
インスタント食品でよく使われているフリーズドライ製法。急速に冷凍した食品を真空状態に置き、水分を昇華させて作られている。
真空と聞いて新しい技術なのだとばかり思っていたのだが、実は似たような製法で作る食品は昔から世界各地に存在していたらしい。
そのなかのひとつが『氷もち』。ウィキペディアによると、なんと今から600年以上昔、鎌倉時代から作られていたんですって!
・もち米100%の食品です
氷もちとは、信州を中心に古くから作られてきた伝統食品。冬の厳しい寒さの中、水を吸わせた切り餅を軒下に吊るし、2カ月ほどかけて凍結・乾燥させて作るのだそう。
今回購入したのは、ヤマヨ食品工業の氷もち。12個入りで税込540円、長野県大桑村にある道の駅 大桑でゲットした。
原材料名をチェックしてみると、なんとシンプルなことか「水稲もち米(国産100%)」のみ。
お菓子というよりも、保存食的な立ち位置が近いのかもしれないな。
取り出してみると、1個あたりのサイズは4.5×3×1.5cmほど。
表面にはたくさんの層が重なっていて、空気のように軽く一切の水分を感じさせない。
名前にこそ「もち」と付いているが、筆者が知っている餅とは全く違う何かがそこにあった。
参考に、自宅にあったフリーズドライの中華スープを見てみよう。
氷もちの方がキメが細かく層がたくさんあるが、発泡スチロールのようなカサカサした質感や 水分の抜け方(穴が空いている様子)などはそっくり。両者は冷凍と乾燥の間に生まれた子供たちの末裔のような、遠い親戚関係にあるように感じた。
・氷もちを食べてみた
パッケージ裏面の使用方法によると、氷もちはお茶菓子としてそのまま食べたり お湯に溶かして飲んだりするということ。
まずはシンプルにかじりついてみた。
カサカサ、という音とともに氷もちが割れる。この食感、雰囲気、既視感があると思ったら…… “麩(ふ)” にソックリだ。
そしてパリパリ、モソモソと噛んでいるうちに口の中の水分を吸って、もち米由来の甘みや香りが掘り起こされてくる。味に関しては餅そのものなだけに、食感に違和感がものすごい。
一般的にパリパリ食感の餅といえばせんべいだと思うが、それともまったく違う。せんべいは揚げたり焼いたりするときにもっとたくさんの空気を含むし、なにより香ばしい風味がある。
氷もちは、生の餅から水分が抜けた代わりに少量の空気が入っているイメージ。餅という見慣れた原材料が、完全にまったく違う食感に仕上がっていることに驚きを隠せなかった。
・お湯に溶かして飲んでみた
続いては、飲み物としていただく方法を試してみよう。カップに氷もちを2個入れて、
熱湯を注ぐ。
お湯の量は記載がなかったので、氷もちがヒタヒタに浸かるぐらい入れてみることに。
氷もちがすべて溶けるまでスプーンでしっかりと混ぜ、砂糖をスプーン1杯半ほど入れる。
出来上がったのが、こちら。
コレが正解かどうかがわからないのだが、氷餅がすべて溶けてドロドロの半透明に仕上がっている。
味見をしてみると、なるほど。これは長時間煮込んだお粥だ!
……だけど、味はもち米。デンプン的な甘みが強いし、匂いに至っては餅そのもの。たぶん、もち米でお粥を作ったら似たようなものができるはずだ。
個人的には砂糖などの甘い味付けよりも、生姜と鶏ガラ出汁のような 塩っけのある味付けのほうが合っている予感がするかな。
『氷もち』は今どきのお菓子と違って「甘い」「美味しい」的なわかりやすい味ではないのだが、食べ物の進化の一端を目撃できたような感慨深さが感じられる食品であった。
残念なことに、近年 気候が徐々に暖かくなっていることなどから、生産数が減ってきているのだという。
見かけたらラッキー。食べられるうちに是非一度、元祖フリーズドライ食品『氷もち』に挑戦してみてほしい。
参考リンク:Wikipedia 氷餅
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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高木はるか










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