新年が始まって以来スシローは異常だった。鰻、フグ、トロとこれでもかと豪華ネタを繰り出していたのである。その様相は、まさに祭り。だが、1年に1度の地車祭りだけしかエンタメがない町で育った私(中澤)は知っている。日常があるからこそ祭りは尊いものだということを。

2022年2月9日からスシローで開始された『東北三陸うまいもん市』は、そんな新年の狂乱から正気に戻ったようなキャンペーン。「これぞいつものスシロー」と安心感すら覚える内容だが、はたしてコスパ的にはどうなのか? 全部食べてみた結果……。

・ピンと来ない

「東北三陸うまいもん市」と言われてもピンと来なかった私。少なくとも北海道ほどの特徴がないことは確かだが、とりあえず、キャンペーンメニューの気仙沼産「本格フカヒレのにぎり(税抜き300円、都市型店舗は税抜き320円)」はスシローで何度か食べたことがあるぞ。

これについては好みが別れる味だ。中華風味のあんかけになっていて、ちゃんとフカヒレ感があるため、300円は安いと言えるが、別にフカヒレ好きじゃなければスルーで良いと思う。そんな感じで全部食べてみた結果、好き嫌い関係なく、普通に高コスパと思えたものが以下の5皿であった。

・特大ジャンボほたて貝柱(税抜き300円、以下全て都市型店舗は+20円)

スシローには「ジャンボほたて貝柱」というメニューがあるが、それよりもデカかった。口いっぱいにほたて貝柱を頬張れるデカさは1貫で高級皿でも説得力十分だ。逆に、満足度は高いと言えるだろう。


・釜揚げたたみしらす(税抜き100円)

一方で、シンプルに安いと感じたのが「釜揚げたたみしらす」である。広げた海苔の上いっぱいいっぱいに盛られたしらすは、巻こうにもしらすが多すぎてどう食べていいか分からないレベル。レギュラー皿でもボリュームがあるのが嬉しい。


・極上〆さば(税抜き150円)

スシローの〆さばは回転寿司チェーンの中でもかなりウマイ方だと思うが、「極上〆さば」はそんなレギュラー〆さばに輪をかけてウマイ。甘みのある身は柔らかく、思わずリピってしまった。このキャンペーン中、主戦力にしても良い飽きない味だ。


・はらこ飯風海苔つつみ(税抜き150円)

海苔つつみのため具は少なめかと思いきや、鮭の身が意外とガッツリ入っておりボリュームがあった。はらこ飯のように炊き込みご飯なわけではないが、お値打ち皿の中でも普通に満足度が高い一品に仕上がっている。


・ごろごろリンゴのアップルパイ(税抜き300円)

マジでリンゴがゴロゴロしていた。そのゴロゴロっぷりはパイが皮に感じるレベル。もはやアップルパイではなくほぼただのアップルだ。ちなみに、パイはしっとり系でパイ生地自体にも甘みを感じる。トロけるカスタードの甘みにリンゴの甘み、そしてパイの甘みの三重奏は、スシロースイーツの中でも上位に食い込む味。


──以上。正直、舐めていたかもしれない。北海道ほどの特徴がないとか言ってすみませんでした。むしろ、いつものキャンペーンより粒ぞろいでオススメ皿が多くなってしまいました。しかし、実は上記のものより衝撃を受けたメニューがあった。

・なんじゃこりゃあ

それはキャンペーンメニューをひと通り食べ終えた時のこと。タッチパネルを見ていると、キャンペーン外だが「うに」が販売開始しているのが目に留まった。スシローのうにはたまにしか出てこないので食べてみたところ……なんじゃこりゃあッ!?

いつものうにじゃない! そこでよく見てみたところ、これは「漬けうに包み(税抜き100円)」という新メニューのようだ。漬け!?

その濃厚な甘みに速攻で2皿目を注文してしまった。舌がトロけそうである。信じられない。これがレギュラー皿なんて……。ちなみに、販売期間は「東北三陸うまいもん市」と同じく2月9日から20日までの模様。

というわけで、平常運転かと思いきや今回のキャンペーンはなかなか当たり。ただし、最もコスパの良さを感じたのはキャンペーン外のメニュー「漬けうに包み」であった。この期間にスシローに行く人はぜひ味わってみて欲しい。見た目は普通だが、その味にはスシローらしいアイデアが詰まっていた。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼その他のキャンペーンメニュー。「あわびの海鮮づくし盛り(税抜き300円)」

▼「ほや軍艦(税抜き100円)」

▼「塩筋子にぎり(税抜き150円)」

▼「真たこ(税抜き150円)」

▼「さんま蒲焼(税抜き100円)」