現在、欧州やアジアが夢中になっているW杯。しかし、北朝鮮代表は予選を途中棄権しているし、ロシア代表に至ってはFIFA(国際サッカー連盟)とUEFA(欧州サッカー連盟)から追放されている。W杯中だからって油断できないぞ!!

世界は脅威に満ちている。もはや明日が来るかも分からない。不安になってきたので核シェルターに入ってみることにした

・核シェルターを販売している会社

というわけで、訪ねたのはワールドカップならぬ “ワールドネット” のショールーム。ワールドネットは、「耐震シェルター」「核シェルター」「水害シェルター」「津波シェルター」の全てを自社にて開発製造している唯一の企業で、もちろん販売も行っている。核シェルターの販売実績は日本シェアNo.1なのだとか。

岸田文雄首相は核シェルターについて「現実的に対策を講じていく必要がある」と検討を進めることを表明しているが、ワールドネットの社長である中嶋広樹さんは、実際に政府に専門家として召集され意見交換も行ったという。マジか、岸田さんの検討を進めるってちゃんと行動も伴ってたんだな


・社長に話を聞いてみた

まあ、政府に対する不信感は置いておいて、中嶋社長いわく、核シェルターに最も重要なのは陽圧する速度なのだそうな。なんと、ワールドネットが販売している家庭用シェルター「最後の砦」は10秒以内に陽圧が完了するという。スゲエ! ところで陽圧って何スか

中嶋社長「陽圧とは内部の圧力が外部の圧力より高い状態です。気圧は完全に密閉されていないと上げられないため、陽圧できたということは外からの放射性物質からもプロテクトされるということになります。

ミサイルが発射してからJアラートが鳴るまで大体5分かかるので、ミサイルが着弾するまでの残り5分で避難が完了しないと意味がありません。したがって、シェルターへの移動時間も含めると、陽圧に時間がかかるのは命取りです。そこで陽圧速度にこだわりました」

──とのこと。陽圧ってそんなに凄いのか。しかし、それだけ凄いと聞いたら逆になんか怖い。体に影響でないの? 陽圧開始した瞬間、空気がなくなるとか、頭が爆発するとか。というわけで、具体的にどういう状況になるのか、最後の砦に入って陽圧してみることにした。


・核シェルターの中

中はキングサイズのベッドくらいの広さ。高さ的には私の身長(165cm)で真っすぐ立てるくらいだったが、サイズはオーダーメイドが可能とのこと。

シェルター内の端には、エアコンやテレビ、電源が設置されている。普段使いができるようにも作られているそうだ。一方、逆側の端には見慣れないマシーンが。

ゴツイエンジンのような外見でサイバーパンクみを醸し出しているこのマシーンは陽圧機。扉を閉めてスイッチをオンにするだけで陽圧が完了するのだとか。



・陽圧してみた

それではさっそくスイッチを入れてみよう。大丈夫、生きてやるさ。俺、この陽圧が終わったら、あのコに伝えたいことがあるんだ……パチリ


換気扇「フオオオオオオン!」


中嶋社長「これで陽圧が完了しました」

──え、これだけ? 変化と言えば換気扇が回ったくらいで、中にいる感じは普通と変わらないですね。


中嶋社長「変わらないですね。1.03気圧以上に上がっただけなので。人によっては、耳にちょっとした違和感を覚える人もいるかもしれませんが、それも高速道路でトンネル入った時ほどもいかないくらいです。

むしろ、普段は高気圧酸素などの健康機器として使えるのも特徴の1つです。シェルターなんて普段は邪魔で仕方ないので。テレビやエアコンも設置してますし、電源やLANケーブルも繋げますからパソコンもできます」


──でも、お高いんでしょ?


中嶋社長「こちらは880万円になります」


──あー、やっぱりそれくらいはしますよね。


中嶋社長「しかし、こちらは2人用ですので、1人用だと680万円です」


──安! ……くはない。ですけど、命の価値と考えれば安い気もしなくもないです。


中嶋社長「あとは、壁の厚みがこれは最薄で3.2mmのものなんですが、10km先の着弾までなら耐えられる防爆機能があります。この壁の厚さによって価格も変わりますが、最厚の36mmだと戦車が突っ込んできてもほぼ壊れません。着弾も半径5km以内でも耐えられるんじゃないかという想定です」


──ちなみに、36mmだとおいくらなんですか?


中嶋社長「大体1280万円ですね」


──ポルシェ買うかシェルター買うかくらいの感じですね。


中嶋社長「世界基準でのシェルター購入の平均価格は1500万円から2000万円と言われているので、そういう意味では高くはないかと」


──なるほど。それにしても、なんで核シェルターを作ろうと思ったんですか?

・核シェルターを作った理由

中嶋社長「実は、最初は津波シェルターを作ってたんですね。キッカケは東日本大震災で、石巻に行った時に何か守れるものが作れたらいいなと思ったんです。

それで核シェルターも作ろうかと考えた時に、色々調べてたら、イスラエルが凄いらしいということが分かりまして。イスラエルとスイスって核シェルターの普及率が100パーセントなんですよ。で、イスラエル製の陽圧機に出会って、理想が実現できそうだということで作りました」

──とのこと。っていうか、イスラエルだけでなくスイスも核シェルター普及率100パーセントなのか。なお、中嶋社長いわく、これは国が公開しているデータなのだという。ヨーロッパど真ん中で4国に隣接しているにもかかわらず永世中立国なことには理由があるのかもしれない。

ちなみに、日本の核シェルター普及率は0.02パーセントとのこと。一家に一台の未来は程遠いが、なんとか検討を進めて欲しいな。俺、核シェルターが買えたら、あのコに伝えたいことがあるんだ……。

参考リンク:ワールドネット
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼閉じこもることを考えると1人でも2人用くらいのスペースは要りそう

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