気が付けば、私(佐藤)がポールダンスを始めて6年。初回のレッスンは2016年12月13日だったから、すでに7年目に突入している。もはや生活の一部といっても良いだろう。もしも「筋トレ」だったら、こんなに続いていなかったと思っている。

その要因をお伝えするとともに、これから身体を動かしたいと考えている人に、筋トレよりもダンスの方をお勧めする理由を述べたいと思う。

・脱「我流のわがままトレーニング」

ポールダンスを始める前まで、私はジムに通っていた。正確には、ポールダンスを始めてからもしばらく平行して通っていたのだが、ポールダンスの運動量がジムの筋トレを軽く超えてしまったので退会した。

その頃にやっていた筋トレというのは、自己流のわがままトレーニング。負荷の軽い運動をダラダラと1時間やって、「今日はよくやった」なんて思っていたものだ。


みんなが私と同じとは思わないが、自分でトレーニングするのはとても難しい。とくに、これから始めようという人は、必ず1度は指導を受けるべきだ。そうしないと、お金と時間をムダに費やすことになってしまう

最近は大手がコンビニ感覚で通えるジムを展開しているけど、指導のないままいくらやった気になったところで、ちゃんと中身のあることをやらないと効果は期待できないだろう。


実際私が通っていた頃に、よく遭遇するおじさんが機器の間違った使い方をしているのを見かけた。何かお伝えした方が良いかな? とも思ったけど責任が持てないし、危険はなさそうだったので何も言えなかった。「おじさん、それだと負荷がかかってないよ」と何度言いたくなったことか……。

筋トレに励むのは良いことだ、でも個人では難しい。充実した機器があっても、それなりのアドバイスは必要だ。個人だと、どうやっても我流のわがままトレーニングになる可能性が拭えない


・一気に落とすことよりも

幸いなことに、私はポールダンスと適度な食事のコントロールで、グラビア級のバキバキボディを手に入れることができた。それもゆっくりと時間をかけて(正味5年)のことだったので、「1カ月で〇キロ減」なんて簡単にできることではない。

少なくとも、急激な減量を知識なくなるのは困難だし危険でもある。また、仮に体重が落ちたとしてもそれを維持するのが大変。落とした重さがデカいほど、キープが難しい。だから継続的な運動習慣をつけて、少しずつ少しずつ落とすのが望ましいだろう。

そのうえで、個人で運動習慣を維持するために必要なあるものが2つある。それが「モチベーション」「スケジューリング」だ。


・モチベーションとスケジューリング

意志の強い人なら、モチベーションを保ってやり続けていくことができる。だが、そうも行かないんだよねえ~。例を挙げると、当編集部のH氏の場合だが、彼はいつも何かに負けている。食事か飲酒の違いはあるが、常に何かに負けて食っちまう。飲んじまう。筋トレを休んじまう。


否定はしない。だってそれが自然やん! 人間だもの!!


何事においても続けるのは難しい。自分を奮い立たせるのは、筋トレそのものよりも難しいのではないか


そこで! 私はダンスをオススメしたい。

ジャンルは何だって良い。できればグループでレッスンを受けて、発表会のあるクラス(スタジオ)が良いと思う。この「グループ」と「発表会」に、モチベーションとスケジューリングを補う要素がある。


・誰かに会いに行く

先にも述べたように、自分でモチベーションを維持するのはムズい! それなら人に管理してもらえばいい。何も励ましてもらう必要はなく、ただ一緒にがんばる仲間がいるだけで良い。


グループのダンスクラスなら、誰かと一緒にレッスンを受けるはず。何度かレッスンに通っているうちに顔見知りになって、親しくなるかもしれない。そうすればレッスンを受けることだけでなく、誰かに会うことが目的になることだってある

仲良くなったら、誰かに会いに行くことがレッスンを受ける理由になってもいい。1人でがんばるよりも、仲間がいると思った方が、よりやる気になるはずだ。

私もポールダンスを習うと同時に、練習仲間や先生に会いに行くことを楽しんでいた。近年はレッスンを受けていないのだが、コロナ直前は「習いに行く」というよりも「遊びに行く」気持ちの方がずっと強かった

何をやるにしても、孤独に戦うよりも人と戦った方がずっとがんばれる気がする。


・発表会までに

ダンススタジオの多くは発表会を開催している。普段の練習の成果をお披露目する目的で開かれるものだ。これもまたモチベーションに貢献するし、発表会の日程に向けて練習を重ねていくことになる。

目的も期限のない中で、ひたすら何かをやり続けるのは誰にとっても困難だ。考えようによっては苦行と呼べるかもしれない。発表会のような大きなゴールが年に1回や2回あれば、目的も期限も明確になる

やみくもに筋トレするよりも、「次の発表会までにこの曲を仕上げる」という方が具体的な努力ができるのではないだろうか。


・誰かと何かを目指す

上記の2点の要素が、ポールダンスにあったから私は続けることができている。

このことはポールダンスに限ったことではなく、ジャズダンスやヒップホップダンスなどでも同じ。そのほかグループレッスンと発表会のある類のものなら何でも同じことが言えるだろう

とにかく1人で筋トレをするよりも、誰か(グループ)と何か(発表会)を目指した方がやりやすいはず。


「やればできる」と根拠のない自信を持つのも良いけど、効果の微妙なわがままトレーニングから脱せないのであれば、いっそ筋トレを離れてみるのも良いかもしれないぞ

ちなみに、ダンスは有酸素運動なのでダイエットには適しているが、筋肉を増強してマッチョ体質になりたいのなら筋トレの方が良い。ただし最初にお伝えしたように、個人の知識では限界があるので、マッチョを目指すならトレーナーに指導を仰ぐべきだ。


「ダンスなんて恥ずかしくて踊れない」という人もいるけど、安心して欲しい。最初から上手く踊れる人なんていないし、自分が考えるよりも人は見てないぞ。だから、誰も見てないと思ってやれば、何でもへっちゃらだぞ。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼2022年12月のスタジオ発表会の私(佐藤)のリハーサル動画。踊るの楽しいぞ!