ジュースの自販機ならそこらじゅうに転がっているが、ラーメンの冷凍自販機はさすがに見たことがなかった。しかも置いてあるのは「ラーメン凪」や「吉祥寺武蔵家」といった超有名店のラーメンだという。マジかよ、レジェンド級ではないか。

2021年6月より東京の板橋・中野・高田馬場にて(7月19日時点)24時間365日稼働している自販機、その名も『RAMEN STOCK 24(ラーメンストックニジュウヨン)」。どことなく当サイトに名前が似ていることもあり、私(あひるねこ)は知人に会うような気分で現場に駆け付けたのだった。

・ラーメン自販機

時刻は夜10時過ぎ。JR中野駅前。本来なら夜はこれからという時間だが、ご存知の通り東京都は現在緊急事態宣言下にあり、営業している飲食店は皆無。そのせいか、週末にもかかわらずあたりは深夜2~3時のような静寂に包まれている。

人の少なさにビビりつつ、駅南口から五差路方面に向かって歩いて行くと……


ラーメンの冷凍自販機が……


「ラーメンストック24」が……


あった。

・1台のみ

正直、かなり地味な立地ではあるものの、このポツンと佇んでいる感じは趣があってなかなか良い。といっても、ラーメンのラインナップ自体はド派手そのもので……

ラーメン凪『すごい煮干ラーメン』『ゆず塩すごい煮干ラーメン』『豚王 豚骨替玉付き』、吉祥寺武蔵家『家系MAX』、麺処井の庄『辛辛魚つけめん』と、全国的に名の知れたメンツが一堂に会している。

それにしても……闇に浮かび上がるラーメンのなんと背徳的なことか。この時間はもうどこに行っても食べられないという残酷な事実が、これまた私のラー欲を激しく刺激する。くっ……! 急にめちゃくちゃ家系食いてぇ……!!

というワケで、今宵は武蔵家の『家系MAX』を買って帰ることに。価格はどのラーメンも一律で税込1000円だ。少々値は張るが、利便性を考えるなら妥当と言えるのではないか。それではお金を入れて……


商品番号をタッチ。すると数秒後……


ガコン


コールドスリープ状態の家系が出てきた。

・ほんのり未来感

ありがたいことに自販機横には手提げ袋が設置されている。が、保冷剤等はないので必要な人はあらかじめ用意しておいた方がいいだろう。さあ、家に着いたらめくるめくラーメンタイムの始まりだ。ここから先はカロリー注意。深夜の閲覧には十分注意していただきたい。


【家系MAX(アジコメアブラオオメカタメノリ多め)の中身】

・麺(150グラム)
・具入りスープ(チャーシュー)
・ほうれん草
・ノリ(10枚)

【作り方】

その1:鍋に熱湯を用意してスープの袋を入れ、15分ほど沸騰させる。ほうれん草も袋もまま3~5分ほど湯せんする。


その2:沸騰した鍋に麺を入れ、ほぐしながら3分~3分30分ほど茹でる。※説明書は鍋が二つあることを前提に書かれているため、一つしかない場合は注意してほしい。


その3:湯せんが終わったらスープを器に注ぎ、湯切りした麺をとほうれん草を盛り付ける。


その4:最後に常温で解凍したノリを盛り付けたら……


つーか、ノリの量ヤベェ!

ウチにある器では受け止めきれないほどの圧倒的物量。さすがアジコメアブラオオメカタメノリ多めである。さて、それではいよいよ禁断の第一歩を踏み出すとしよう。おそらく深夜にもっともやってはイケナイことの一つ。家系ラーメンをまずはスープからいただく。


う、うおおおお……。


店の味や。


・本物

念のため言っておくと、このラーメンはよくある「お店の味を再現しました」的な商品ではない。お店のラーメンがそのまま凍って我が家に来ただけなのだ。つまりガチ。今、私の目の前にあるのは正真正銘、武蔵家の家系ラーメンそのものなのである。

それだけに、何とも形容しがたい奇妙な気分だ。緊急事態宣言下にある深夜の東京。ラーメン屋はどこも開いていない。ウーバーイーツでも頼めない。なのに私は、自宅でお店のラーメンを食べている。どう考えても都内一の勝ち組である。


そらぁライスをノリで巻きたくもなりますわ。

・ラーメン屋の進化形

ラーメンの冷凍自販機「ラーメンストック24」は、誰もが知る有名店の味を24時間、非対面・非接触で買える画期的なシステムだった。もしかするとコロナ以降の世界では、外食の新たな形としてこういった冷凍自販機も日常の一つになっていく……のかもしれない。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

施設名 RAMEN STOCK 24(ラーメンストックニジュウヨン)
住所 東京都中野2-28-8
時間 24時間
休日 なし

参考リンク:Twitter @StockRamen
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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▼ちなみに昼間に行ったらこんな感じだ。

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