卵かつ丼なのにサクサク。「とじないカツ丼」「焼きカツ丼」「後乗せ」など様々な名で呼ばれる卵ととんかつが別のかつ丼は、かつ丼のジレンマを解決した存在と言える。そんな世間に隠れたとじないカツ丼を探すのが連載『卵とじないカツ丼を探せ』だ。
今回で17回目を迎える本連載にタレコミがあった。内容は次の通り。「蕨市で卵とじないお店を見つけました!「肉食堂たけうち 蕨店」の「極厚とんかつ丼」です。とんかつの下に卵。お肉の厚さは5cmありました。柔らかいお肉で塩で食べるのが美味しいです」
ありがとうごさいます! というわけで行ってみた。
・とじないカツ丼には2種類ある
調べたところ、店の正式名称は『肉屋食堂たけうち』で、蕨(わらび)以外に新小岩にもある様子。新小岩の方が近かったため、私(中澤)が向かったのは新小岩店だ。
世の中には2種類のとじないカツ丼が存在する。徹底して全てにこだわっているかわりに価格が高めの店と、B級グルメ的なコスパの良さを感じる店である。言うならば、高級系とコスパ系。シンプルにウマイのは前者で、近所にあったら嬉しいのは後者だ。
・コスパオーラ
商店街から横道に入った路地にあった『肉屋食堂たけうち』は、いかにも後者な雰囲気。看板のメニューを見ると、その価格帯もコスパ系である。
一風変わっているのは精肉店が併設されていること。どうやら精肉店直営の食堂のようだ。メニューがとんかつ系だけではなく肉尽くしなのはそのためか。
しかも、生姜焼き定食とかスタミナ焼き定食では、肉1.5倍も選べるようだ。正直、この時点で近所に欲しい。店内は満席だし、地元民の通える店というオーラがバリバリである。
・肉と衣の大地
かつ丼には様々な種類があるが、店員さんに聞いたところ、全てとじないタイプなのだとか。そこで数量限定で最も値が張る「リブロースかつ丼(税込み1749円)」を注文してみた。
値が張ると言っても、リブロースかつ丼でこの価格は安いのではないだろうか。例えば、高級系『日本橋とんかつ一』とかだと、リブロース焼きかつ丼は税込み3880円だからな。ゆえに、肉量が少ないのかとも思ったのだが……
めちゃくちゃガッツリしている。とんかつの下に卵があるはずだが、それすらも見えないレベル。さながら肉と衣の大地である。
・ザ・コスパめし
そんなかつ丼にタレと薬味と味噌汁がついてくるので、コスパ系と言っても上等だ。ちなみに、薬味は海苔と茎ワサビと粒荒めの唐辛子。卓上の調味料は辛味噌、とんかつソース、塩、たれ、七味唐辛子、醤油だ。
まずは付属のタレで食べてみると、このタレはトロみが強く甘い。卵との組み合わせが天津飯を彷彿とさせるくらいのトロみなので、かつ丼と考えると若干クセがある。
そこでひと通り調味料を試してみたところ、個人的にはとんかつソースがベストであった。少し辛みが欲しくなるくらいジューシーな肉はさすが精肉店直営。ザクザクの衣はザ・コスパ系という感じがして満席なのも頷ける。
というわけで、下町色も感じるとじないカツ丼だったこの店。精肉店直営という店の特性上、ハンバーグやステーキなど、より肉がメインのメニューも気になるところ。やっぱり近所に欲しい~!
・今回紹介した店舗の情報
店名 肉屋食堂たけうち 新小岩店
住所 東京都葛飾区新小岩1-32-5
営業時間 11:00~16:00、17:00~22:00
定休日 年末年始
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼他のメニューも肉の暴力
▼現場の判断でリブロースかつ丼を頼んでしまったんですが、タレコミのかつ丼も凄そう
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