関東を中心に店舗を展開するそばチェーン「名代(なだい)富士そば」。大手であるにも関わらず、店舗によって独自メニューの開発を行っており、そばにあんこを乗せた「富士金時そば」「冷製コーンポタージュそば」などを生み出している。そのほかの奇抜メニューについては、当サイトの記者で立ちそば博士の中澤星児のまとめをご覧いただきたい。

そしてこの4月、富士そばは新たな店舗限定メニューを作り出していた。家系ラーメン店とコラボした「家系そば」である。ラーメンのスープにそばを沈めただけの商品ではない。その盛り付け、特に海苔に対するこだわりがハンパではなかった!

・家系ラーメンとコラボ

このメニューを販売しているのは富士そば西荻窪店だ。吉祥寺の横浜家系ラーメン店「吉祥寺武蔵家」とのコラボにより、2022年4月1日より提供開始している。


同店監修で富士そば向けの特別スープを作っているのだとか。ちなみに「家系そば」(税込650円)とトッピングが豪勢な「家系そば吉祥寺盛り」(税込900円)の2種類が用意されている。


家系スープにそばを突っ込んだだけの変わりそばではない。盛り付けにも同店のこだわりが活かされている。

富士そばのFacebookを見ると、海苔の盛り方に厳しく指導を受けているらしく、左から順番に海苔を重ねていかなければならない。また器に対して海苔の上部がまっすぐに並んでいなければならないようだ。こりゃ神経使うな……。


ではその繊細な盛り付けを見てみよう、注文したのは吉祥寺盛り。そして出てきたのがコチラ!


あ…… 



水汲みに行ったりトイレに行ったりしている間に海苔が。渾身の海苔が……、前に倒壊し始めている


写真で見るよりも盛るのはずっと難しいんだろうなあ。時間とともに海苔の下の方が水分を含んで、だんだん沈んでいくものなあ。現実は厳しい……

がしかし! こだわり通りに海苔は左から順に重なっているし、海苔の上部が一直線になっている。こだわりはしっかり活かされているな!


さて、スープを飲んでみると、これはもう間違いなくラーメンのスープだ。少なくとも今までにそばつゆでこの濃さを味わったことがない。ラーメン食いたくなってきたな……。


とは言っても、器の底に沈んでいるのはそばである。食べてみると美味いんだけど、ちょっと物足りない気が……。スープのパンチが強いので、そばでは味の濃さを受け止めきれていないかも。


美味いんだけどね。口がラーメンを欲してしまう。コシのある麺にスープを絡ませてすすりたいところだ。とはいえ、思い切った挑戦である。これくらいエッジの効いたメニュー開発をしなければ、新しいものは生まれないだろう。富士そばの挑戦に拍手を送りたい


ちなみに海苔はパリパリで美味しゅうございました。次は、海苔が倒壊する前に食べられるように万全の準備で臨みたい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 名代富士そば 西荻窪店
住所 東京都杉並区西荻南3-9-7
時間 24時間(3時~3時45分まで閉店)

参考リンク:名代富士そば富士そばFacebook
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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