時々、変わったメニューを展開している富士そば。赤坂見附店にまた見慣れないメニューが登場している。「スパイス」だ。
券売機にて50円で販売されているスパイス。そば屋でスパイスて。一体どんなものが出てくるのか? そこで注文してみたぞ。
・ガチ
結論から言うと、これはガチのスパイスだった。スパイスを注文したらガチのスパイスが来た。一見、これは当然の帰結のように思える。そう、モノや事象はおかしくない。おかしいのは場所だ。大切なことなので何度も言うがここは富士そばなのである。
したがって、カレーライスも富士そばのあれ。インドみが一切ない、家カレーとレトルトの狭間のようなジャパニーズカレーである。そんなカレーと並ぶとガチすぎるスパイスがより不自然だ。
・ほこ×たて
とは言え、個人的には富士そばカレーのとろとろで安い味には安心する。変に頑張っていないところがこちらも気を使わなくて良いというか。結果として、私(中澤)はこのカレーが食べたくて富士そばに行くこともあるくらいだ。
力の抜け方が癖になる富士そばのカレーと本格的なスパイス。言わば、これは盾と矛なのかもしれない。交わることのなかった2つの道は、はたしてどんなハーモニーを奏でるのか? 富士そばのカレーにスパイスを投入してみたところ……
味がちょっと赤道に近づいた……!
インドまではいってない。だが、ピリッと感が増し、若干「ビリッ!」までいくような辛さにはエキゾチックさが感じられる。
・あくまで日本カレーの枠内での
それでいて、元のカレーにある懐かしさや安心感はなくしていない。ゆえに、全体の雰囲気として日本カレーなのは変わらないのだが、ただの富士そばカレーよりも明らかに辛さに深みが増していた。食べた後に冷やしそばをつるっといきたい衝動に駆られる味である。
そば屋でインドカレーと言えば『よもだそば』が知られているが、そば屋のカレーにあそこまでのガチさは求めてない人にとってはちょうど良い味かもしれない。
・気楽さ
ちなみに、富士そば赤坂見附店のカレーライスは税込み480円。スパイスを含めても530円というのも何気にコスパの良さを感じた。
なお、富士そばの公式サイトによると、スパイスの成分は「ウコン・コリアンダー・クミン・ローレル・ミントカイエンペッパー・フェネグリーク・ガラムマサラ」らしい。
まあ、これが入ってるからどうだというのは私には分からないのだが、岐阜県にある薬膳カレーの店『Natural trip』とのコラボで薬剤師が調合したスパイスとのこと。券売機に書いてた「薬膳スパイス」ってそういう意味か。
と、データを見ると色々書かれているが、つまるところ、富士そばに入店する人の9割が求めているのは気楽さだと思う。50円でフラッと追加できて、かけるだけでちょっと本格的な味を加えてくれる薬膳スパイス。その気楽さは富士そばに合っているような気がする。うーん、近所の店でもやって欲しい。
・今回紹介した店舗の情報
店名 富士そば赤坂見附店
住所 東京都港区赤坂3-9-8
営業時間 5:00~20:00 / テイクアウトは24時間
定休日 無休