たぶん世の中のほとんどの人が知らないと思うけど、「ポールダンス」って外でもできるんですよ。屋外でも設置できる「ステージポール」というのがあり、それを持ち出せば外でもパフォーマンスが可能だ。

私(佐藤)は最近、それを持ち出してビルの屋上でポールダンス撮影に臨んでみた。そうしたところ、最高の写真を撮ることができたんだけど、厳しい現実に直面し、コスプレイヤーの皆さんの苦労を垣間見た気がする。

・屋上でポールダンス撮影

通常屋内の場合、ポールは天井と床に固定して使用する。屋外では天井がないので、重量のある台座にポールを固定して使用することになる。これがステージポールの理屈だ。私が普段利用している練習スタジオのステージポールをお借りして、時間貸ししている撮影スタジオの屋上で撮影することにした。


ちなみにステージポールの重量は、台座部分が86キロ、ポール部分が16キロ、合計102キロになる。スタジオからの搬出は段取りの都合で私が1人で担った。

何を隠そう私は20代前半、JRの保線業に携わっていたことがある。線路の枕木(1本60キロ)交換を手作業で行っていたくらいなので、割と力仕事は得意だ。

大変だったのは搬入先の撮影スタジオ。4階建ての屋上までエレベーターがないので、先の100キロ超のポール機材を手分けして階段で運んだ。この日は猛暑日で、気温は午前8時の段階ですでに30度を超えていた。汗だくになりながらもなんとか搬入して無事にポールを設営するに至った。


ポールの高さは約3メートル。台座部分が重いのでよほど無茶な動きをしない限りは倒れることがない。とはいえ油断大敵、扱いには十分に注意を払った。


・最高の画は撮れたけど……

こまめに水分補給をしつつ、しっかりストレッチして、いざ撮影開始!


ポールダンスは皮膚の摩擦によって、ポール上で姿勢を維持する。つまり身体は乾いている方が望ましい。夏場は室内でもクーラーをかけていないと、身体が滑って止まることができなくなる。だがここは外、当然クーラーはない。


撮影している間、ジッとしていても汗が噴き出すというのに、少しでも動くともう汗は止まらない。滑り止めをいくら駆使しても、焼石に水。見る間に着ているものは汗で濡れていく。


身体を拭きつつ滑り止めを使いつつ、精いっぱいポールにしがみつく。その間に仲間たちがステキな写真を撮影してくれていた



写真は上出来。エレガントに空を舞っているように見えるけど、実際は……



ポールに半分も昇れていない。汗で滑ってズルズルと滑り落ちてきてしまう。現実は厳しい……


最後は暑さに負けて、ポールに昇ることさえしなくなってしまった。

1時間半の撮影でさえこの有様。半日以上屋外にいる夏のコミケのコスプレイヤーの皆さんはもっと大変なのではないか? と想像してしまった。厚い衣装に身につけて笑顔を絶やさずにカメラに目線を送る姿は、尊ささえ覚える。

そこまではできないので、私は涼しくなる秋ごろに再度撮影に挑んでみたいと考えている。いずれにしても、ポールダンスを通してまたひとつ新しい経験ができて満足だ。次はどんな新しい経験をくれるのか楽しみだ。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
撮影協力:SPIRAL MODEOPALUS
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼こちらもどうぞ!