本記事で述べる内容は一般的に「言い訳」と呼ばれるものかもしれないが、私に言わせると「失敗の原因と分析」である。
それは実に巧妙であった……。と言われても何の話か分からないだろうから、起こったことをありのままに話そう。
つい数日前のこと。私が東京・上野あたりをブラブラしていると、「得飲みセット」の文字が目に飛び込んできた。
そこは天下一品(以下、天一)の前。よくよくパネルを見れば、ビールなどのアルコール1杯に鶏の唐揚げなどのおつまみ1品がついて700円とある。選べる おつまみは「ネギチャーシュー」「唐揚げ3個」「おつまみ3点盛り」の3種のうちどれかで、最大240円お得とのこと。
・絶妙な価格
内容を把握してすぐ、私の頭は「安っっっ!」という感情でいっぱいになった。無理もない。700円である。「せんべろ」より300円も安い上に、ラーメンより安いのだ。
その勢いのまま、店の中にフラフラと入ってしまうのも仕方ないかと思う。
席に座ってタッチパネルのメニューを見ると、なんとサワーやチューハイのセットだと600円とある。
安さを優先するならばこっちだろうが、「700円でも十分お得なんだからビールで」という気持ちから700円のセットを選択。
いま冷静になって考えると、700円得のみセットは「お得はお得だけど “死ぬほどお得” ってほどでもないライン」かと思う。
なにせ、飲み放題のセットではない。あくまでドリンク1杯におつまみ1つ。場所が上野ってことを考えれば、周辺にはもっとお得なセットがありそうだ。
しかしながら、私はファーストインプレッションの時点で負けていた。“思考停止のツボ” を突かれていたと言ってもいいかもしれない。それだけ、700という数字があまりにも絶妙だったのだ。
つまり、私は「お得なセットを見つけた」「こういうのでいいのよ! こういうので!!」という浮かれモードのままアルコールを摂取することになったのである。しかも、そこはラーメン屋。“シメ” まで揃っている最高の環境だ。
こうして……
700円で終わるはずが……
結果的にお会計は2220円。
普通に美味しかったので後悔はないが、敗北感があったことは否めない。複雑な感情を抱えた私は「天一ズルいわ〜(褒め言葉)」と言いながら帰路についたのであった。
なお、このタイプの「得飲みセット」は店舗限定で、私は「上野アメ横店」以外の対応店舗を知らない。そのレアさもまた、会計が想定の3倍以上になった原因の1つかと思われる。
──以上、現場からの敗戦レポートでした。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼ちなみに、チャーシューの厚みはこんな感じ。
▼このコッテリラーメン(卵入り)の価格が1010円だったので、得飲みセットの方がはるかに安い。「ラーメンより安い価格で飲める」って思わせるところが絶妙