ある日のこと、東京・新橋を歩いていたところ、次のような看板が目に入った。
「豚饅とビールは文化です。」
あれ? 見たことのあるコピーだな。もしかして、あの会社の新業態? いや、あそこは単一業態で勝負していたはず……。そこは「SHINBASHI 15〇」という店だった。あれ? 店の名前もどっかで聞いた感じなんだけど。
とにかく豚饅専門店らしいので、とりあえず買ってみた!
・ダンダダン + 蓬莱
「〇〇とビールは文化です。」って、たしか餃子だよね? 「肉汁餃子のダンダダン」が掲げているキャッチコピーだ。餃子1本なので新業態のお店は出してないはず……。
お店の名前が「551 HORAI(蓬莱)」っぽいけど、蓬莱の実店舗は大阪を中心に関西のみで東京には進出していない。
つまりここのお店は、ダンダダンでも蓬莱でもない。じゃあ何なの!?
実はここ、新橋を中心に店舗を展開する飲食チェーン「へそグループ」が、2022年12月に出店した豚饅のお店。立ち飲みの「ネオ町中華へそ」を併設している。
「ダンダダン」と「蓬莱」をオマージュしてしまうとはやるな~。あのモンテローザグループも顔負けのイメージ戦略だ。ちなみに「15〇(まる)」は、鉄道開業150周年にちなんだものと思われる。目の前が新橋駅のSL広場だからね。
・テイクアウト専門店
お店のメニューはテイクアウトオンリー。豚饅・焼売・餃子・からあげなどがある。
看板メニューの豚饅は、黒豚饅(1個税込280円)と揚げ黒豚饅(1個税込350円)の2種類。
立ち飲みのお店は15時オープン。「町中華」というだけあってスタンダードな中華メニューはひと通りおさえられている。
・揚げ豚饅とは?
どんな味なのか気になったので、通常の黒豚饅と揚げ豚饅をそれぞれ2つずつ買ってきた。
まずは通常版から食べてみよう。サイズ的には蓬莱とほぼ同等かな。ちなみに蓬莱は豚まん2個入りが税込420円(持ち帰り)。こちらのお店よりも140円も安い。あの美味さでこの値段だから、行列も当然と言えるだろう。
生地の中には隙間なく餡がぎっちりと詰まっている。表面はしっとりもっちりしていて餡の肉感も悪くない。価格・味の両方で蓬莱には1歩及ばないけど、また食べたいと思わせる味だ。
そしてこちらが揚げ豚饅。なぜ揚げちゃったんだろうなあ~……。面白いとは思うけどね。
中身は通常版と同じ。食べると表面カリカリ、そして中はしっとりである。嫌いじゃないよ、こういうの。嫌いじゃないけど、そのままで十分美味いやん! 揚げんでもいいやん! 嫌いじゃないけどね、なんで揚げたの? 揚げてもいいよ、いいけど揚げなくてもよかったんじゃないの?
ということで、全体的に遊び心を感じる面白い店でした。新橋発の豚饅が、この先どこまで浸透するのか、気になるところである。
・今回訪問した店舗の情報
店名 SHINMASHI 15〇
住所 東京都港区新橋2-9-7 IKENO-7 1階
時間 11:00~21:00(ネオ町中華へそ 15:00~翌4:00 L.O.3:00)