漫画『ドラえもん』には「ヒロインのしずかちゃんが “焼きいも好き” を必死に隠している」という描写が登場する。かつて焼きいもは「オナラを連想」「野暮ったい」といったイメージが強く、好きを公言するのが何となく恥ずかしい食べ物だったのだ。
それが今じゃコンビニやオシャレカフェまでもが、こぞって『焼きいもフェア』を開催する時代。我々は焼きいもに対して、これまでの仕打ちを詫びるべきではないのか?
……とはいえ、1年を通して焼きいもが買えるようになったことは、やはり素直に嬉しい。焼きいもブームが続く中、ついに『冷凍焼きいも』なるものも登場したようだ。
・レンジでOK!
今回私が購入したのは、ライフフーズの冷凍焼きいも(350グラム)。購入価格は462円だった。
パッケージには国産の有名ブランド『紅はるか』を使用とある。重さで計算すると一般的なスーパーの焼きいもとほぼ同価格だ。これでウマけりゃ焼きいも史に残る大革命と言えるんじゃないか?
袋の中には小ぶりなイモが6本。もちろんカチカチのヒエヒエ。
加熱方法は『電子レンジ』『オーブン』『自然解凍』の3つ。こういう場合「オーブンだと一層おいしく召し上がれます」などと書かれているケースも多いが、本商品にそのような記述は見当たらない。おいしさが変わらないのであれば、手軽な電子レンジがいいに決まっている。
600ワットで1分30秒。見た目は全く変わらないが、かじってみると……
スゴイ!!! 蜜がしたたる甘さ!!
・疑惑そして検証
砂糖が加えられているのでは? と一瞬疑ってしまうほど甘く、柔らかく、ホカホカでおいしかった冷凍やきいも。若干 “冷凍特有のくさみ” が残るという点で『アタリの焼きいも』には一歩及ばないものの、『ハズレの焼きいも』と比べれば冷凍の圧勝だ。
なお当然ながらサツマイモには個体差がある。念のため6本全て味見してみた結果……ぜ〜んぶ甘くて柔らかくてホカホカでおいしい!! そしてぜ〜んぶ “冷凍特有のくさみ” がある!!! 個人的には「お店でハズレを引く可能性があるくらいなら、冷凍焼きいものほうが確実」という結論に。
……と、ここで浮かび上がるのが「普通の焼きいもを冷凍したらどうなるの?」という疑問である。これまでの人生で “焼きいもを冷凍する” という発想に至ったことは一度もなかったが、意外といけちゃったりするんだろうか?
さっそく私は行きつけのイトーヨーカドーで購入した焼きいもを冷凍庫に放り込み、1週間ほど寝かせてみることにした。先ほど申し上げたとおり焼きいもには個体差があるが、イトーヨーカドーのものは比較的ハズレが少なめな印象。
カチカチに凍ったヨーカドーの焼きいもは、購入時とほぼ同じビジュアルをキープしている。レンジで加熱すると……
スッゴイ!! 買ってきた時と同じおいしさ!!!!
以上のことから「いつでも『確実においしい焼きいも』が食べたい」という人は、以下の順序で立ち回れば最も勝率が高いという仮説が成り立つ。
①スーパーで『アタリの焼きいも』に出会ったら買いだめして冷凍
②『冷凍焼きいも』をストック
③ハズレも覚悟で『できたての焼きいも』を買いにいく
④生のイモを焼く
「焼きいもは自分で冷凍しても味が落ちない」という、当初の趣旨からすると元も子もない事実が明らかになった今回の調査。イモを焼くのが上手な人は、自分で焼いたイモを冷凍しておくのもアリかもしれない。「そんなの面倒くさい」というズボラさんは『冷凍焼きいも』をフル活用してくれ!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.