2022年3月21日、全国のファミリーマートでペヤングの新商品『超大盛もつキムやきそば』の先行発売が開始された。メーカー希望小売価格は税別300円、4月11日からは一般販売も開始される。

ペヤングを愛するペヤンガー諸君なら「ペヤングのコンビニコラボにハズレ無し」という格言をご存じだろうが、本商品に限って言えばそうとも言い切れない。なぜなら『超大盛もつキムやきそば』は、とんでもない忘れ物をしてしまっているからだ。

・おっさんしか殺せない

まずは商品概要から手短に説明しておきたい。パッケージに記載されていた情報によると『ペヤング 超大盛もつキムやきそば』は「もつ煮込みの味付けにキムチの風味を足した旨さ」の商品だという。明らかに “おっさん殺し” というか、逆におっさんしか殺せない商品であろう。

もつ煮込みということは『ペヤング 超大盛もつキムやきそば』は “味噌味” がベースになっているハズ。これまで「ホルモン焼き風味噌仕立てやきそば」や「幸楽苑味噌野菜 たんめん味やきそば」など、味噌ベースのペヤングはいくつか発売されているが、そのどれもが非常に濃ィィイイ味わいであった。

・キムチでワンチャンあるか?

加えて本商品は「キムチ」がプラスされているだけではなく、通常の2倍サイズ……! 食べる前から「ノドが焼けるほどの濃度」であることは容易に想像がつくが、もしかしたらキムチの辛味や酸味がいい感じに味を引き締めている……かもしれない。


ところが──。


ここで結論を申し上げてしまうと『ペヤング 超大盛もつキムやきそば』は、素直に「激ウマ!」とは申し上げにくい商品であった。理由はかなり明確で、それこそ先述した「忘れ物」が原因である。

・アレがいない

いつも通りに湯切りを済ませ、味噌感が強いソースを麺に絡めていく。かやくには目視で確認できるサイズの “もつ” が入っており、香りも完全にもつ煮込みそのものである、うむ、上野とか錦糸町のニオイがします。

で、味は予想通りの味噌ベース。商品名に引っ張られている感は否めないが「もつ煮込み味」としか言えない味わいだ。1口1口はそこまで濃くないものの、食べ進めるにつれて味噌の濃度は確実に蓄積されていく。そして……


キムチがいない。


確かにもつ煮込みは無い “辛さ”だけはかろうじて感じたが、これをキムチの辛さだと判断できる人がどれだけいるのだろう? 個人的にはキムチの酸味を期待していたが、後味がややピリ辛程度、これではキムチがいないも同然だ。

・負のループ

さらに言うともつのコクがかなり強いので、超大盛サイズであることが仇となってくる。終わりの見えない もつ煮込みの無限ループ──。たった一言で表すならば『ペヤング 超大盛もつキムやきそば』はそんな感じの商品であった。

決して「マズい」ということはないものの、サイズ感や逃げ場の無さを考えると「もっと美味しいペヤングはたくさんある」というのが正直なところ。個人的には家族や友人たちに、積極的にはオススメしない。

とはいえ、ペヤンガー諸君にはぜひ『ペヤング 超大盛もつキムやきそば』を食べていただいて「キムチを感じたかどうか?」を教えて欲しい気持ちはある。「もつキムやきそば」ではなく “もつやきそば”、これが黒帯ペヤンガーを自負する記者の率直な感想だ。

参考リンク:ペヤング公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.