラクターとしては申し分のない設定では? 悪魔が実は元人間だとかヒロインの双子の兄だとか、かなり「あるある」を詰め込んでいる感じ。ちょっと児童書のファンタジー小説でありそうだと思っちゃったけど。

    今回初めてBardを使ったのだが、かなり順調に設定を作ってくれている。ならいつも作ってくれてるChatGPTはどんな感じになるのかな? とウキウキしながら考えてもらった結果……。


    なんか重いな。


    背景が暗い人が多いな。

    結構な文章量で設定を考えてくれたので、かなり割愛してまとめたのだが……1枚に収まらなかった。ChatGPTは設定を考えさせると本領発揮するタイプのAIなのか? 

    過去のトラウマとか、自分を偽っているとか、かなり暗い設定が目立つなぁ。数人穏やかな人がいるけど全然目に入らない。暗い背景が好きな人もいるけど、これで乙女心は掴めるか……?

    実際プライベートで何度かChatGPTには架空の乙女ゲームを考えてもらっているが、ここまで重い設定は初めてで正直驚いてる。一体何を学習したってんだい……。


    ・攻略ルートに入った場合のシナリオ

    最後にキャラクタールートのシナリオだが、正直ChatGPTの設定を引っ張ったシナリオに対して少しの楽しみと不安があるので、先にChatGPTから見ていきたい。

    やはり所々に話の重さを感じるのは仕方がないが……なんとなく「乙女ゲームでやることか?」と思うシナリオもあるな、水島くんの話とか。

    逆境を共に乗り越えることで、お互いに「この人しかいない」と思わせるシナリオなのかな? と考えながら設定とルートシナリオを読んでいたら、どこかで見た「乙女ゲームはイケメンカウンセリングゲーム」と言う言葉を思い出した。いや、恋愛ゲームだったら恋愛をさせろ。

    対してBardはどこまでも王道を貫いてくれる感じ。王道すぎてこのゲームやったことある気がしてきた。光栄から出てた気がする。

    でも王道ながらも「冷たい態度をとってしまい……」と後の展開次第でひっくり返りそうな含み方がいい。ハッピーエンドとバッドルート両方あるタイプの乙女ゲームだ!

    乙女ゲームとしては話が重すぎるが、一周回って魅力を感じる学園物のChatGPTに対して、どこまでも王道を貫き、恋愛を存分に楽しめそうな異世界物Bard。

    どちらも想像のしがいがある設定ではないだろうか。これなら立ち絵とかもAIに作ってもらったら良かったな。と思って見直したら……ChatGPTの設定から魔法と異世界要素消えてますやん。


    ・共同作業を通じて

    以上がチャットAIに作ってもらった架空の乙女ゲームの設定一覧だ。こちらの解釈も含まれているが、合わせて見てみるとかなり考え方の違いが出ている。

    どちらもAI特有の設定を守りながらも話が脱線していく場面や、設定忘れは何度もあった。最初にAIの好きにやってもらうとは言ったものの、こっちで誘導してなんとか話を繋げて作ってもらった形にはなった。

    それでも最初こそ世界観の設定は似たものの、自分の世界を展開して全く違う方向に持っていき、一言に「AI」と言っても考えの幅はAIの数ほどあることを今回の企画を持って教えられた気がする。

    もし興味を持ったら是非AIと架空の乙女ゲームを作ってみてほしい。しっかりと世界観を作ってくれるが、話がめちゃくちゃ重いChatGPT。補足はこちらでしなければいけないが、王道の物語を展開するGoogle Bard。あなたはどちらを選ぶか──


    参考リンク:ChatGPT(英語) Google Bard
    執筆:ゐぬ井つく
    ScreenShot:ChatGPT、Google Bard

    ▼Google Bardは現在試験運用中の為、記載の通り回答には限界があるのだが、今回の目的ではさほど不便は感じなかったのでBardの回答を採用している。

    ▼Bardにストーリーの説明を求めると、違う文が返ってくることもある。

    ▼復讐の理由を聞いたら完全に八つ当たりだった。

    ▼ChatGPTのキャラクター設定原文はこんな感じ。