あなたは奄美大島発祥の飲み物、『ミキ』をご存じだろうか? 主に沖縄を中心に販売されているが、内地で見かける機会は滅多に無い。私(耕平)は沖縄好きを公言しているが、この飲み物は先日、9月に終了したNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』のロケ地であった横浜市鶴見区に訪れた際、初めて目にした。
「なんじゃこりゃ~」と思い、さっそく購入して飲んでみたところ、結論から言うと何とも言えない微妙な味だった。そしてこの『ミキ』は「飲む極上ライス」をキャッチフレーズにしている。
ということは、ご飯にかける調味料などを組み合わせれば、味が劇的に変わるのではないか? という疑問のもと、検証を始めることにした。その結果、意外な結果が待っていた……。
・改めて『ミキ』ってどんな飲み物?
当サイトでは2018年に『ミキ』を取り上げたことがあったが、改めて簡単に説明しよう。『ミキ』とは鹿児島県にある奄美大島が発祥の地とされている発酵飲料だ。すり潰した米に、さつまいもを加えて発酵させて作られているとのこと。
前述のとおり主に沖縄や奄美諸島で販売されていて、内地ではアンテナショップみたいなお店じゃないと、ほとんど見かけることはない。私も鶴見にある「おきなわ物産センター」に訪問した際、つい見かけて物珍しさから購入してしまった。
「どんな味がするんだろう……」と、さっそくお店のベンチで飲んでみることにした。
缶を開けて……
グビッと一口!
…………。
何だろうこれは……ドロッとしていて甘酒っぽい感じがするが、他に特徴をとらえた言葉が出てこない。というか、味が無いという表現が一番近いような気がする。まぁ発酵飲料なので、体には何となく良さそうな気はするが。
・『ミキ』に合うご飯のお供を探してみた
ただ冒頭にもお伝えしたが、この『ミキ』は「飲む極上ライス」というキャッチフレーズがある。原料に米を使用しているからだとは思うが、それであれば何かを混ぜて飲めば、かなり飲みやすくなるのではないか? と考えた。ということで、思いついた「ご飯のお供」を揃えてみた。
それではさっそく検証を始めてみよう。まず一品目はシンプルに塩だ。
ご飯に塩は普通の食べ方ではないが、「飲むライス」だから調味料としての力が発揮できそう。
それでは一口。
おぉ、意外にアリだ!
ミキ独特の甘酒風味が、ちょうど塩気で中和されて飲みやすい。ミキ自体が味が薄い分、塩を加えることで飲み物としての格が上がったイメージだ。
次に醤油で試してみる。
同じ液体なので、相性が良さそうな感じはする。ちなみに醤油は甘めなものをチョイスした。ということで適量を入れて……
飲んでみたところ……
不味っっっ!!!
いや、第一印象はマジでシンプルに不味かった。よく混ぜていなかったので分離していたのもあるだろうが、ちゃんと混ぜて確かめても多少マシになった程度だった。
次に「ご飯のお供」と言えば、昔から国民的な人気を誇る『ごはんですよ』の登場だ。
普通の白米であれば、安定の美味さを誇るこの商品。これが「飲むライス」と融合すると、どういう化学反応が起きるのか?
固形物なのでよく混ぜて……
口に入れてみると……
オエーーーッッッ!!!
何だこれは! 口の中でミキと「ごはんですよ」が完全に分離されていて、気持ち悪さこの上ない。先程の醤油ブレンドを凌駕する不味さだ。これは完全に失敗だろう。
そして4番目に試してみるのは、ドレッシング。
しかもノンオイルの玉ねぎドレッシングだ。なぜご飯に直接かける場面が無い、この商品をチョイスしたのか自分でもよくわからない。しかしモノは試しだ。もしかしたら良い方向に化学反応が起きるかもしれない。
期待は薄いが、グビっと一口。
はぁ〜、もう最悪……。
ノンオイルとはいえ、ドレッシングの要素が強すぎて、もう人が飲めるような代物じゃない。しかも刻み玉ねぎの食感が不味さに拍車をかけている。今までの検証は、二口目で味が変わるかもと思い、何とか頑張って完飲したが、これは一口目でギブアップした。
ここまで、塩以外は全て失敗に終わっている。そして最後の望みを託して味噌を試してみる。
こちらはインスタント味噌汁から1食分だけ拝借して、混ぜてみることにした。
こちらも「ごはんですよ」と同様、固形物なので良く混ぜて……
味はいかに!
ん???
何か今までと違うぞ。そんな疑問を抱きつつ、もう一口飲んでみたところ……
「なにこれ、美味っ!!」
何だろう……例えるとしたら「冷静味噌スープ」みたいな感じで、普通にコース料理のメニューに出てきても何の違和感も無いだろうと思われるクオリティ。これは新しい発見だ!
・ナンバーワンに輝いたのは?
これまで5種類の調味料や食材で検証したが、前述の通り、ナンバーワンは間違いなく味噌だ。もちろん味噌も色んな種類があるので、今回私が試したインスタントものが、たまたま相性が良かっただけかもしれない。そして、塩もなかなか良かった。
もちろん本場の奄美大島などでは、色んなアレンジがあるとは思う。ということで、もしミキを見かけるようであれば、そのまま飲んでみるのもいいが、物足りなさを感じたら色んなアレンジを試してみてくれ!
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.