
こんな風光明媚な場所が東京にあったなんて……。偶然その場所の存在を知った私は驚いた。
国の有形登録文化財にもなったという青梅の老舗旅館「河鹿園」。この美しい建物をそのままに「旅館建物室礼美術館」として営業していたのだが、2023年4月16日をもって閉館することになったという。
そこは今までその存在を知らなかったことを心の底から後悔するくらい、美しい場所だった。記録として残しておきたい。
・都心から約1時間半の絶景
「旅館建物室礼美術館 河鹿園」があるのは、青梅線の御嶽駅のすぐそば。奥多摩と呼ばれるハイキングエリアにほど近い。
中央線で青梅まで行き、そこからさらに青梅線に乗り換えて17分。
すでの青梅線の車窓の景色からして美しい。
どこまでも続く緑のトンネルと眼下に広がる渓流を眺めながら、電車にゆられて御嶽駅に到着。
駅を降りると、御岳山の緑と多摩川の渓流が眩しい。これだけで絵になるような美しさである。遠くの観光地より近くの奥多摩……などという言葉が思い浮かぶ。
そして、駅から徒歩1分、多摩川のほとりに「旅館建物室礼美術館 河鹿園」がある。
こういう旅館って駅から遠いイメージがあったので、ものすごく近くてビックリした。
・大正時代に建てられた風光明媚な旅館
大正の終わりから昭和にかけて料亭旅館として整備されたという河鹿園。2017年に旅館を廃業したあとは、旅館の建物をそのまま使った美術館として営業していた。入館料は800円という良心的なお値段。
「旅館建物室礼美術館」の「室礼」とは「しつらい」のこと。旅館の建物や部屋のしつらいとともに、美術を楽しむ場所なのだ。
とても失礼な言い方だが、趣向を凝らした豪華な旅館……といえば箱根あたりのイメージで、奥多摩のあたりだと自然を生かした素朴な宿が多そうなイメージを勝手にもっていた。
ところが、屋久島の一本杉を使ったという宿はどこを見ても絵になる美しさ。
・建物と風景、美術の総合芸術
入館料を払うと中に案内され、母屋と宴会場、浴室など建物を自由に見て回ることができる。
趣向をこらしていて、建物自体が芸術的。有形登録文化財に指定されているだけある。現代ではこうした技術を持った左官屋さんがいないらしく、同じような建物を作ろうとしてももう作れないらしい。
室内のしつらいはもちろん、窓から見える御岳山と多摩川の景色が美しい……! なんとぜいたくな景色なのか。
というか、景色の見え方まで完全に計算されて設計されているのが分かる。
さらに床の間には掛け軸といっしょに、季節の花が生けてある。
なんだこれは。まるでNHKの「美の壺」の世界に迷い込んだよう……。
・部屋に置かれた美術品にビックリ
そして、部屋や廊下など随所に立派な調度品や美術品が、ガラスケースに入れられることなくそのまま展示してあるではないか。
しかも、よく見ると円山応挙とか池大雅とか菱川師宣とか、教科書で見たような名前が書いてあるのだ。これって、ものすごい値段のものなのでは……?
特にすごいのが、大広間。ゲスな私は『何でも鑑定団』の100円、1000円、1万円……と鑑定価格がくるくる回るオープン・ザ・プライスのコーナーを思い浮かべてしまう。
ちなみに、それぞれ、店主の手による解説が書いてあり、参考となる美術の本もそばに置いてある。室内も風景も美術品も客人にすべて惜しげもなく見せている……。これで入館料800円は安すぎるのではないか?
ここに泊まっていたのも錚々たる人たちで、渡り廊下には三國連太郎など俳優や映画監督らのサインが飾ってあった。ちなみに大広間には、ラストエンペラーの一族が河鹿園に宿泊した際に描いたという漢詩が額装されていた。すごい。
ちなみに、主人が描いた美術品の解説文もなかなかユニークだった。たとえばこの牡丹と猫が描かれた日本画には……
「猫の毛波などは竹内栖鳳に迫りますが何か欠けているようです(本文ママ)」 とハッキリ書いている。そう言われるとそんな気もしてくるから不思議である。
・なくなるのが惜しい
「旅館建物室礼美術館 河鹿園」は建物・景色・美術が三位一体となり、ひっそりと庶民に開かれた美術館だった。
しかし、想像以上に贅沢な空間だった。
国指定の文化財なので建物が消えることはない……と思いたいが、建物は手入れされなければ荒れていくもの。そして、ご主人の美意識がこの空間のすべてを形作っていたのは間違いないと思う。
ちなみに、こんなに素晴らしい場所なのに、Google Mapのクチコミはたったの31件だった。ご主人には「もう閉まるからネットに載せなくていいよ」と言われたのだが、記録として残させてほしいと半ばむりやり、掲載をお願いしてしまった。
粋な空間の中で無粋な振る舞いをした……と思うけど、これが保存活動などにつながることを願います。
御花畑マリコ





























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