先日久しぶりにIKEAに行った。IKEAの店内って家具をモデルルーム風に展示してくれているから、使用中のイメージが湧きやすいんだな。購買意欲掻き立てられまくったぜ。

そんなショッピングの最中、通路の真ん中にドドーンと置かれたカゴの中に気になる物を発見した。北欧のチーズスナック菓子『Cheez doodles(チーズ・ドゥードゥル)』なのだが、どこかで見たことある形をしているな。

……お前、もしかしてカール? カールなのか!?!?

・あぁ、懐かしきカール

明治のスナック菓子『カール』を知らない方は珍しいかもしれないが、念のためご説明しよう。

1968年発売されたスナック菓子で、「C」の字のようにくるっと丸まったフォルムが特徴。口の周りにたっぷりとヒゲが生えたオジサンのキャラクターと「それにつけてもおやつはカール」というCMは忘れたくても忘れられないほどに印象的だ。

ところが2017年、販売低迷などを理由に中部地方以東での販売を中止し、以降は近畿地方以西での限定品となってしまった。ネットオークションでの高額転売祭も起こるなど大騒ぎになったのは記憶に新しい。

筆者が住んでいる地域でも、残念ながら手に入らないレアアイテム。記憶に残る独特のサクサク感と歯にくっつく粒子の細かさ、薄めの味付けを思い出しては懐かしんでいるわけだ。結構好きだったんだよな、カール。


・スウェーデン版のカール!?

さて、こちらがIKEAで見つけたカールのようなお菓子『チーズ・ドゥードゥル』、価格は税込399円だった。スウェーデンのメーカーOLW社製のお菓子で、パッケージをGoogle翻訳で見ると「1968年以来スウェーデンで最も愛されるスナック菓子」ということらしい。

1968年と言うと……あれ!? カールが発売されたのと同年じゃないか!


おまけに原材料にはコーンミールの文字。

カールに使われているコーングリッツとの違いは、粒子が細かいという点だけ。

これは間違いなくスウェーデン版カール、同じ年にここまで似たお菓子が生まれるなんて運命だ! ひょっとして生き別れの兄弟的存在なんじゃないか!?


・開封してみると…

久々にカールが食べられるかもしれない! その興奮に筆者の手は震え、待ちきれない思いで力の限り袋を開封した……が、

あれ?


なんか思ってたのと違うなぁ。


カールよりも細くて紐っぽい。カールがカブトムシの幼虫だとすれば、チーズ・ドゥードゥルはシャクトリムシ。


実際に測ってみると長さは5cm、直径は9㎜程度。

カールなら直径2cmぐらいあったような気がする。


全然違うものじゃないか……。突然失意のどん底に突き落とされながらも、一口かじってみる。

「案外美味しいな」


カールの味を期待するとガッカリするだろう。キメが荒くボリボリとした食感、海外っぽい癖のあるチーズの香り、後に引く塩っけ。まったく違うお菓子だ。

──だが、悪くない。最初は違和感しかなかったのだが、慣れるにつれて濃いめの味が癖になり 手が止まらなくなっていった。


さらに嬉しいのは、160gとたっぷり大容量という点。

決して小顔ではない筆者の顔よりも大きなパッケージの中に、たっぷりと詰め込まれているのだ。ここ最近の日本のお菓子の小ささ・内容量の少なさに嘆いている身としては、単純に量が多いだけで3倍は幸せである。

IKEAのオンラインショップをチェックしてみたところ、残念ながらチーズ・ドゥードゥルは実店舗でしか買えない模様。店内では同じOLW社製のポテトチップスも見かけたので、次回はそちらも購入してみたいところだ。

参考リンク:IKEAオンラインショップ
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.