人生でもっとも好きな映画を挙げろと言われたら、私(佐藤)は迷わず「マトリックス」と答える。今まで何度見返したかわからない。2作目(リローデッド)と3作目(レボリューションズ)を何度も何度も繰り返し見たものだ。
その新作『マトリックス レザレクションズ』が2021年12月17日、つまり本日公開となった! やったー!! 待ってたーー!
1作目から20年以上も経て新作を見られるとは! すでに鑑賞してきたのでネタバレなしで感想をお伝えしよう。
・完結したはず
この作品はキアヌ・リーヴス演じる主人公の「ネオ」(トーマス・A・アンダーソン)が、「マトリックス」と呼ばれる仮想現実の世界で戦うSFアクションである。
1作目が1999年、2・3作目が2003年に公開され、3作品で物語は完結している。……はずだった! ここ数年4作目の制作の噂がいろいろ取りざたされていたものの、本当に公開される日が来るとは思っていなかった。
だって3作目でガッチリ完結したんだよ! これに続編を作るってどうやって物語を展開するんだろう? あの終わりでよかったし、あの終わりが好きだったんだ。なのに続き?
一説によると1作目と2作目の間の物語なんて言われてたけど。それにしたって新たな話を差し挟む余地はないはず。とにかく見りゃわかる! ってことで公開初日のチケットを取った。
・プラチナシートを買ってしまった……
期待に胸を躍らせながら劇場に入ると、席はガラガラ……。え? こんなに空いてるの!? みんな期待してたんじゃないの? どうやら興奮していたのは、私のような一部のファンだけだったかもしれない。
社会現象にまでなってのちのSF作品に多大な影響を及ぼしたというのに。ちょっと残念……。
私なんか奮発して、人生初のプラチナシート(チケット5000円)を取ってしまった。張り切り過ぎたか。これで内容がショボかったらどうしよう……。
・感想を一言でいうと
そうして148分の本編を鑑賞したストレートな感想を一言でいおう。
最高だった……
見るまでは怖かった。作品への愛情が強すぎて、過剰に期待している気がしていたから。
でも、古くからのファンの1人としては見てよかった。それがネタバレなしで言える感想だ。それ以上、言いようがない。
3作のオマージュや意外な人物の登場が相次ぎ、思わず笑みがこぼれてしまうシーンが多々あった。マトリックス好きならきっと、胸がアツくなるはずである。
・大ヒットしないかも
でも、大ヒットはしない気がしている。その理由はいくつかある。
まず、3作を知らずに見ると全然ついていけないと思う。とくに前半部分は物語を把握するのに、世界観を理解していなければいけない。3作見ている私でも「え?」と思うシーンがいくつかあった。
それらの疑問は物語が進むにつれて解消されるけど、そもそもネオや彼を取り巻く人物の因縁などがわからないと、ポカーンとなってしまうかも。
そして物語の解釈について賛否がありそうだ。ぶっちゃけ1度見ただけでは理解できなかった点があった。「アレはどういうことだったのかな? コレはどうなるのかな?」、そんな疑問点について否定的な意見がでることも予想される。
正直なところ「絶対イイから見て!」っと勧めづらい作品なので、大ヒットにはならないかも……。
・マトリックス大好き!
その上で、私は「やっぱり見て良かった」と言いたい。熱烈なファンにはぜひ見て欲しい。
まったく予備知識のない人は、まず3作を見ることからオススメする。それで世界観にハマったらレザレクションズを見ると良いだろう。
この作品を手掛けたラナ・ウォシャウスキー監督は、完成に向けて心血を注いだに違いない。その挑戦に感謝したい。監督、ありがとう! マトリックス大好き~!!
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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