ヨックモックのシガールに、モロゾフのプリン、とらやの羊羹(ようかん)……ブランドの代名詞ともいえる銘菓がたくさんある。これを買っておけば間違いないという安心感もあってそればかりチョイスしてしまう。

しかし、この世にはもっと銘菓の影に隠れた、知られざるめちゃウマお菓子があるのではないか? いや、絶対にあるはずだ……! そんなアメリカ大陸を発見したコロンブス的な発想のもと生まれたのが「じゃないほう銘菓」である。

第1回に選んだのはカステラでおなじみ福砂屋の「手作りもなか」


・超ストイックな福砂屋


長崎土産の定番・カステラ。

地元の長崎では、お礼にカステラ、お詫びにカステラ、家庭訪問のお茶請けにカステラ、おやつにカステラ、引き出物にカステラ……と、とにかくカステラ、カステラ、カステラざんまいである。いまにして思えば贅沢だが、子供の頃は「またカステラかよ」と思っていた。

その中でも全国的な知名度を誇るのが福砂屋のカステラである。福砂屋はカステラ以外のお菓子をほとんど出していないというストイックさで知られる。基本的にラインナップは

・カステラ
・特製五三焼きカステラ(カステラの高級版)
・オランダケーキ(くるみとレーズンがのったココア風味のカステラ)
・手作りもなか

の4種類。福砂屋がカステラ以外で出している唯一のお菓子が「手作りもなか」である。あんこも皮も、この「手作りもなか」のためだけに作っているのだ。


・福砂屋の「手作りもなか」


「手作りもなか」は名前のとおり、自分で皮にあんこを詰めて、できたての味わいを楽しめるもなかである。

もなかの皮は、食べる直前まで湿気ないようにしっかりパックされている。

そして、あんこは余るくらいにたっぷりずっしりと容器に入っている。

パリッパリの皮に、好きなだけあんこを詰めて……

ひとくち食べると……サクッと香ばしい味わいと、あんこの上品な甘さが口いっぱいに広がる。

カステラに飽きていた私はこの「手作りもなか」が大好きだった。


・編集部の感想は?


実家の帰省土産に、私はいつも会社にカステラを買っていっている。もしかしたら、かつての私のように「またカステラかよ」とみんなが思っていないかと不安だった。

この「手作りもなか」が「じゃない方銘菓」として、お土産の新定番になるのではないか……と思い、編集部のメンバーにも食べてもらうことにした。

福砂屋がもなかを作っているのを知ってるか確認したところ、全員「知らない」とのこと。

佐藤「皮がパリパリで美味しい、オレはカステラよりこっちが好きかも」


和才「あー、コレいいあんこですね。あんこだけでも欲しい、パンにつけたらうまそう」


篠宮「ぼくカステラすごく好きなんですけど、これも同じくらい美味しいですね。ジャンルは違うけど、どっちももらったら嬉しいです」


羽鳥「うん、普通に美味しいね。美味しいけど他でもこういうの食べたことあるかも」


Yoshio「おれ、あんこもの得意じゃないけど、これは皮が美味しいね」


P.K.サンジュン「オレこういう手作り系のもなかめっちゃ好き。美味しいけど、手作りもなか系の中では平均くらいかなあ」


砂子間「美味しいっすね、皮がパリパリだけどしっとりしてる。でもお土産となると自分で作るのが面倒だから、カステラが嬉しいですかねえ……」


原田「うん、美味しい、皮がいいですね。でも僕はカステラ派ですかね……」


あひるねこ「うーん、もなかとしか言いようがない……。あんまりもなか好きじゃないからな。カステラのほうが嬉しい」


・カステラ人気、つよい…


個人的にはめちゃくちゃオススメだったものの、男性陣からは「もなかも美味しいけど、自分で詰めるのがちょっと面倒くさいからカステラがいい」という、手作りの前提を覆すような意見が。自分で作るのが楽しいんじゃないんかい! 

そして、カステラとどっちがもらったら嬉しいかと聞いたところ「カステラかなあ」という意見が多め。カステラ人気強し!!!!!!

私は「手作りもなか」めちゃくちゃ好きなんだけどなあ。やっぱり看板商品の牙城は崩し難しか。

福砂屋の『手作りもなか』は8個入りが810円、16個入りが1620円、贈答箱32個入りが3510円。社内ではカステラ人気だったが、パリッパリの手作りもなかが食べたい人には積極的におすすめしたい。

「じゃない方銘菓」の道は険しいものの、諦めず、これからもいろんなお菓子を探っていきたいと思う。

参考リンク:福砂屋
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.