─────ジンバルだと!?
2度見、いや3度見くらいしてしまった。まさか3COINSでこんなハイテク自撮り棒が売られていただなんて……!
「ジンバル」とは簡単に言えば動画を撮った際にブレや傾きを軽減してくれる機能のこと。ネットで同じような商品を探してみると1万円以上するものが多いが、信じられないことに3COINSでは3300円という破格の値段で売られている。
動画に対して知識があればあるほどこの価格設定には驚くに違いない。だが手を出しやすい価格である分、撮れる映像のクオリティは実際どうなのかがとても気になるところ。ということで今回は映像のプロに正直レビューをお願いしてみたぞ!
・3COINS「シャッター付き三脚スマホジンバル(税込3300円)」
三脚付きの自撮り棒というのは羽鳥編集長も熱弁していたようにめちゃくちゃ便利なシロモノである。それにプラスしてブレないなめらかな動画も撮れちゃうよ、というのがこの商品だ。
「ブレを軽減」といわれてもピンと来ない方は、ドローンで撮った空撮や、ミュージックビデオなんかで使われているヌルヌルと動く映像を想像して見てほしい。
性能は違えど同じ「ジンバル機能」である。そうやって考えると3COINSで販売されているって結構ビックリじゃない?
・スマホを取り付けて使用
箱から取り出してみるとこんな感じ。本体は折りたたまれている状態で約19センチだが、伸縮バーは最大で35センチまで伸ばすことが可能だ。
これ1台で、手持ち撮影(ジンバル機能)・三脚撮影・リモコン撮影と、3通りの使用ができる。
さっそく外に持ち出して使ってみることに。まずは普通にスマホ三脚として立ててみた。そこまでがっちり立ってくれるわけではないが、室内や風が強くない場所であれば問題なく使えそう。
材質もしっかりしており、安っぽさは感じられない。リモコン式のシャッターボタンは簡単に着脱可能なため、遠隔撮影もなんのその。痒いところにしっかりと手が届く仕様である。
ジンバル機能は携帯ホルダー側面のスイッチでオンオフできる。電源ボタンを押すと自動的に縦向きで制御され、もう一度ボタンを押すと横向きで固定される。シャッター部分はリモコン電池だが、ジンバル部分はバッテリー駆動なので使う前にしっかり充電しておこう。
・実際に動画を撮ってみた
横向きでジンバル撮影をしてみた動画がこちら。テクテクと歩きながら撮ってみたが、確かにブレや揺れが軽減されている……!
上下の首振り機能はついていないため自撮り棒自体を上に向けたり下に向けたりする必要はあるが、本体自体が235gと軽いためそこまで苦にならない。しかもこれだけ棒を振り回しても一定の向きを保ってくれる! 凄い!
激しく動いたりドスドス歩いたりするとさすがに画面が揺れたものの、普通に歩く分ならストレス無く撮影できた。走る子供や犬を併走しながら綺麗に撮りたい場合は力不足だろうが、旅先での出来事や日常の様子を動画に納める程度ならかなり重宝しそうな気がするぞ!
・餅は餅屋。ならば動画のことはカメラマンへ
「結構いい感じかも」というのが私が公園で三脚スマホジンバルをちょろっと使ってみた率直な感想である。
でも「3000円」という金額でこの使用感というのはスゴイのか否かと問われると正直自信が無い。ジンバルって聞くと安いしお得な気がするけど、3COINSの商品だと考えるとめちゃくちゃ高いし……。
根拠や知識が乏しい中どうやってまとめようか悩んでいたところ、突然ひらめいてしまった。映像のプロにレビューしてもらえばいいんじゃないかと。こういった専門的なものは知識ある人に聞くのが一番だからな。俗にいう丸投げである。
というわけで知り合いのカメラマン2人に三脚スマホジンバルを試してもらい、正直な感想を聞いてみることに。日々数百万の機材を扱う2人にしてみたら3000円の自撮り棒なんておもちゃみたいな物だろうが、はたしてどんな感想が出てくるのだろうか。
───ジンバル付き自撮り棒を3000円で買ってみたのですが、プロから見てどうでしょう?
Aさん(カメラ一筋30年の甘党)「いいじゃん! いいじゃん! こういうのって自撮りで使ったりするんだよね? 水平を取ってくれるだけでとてもありがたい。チルト(上下の振り)は効かないけど、一般の人にとっては逆にその方が撮りやすいかも。え、3COINSなの? すごいじゃん! ロケのサブカメラこれでいい気がするよね。」
Fさん(何でもできる凄腕上司)「すげぇな。ギュンギュンやっても水平がずれないしスムーズに振れる。手元にいきたいときとか簡単に撮れるし、回り込む時も楽。3000円ならいいじゃん。これ充電式なんだよね、何時間使用できるの? ……2~3時間か。ロケで使えんじゃない?」
まさかの2人とも仕事で使えないか画策し始める事態に。おもちゃだと一蹴されるかと思っていたのだが、ここまで高評価だとは正直思わなかったぞ。
特に絶賛されていたのは「水平」をきちんと取ってくれるという点。カメラマンというのは画面の傾きにとても敏感。だからどれだけ棒を動かしても常に水平をキープしてくれるところに注目が集まっていた。
その後、何人か別のプロの手にも渡ったがおおむね高評価であった。どこで買ったかと言われて「3COINS」と答えると、みんなお手本のようにビックリしてくれたぞ。そりゃそうだよね。
・3000円でこの性能ならアリ! 3COINS恐るべし。
3人がかりであれこれ試してみた結果、「揺れの制御に課題は残るが、3000円でこれだけ水平をとってくれるなら充分優秀」という結論に落ち着いた。
最近は揺れを抑えた映像が撮れるスマホもたくさんあるが、人間が手で持って撮影していたらどうしても水平はコケてしまう。その部分をジンバル機能が補ってくれるなら普段より良い映像を撮ることができるのは確かだろう。
全く揺れない完璧な映像を撮りたい場合は数万円出して高性能なものを買った方が良いだろうが、ジンバルをちょっと試してみたいなぁくらいだったら充分なクオリティだろう。三脚としても使えるし、なにより仕事で使えるかもってプロが言ってたからね!
自撮り撮影する人はもちろん、旅行者やペットを飼っている人にもオススメしたい商品であった。いつもと違った映像を撮れて楽しいので、よく動画を撮る人なら持っていて損はないぞ!
参考リンク:3COINS「シャッター付き三脚スマホジンバル」
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.
▼最寄り店には見本が置いてありました! 近くにお店があって購入を検討している人は一度使い心地を試してみるといいかも。