昨年、長野県が生み出した赤いシャインマスカット「クイーンルージュ」が旨すぎるという記事を書いた。そのまたとない味わいから一瞬で虜となったのだが、今回ご紹介するブドウはさらにその上を行くとんでもない大物である。

その名も『富士の輝き』。通称ブラックシャインマスカットと呼ばれている、山梨県で生まれた超高級品種である。

緑、赤、そして黒。シャインマスカットにも色々種類あるんだなぁという感じだが、ブラックシャインマスカットはマジでバケモノ。これ食べてから普通のシャインマスカット食べたら味薄れるレベルだったんだけど!?


・山梨発の黒いシャインマスカット

『富士の輝き』は山梨県の志村葡萄研究所が作り出した、日本初のブラックシャインマスカットである。

シャインマスカットとウィンクというブドウを交配した品種で、種はなく皮ごと食べられるのが特徴。シャインマスカットやクイーンルージュは糖度20度ほどだが、「富士の輝き」は最大で糖度30度にもなる個体があるとのこと。

あまり流通しておらず希少なため、ネットで探すと高いものは余裕で1万円を超える価格。なるべく安く良いものを仕入れたいという思いから、今回は生産地の山梨まで足を運び4000円で購入してきたぞ。それでも十分高級なんだけど、最近のブドウは軒並み値段が高いから感覚バグっちゃうよ……。

500円玉と比べると粒の大きさがよくわかる。購入した房は「ブラック」というほど色付きが濃くはないかな。ただ、今年は天候のせいかブドウの生育・着色が良くないって言ってからその影響があるのかも。

皮が薄くて食べられるところは同じだが、シャインマスカットより若干しっかりとした果肉感。そして気になるその味は、シャインマスカットとはひとあじもふたあじも違う!

シャインマスカットはさわやかな青みが広がるところ、ブラックシャインマスカットはとにかく甘い!

巨峰やデラウェアみたいな重厚な甘みではなくて、マスカット特有の爽やかな甘みを最大限濃くした感じ。口に入れた瞬間に果汁とともにジュワッと甘さが広がるが、不思議と後に残らない。

比較用にシャインマスカットも買ったんだけど、ブラックシャインマスカットを食べてから普通のシャインマスカットを食べたら味が薄れちゃったんだが。同じ農家さんから買ったからシャインも相当美味しいはずなのに、その美味しさを丸ごと飲み込んじゃうくらい濃くて深い味わい。「富士」と付くだけあって、圧倒的つよさ。こりゃ恐れ入りました。


・来年にさらなる期待

これだけ紹介しておいて申し訳ないのだが、「富士の輝き」の収穫時期はそろそろおしまいみたい。とはいえ、ブドウ界注目の品種とのことだから、これから出会う機会は増えていくことだろう。

ちょっとお値段は高いものの、この味嫌いな人いないだろってくらい完成された味だったので、ブドウ好きならぜひ1度は食べてみてほしい。今後「富士の輝き」を作ってくれる生産者さんがもっと増えて、手に入りやすくなったら嬉しいな〜!


執筆:まろ
Photo:RocketNews24.

▼生みの親の元まで行って買ってきました。美味しいブドウをありがとうございます!

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