年の瀬を迎えた2021年、もしかしたら人知れず「史上最も悲しいペヤング」が誕生してしまったのかもしれない。なんの話かと言うと、12月20日から発売となったペヤングの新商品『ペタマックス たぬきそば風』のことである。

ペヤングに感情などあるものか。ペヤングにあるのはウマいかマズいかだけ。そんな声が聞こえて来そうだが、私、P.K.サンジュンを襲った孤独の嵐はなんだったのだろうか? 『ペタマックス たぬきそば風』を食べながら3回泣いた。

・ブチギレるボリューム

メガ・ギガと来てテラをも超える超々大盛りシリーズ、それが『ペヤング ペタマックス』である。2021年、ペヤングは合計3種類のペタマックスを発売しており、そのどれもが「食えるかヴォケェェェエエエ!」とブチギレる圧倒的なボリュームであった。

まさか1年の締めくくりにペタマックスを持ってくるとは思わなかったが、それでも当初は「悪くないかも」と思っていた。理由はもちろん、年越しそば。大勢でワイワイ言いながら食べれば “パーティー系そば” になり得ると考えたからである。だがしかし……。

現実はそう甘くなかった。今回は発売直後に味を確かめるため1人で食べたことも大いに関係しているが、それでも『ペタマックス たぬきそば風』は “悲しいペヤング” としか言いようがない。順を追って泣きポイントを3つ説明しよう。

・その1: 持って帰るまでに泣いた

今さら申し上げるまでもなくペタマックスは容器も巨大だ。コンビニで陳列されている様子は違和感しかないが、それを手に取りレジで会計してもらうだけで孤独が襲ってきた。もちろん、そんじょそこらのビニール袋には入らない。

寒空の下、ペタマックスをわきに抱えて事務所へ歩みを進める43歳。どこからともなく「俺は何をしてるんだ……?」という声が聞こえてきて泣いた。というか、ガッツリわきに抱えるペヤングってなんだよ。

・その2: お湯を沸かしてて泣いた

およそ5人前のペタマックスを作るには、尋常じゃない量の熱湯が必要だ。その量、なんと2800ml──。1度に1リットルしか沸かせない事務所の電気ケトルでは、とてもじゃないが追いつかない。

仕方なく電気ケトルと大鍋を駆使し何とか2800mlのお湯を用意したが、この時も「なぜ俺は必死にお湯を沸かしているのか?」と自問自答せざるを得なかった。私の頬を伝ったのは湯気ではない。

・その3: 多すぎて泣いた

ペタマックスが多いことなんぞ、最初からわかっていた。いや、わかり切っていた。……が、これまで2度にわたりペタマックスに挑戦しているものの、それでも目の前に現れたペタマックスは巨大……というか、池である。

味は全く悪くない。いわゆる一般的な “インスタント日本そば” だ。だがしかし、徐々に水分を吸い増えていく麺、そして食べても食べても減らないペタマックス。普通に泣いた。

以上のことから『ペヤング ペタマックス たぬきそば風』を「史上最も悲しいペヤング」と認定させていただきたい。量でも味でもなく、注意すべきは孤独──。1人で食べてはいけないペヤングがここに誕生した。

とはいえ、先述の通り「大勢で食べるなら」ペタマックス たぬきそば風はアリなのだろう。メーカー希望小売価格は税別980円。最後にもう1度だけ忠告しておく、『ペヤング ペタマックス たぬきそば風』は絶対に1人で食べてはいけないぞ。

参考リンク:ペヤング公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.