北海道に行ったなら一度は寄りたいセイコーマート。ローカルコンビニにもかかわらずここまでの知名度となった理由はひとえに顧客満足度の高さがなせる業と言える。おにぎりは大きいし、ホットシェフはウマイし、ちょっと食べるのにここまで満たされるコンビニもあるまい。
そんなセイコーマートの「りんごジャムパン(税抜118円)」をあなたは食べたことがあるだろうか。私(中澤)は食べたことがなかったのだが、先日、朝食がわりになんとなく買ってみたところ衝撃を受けた。圧倒的にウマイ! 少なくとも、コンビニのジャムパンの中では圧倒的に優勝している。しかし、これは……!!
・ジャムパンとは
あなたはジャムパンに対してどんなイメージを持っているだろうか? 手前勝手ながら私のイメージを述べさせてもらうと、ジャムパンって一番差が出にくい菓子パンなのではないかと思う。
具が増量されようが、良いジャムを使っていようが、ジャムパンにしたら全部ジャムパンの味。もちろん、ウマイのだが、「ここのジャムパンがウマイんだよね!」っていうのは聞いたことがない。
要するに、ジャムパンを買う民が求めているのは安定なのだ。激ウマではないかわりに、どこで買っても絶対に失敗しない味。それがジャムパンなのである。
・ウサイン・ボルトかよ
思えば、その朝、私がセイコーマートのりんごジャムパンを手に取ったのもそんな気分からだった。ゆえに、ひと口食べた瞬間、衝撃を受けずにはいられなかったのである。バ、バカな……! こんなことがあっていいのか?
もうジャムにたどり着いただと……!?
ジャムパンって最初のふた口くらいは口の中の水分が持っていかれるもの違うかったん? そう、セコマのりんごジャムパンは、他のコンビニのものに比べて、ジャムにたどり着くまでのスピードが圧倒的に早いのである。それはもう全盛期のウサイン・ボルトなみのずば抜けっぷりだ。
確かに、棚のポップには「中身たっぷり!」と書かれていたが、ことジャムパンにおいてその文言を実感できたのは初めてかもしれない。さらには、りんごジャムだからスッキリしてるんだよな。
・ハマった結果
でも、これってシンプルに量の違いなのだろうか? 気になった……というかシンプルにハマったので、北海道にいる間食べまくっていたら、このジャムパンのカラクリがぼんやり見えてきた。つまりはこういうことである。
普通のジャムパンは真ん中に具が寄っている山型なのに対し、セコマのりんごジャムパンは外側の方が具が厚めなドーナツ型なのである。これにより、ひと口めからMAXスピードのスタートダッシュが実現されているわけだ。セコマSUGEEEE!
・壁は破られた
ちなみに、現在北海道在住のグルメ好き記者・Kナガハシにその話をしたところ、「そうなんですよ!」と首がもげるくらい頷いていた。K.ナガハシによると、いちごジャムパンも同じくウマイらしい。
北海道民にとっては既知の事実だったかもしれないのだが、少なくとも私はその味がエポックメイキングに感じた。今まで、ジャムパンなんてどこのヤツも同じと思っていたが、セイコーマートのジャムパンは違う。
今、ここに破られたひと口の壁。後を追うのはどのコンビニか。ジャムパン戦国時代はもうすぐそこまで来ている。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.