2021年8月23日、スターバックスはフードロス削減を目指し閉店3時間前を目処に商品を20%オフで販売する取り組みを始めた。まだ食べられるのに賞味期限があるからと、捨ててしまうのはモッタイナイもんな。
さらに売り上げの一部は寄付に充てられるというのだから、さすがスタバは意識が高い。実情はどんなものかと、スターバックスを覗いてみたのでその様子を伝えたい。
・食品ロスは年間600万t
食べられるのに捨てられている “食品ロス” については、以前より問題視されていた。改善に向けて各所で取り組みが行われているようだが、まだまだやるべきことは多いだろう。
農林水産省の調べ(2018年度推計値)によれば、日本の食品廃棄物等は年間2531万tで、そのうち、本来食べられるのに捨てられる食品は年間600万tにもなるそうだ。
この600万tのうち家庭系食品ロスは276万t、事業系食品ロスは324万tだ。商売として提供する以上仕方ない部分もあると思うが、事業活動を伴って発生する食品ロスがやや上回っている。
まあ、数字だけで言われてもいまいちピンとこないところではあるが、できることがあれば対策をするに越したことはない。「お残しは許しまへんでぇ!」って某食堂のおばちゃんも、よく言ってるもんな。
スタバでは当日の在庫状況に応じて上記の通り、閉店3時間前を目処に対象商品を20%割引するとのこと。スタバ商品はひとつひとつが高価なため、買い手としてもこれは正直ありがたい。
・子どもたちのために売り上げの一部は寄付
さて。どのような感じだろうかと店舗を覗いてみたところ、その日は実施されていない様子。ふむふむ、在庫状況に応じてという話だったので、たまたま全商品が売り切れたのだろう。良いことだ。
それからしばらく、時間を変えるなどして毎日店舗の状況をチェックしに足を運んだのだが……なんと、一向に現場に立ち会うこと叶わず。記者の最寄のスタバ、売れ行き良すぎでしょ。
こうしたことはたまたまなのか、それとも多くの店舗でも同じような状況なのか。計り知れなかったため問い合わせてみると、以下のような答えが返ってきた。
「基本的に店の責任者に、フードロス削減への取り組みを実施するタイミングは任せているので、必ず毎日……という訳にはいかないと思います。
しかしもし、そうしたタイミングでご来店いただくことがあれば売り上げの一部は『認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ』に寄付されますし、ご協力いただけますと幸いです」
話に出てきた “認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ” は、こども食堂を応援する企業・団体とこども食堂をつないで、中間支援団体がより活動しやすくなるための後押しをする団体だ。
ただ食品ロスを減らすだけでなく、さらには子どもたちのために寄付までするとは、スタバらしい。いやはやしかし、事前情報によればスタバではフードの廃棄が、全体の廃棄物の約15%を占めているとのことだった。
「本当に?」と疑ってしまうほどに、記者が暮らす地域のスタバにおいては、そんな様子は見受けられないという結果となった。つまり実際にどのような形で取り組んでいるのかについて、ついぞ目の当たりにすることができなかったのだが、喜ばしいことではあるだろう。
もしかすると店舗が密集している都会の方が、よりこのサービスが適応されやすいのかもしれない。なんにせよ、たまたまスタバにいて、そうした瞬間に立ち会うことがあれば取り組みに参加してみるのも良いかもしれない。20%お得だしな。
参考リンク:スタバ フードロス削減、農林水産省
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.