都内では7月上〜中旬にかけ、若い世代(64歳以下)に新型コロナワクチン接種券を送付する自治体が多いようだ。全世帯に同時に届くということは、すなわち「多くの人が同時に1回目の予約を取ろうとする」ということ。
いち早く接種券を配布した区の集団接種を例に挙げると、中野区は現時点で8月15日まで1回目接種の予約が一杯。新宿区は7月7日以降に59歳以下の若年層(医療従事者など以外)の予約を受け付ける。予約は先着順の自治体が多いため、恐らく当分は争奪戦となるだろう。
そんな中、一刻も早くワクチンを打ちたい人にとっての抜け道と言えるのが自衛隊の『大規模接種センター』だ。私は去る6月28日、東京センターで1回目の接種を済ませてきた。参考までに現在の状況をお知らせしておきたい。
・わりとヘビーな争奪戦
私が「大規模接種センターでのみ使える臨時接種券」を入手した件については先日の記事をご確認いただきたい。6月25日の午後23時45分(1週間分の予約受付開始15分前)、東京センターの予約サイトにアクセスすると……
「メチャクチャ混み合っているので、順番に予約画面へ繋ぎます。ただし繋がった頃には枠がなくなっている可能性もあります。あしからず」
……といった感じの表示が出現! 私は奇跡的に予約へ進むことができたが、「戦う前に戦いが終了していた」という人も多いはずだ。現在のところ運の要素が強いため、「取れたらラッキー」くらいに考えておいたほうが落ち込まずにすむ。
・接種会場までの道のり
東京センターから最も近いのは竹橋駅(東京メトロ)と大手町駅(各線)。JR神田駅からも徒歩で行けるほか、JR東京駅から無料のシャトルバスが運行しているが、地理に自信のない人は竹橋駅か大手町駅を利用するのが無難である。
竹橋ならびに大手町駅の改札周辺には臨時の張り紙や看板が設置されており、一定間隔ごとにスタッフの方が立っていて誘導してくださる。よほどの方向オンチでなければ駅から10分ほどで受付まで到着できるだろう。
混雑を避けるためにも、なるべく予約と近い時刻に到着するよう心がけたい。
接種当日、絶対に忘れてはいけないのが『接種券』と『本人確認書類』(免許証、マイナンバーカードなど)の2点。『予診票』も事前にプリントアウトのうえ記入しておくのが望ましいが、難しい場合は会場で記入すればOKだ。(会場に用紙と記入スペースが用意されている)
・会場内での流れ
この日(6月28日)センター内を見渡した限り、大げさではなく40代以下は私ひとりだったのではないだろうか。並んでいるのは初老・高齢・初老・高齢・初老・初老・初老・高齢……6〜70代を中心としたリタイア世代ばかりなのである。
それもそのはず、現在ちょうど1回目の接種を終えた高齢者が2回目の接種時期を迎えるころ。新型コロナワクチンは計2回接種する必要があり、大規模センターで使用されるモデルナ社製の場合は「1回目の接種から28〜38日以内」に2回目を接種する決まりになっている。
そういう理由で現在は1回目の接種枠が減少しているのだが、もう少しすれば1回目の枠が増えるターンも来るだろう。余裕のある人は焦らずに待つべし。
さて受付が終わると色付きのクリアファイルを渡され、色ごとに分けられた長い行列に加わる。私が属する “青グループ” は「今日が1回目の接種の人」のみで構成されているらしい。人数が少ないため、ほぼ止まることなくルートを進んでゆく。
渡された『ワクチン接種のご案内』によれば①予診票確認 → ②予診 → ③接種というのが大まかな流れ。実際にやってみると①と②がかなり念入りなことに驚くだろう。「体調はどうですか」「アレルギーはありますか」など、複数のスタッフや医師に何度も同じ質問をされる。
「間違いがあったら大変」という、スタッフの皆さんの緊張感がセンター全体に充満しているのを強く感じた。接種される側もみな大変マナーがよくて素晴らしい(そうでない日もあるかもしれないが……)。大規模接種センター、かなりイイかも!
・接種日は慎重に決めるべし
そして……
あっという間に1回目の接種が完了した。
注射を打つ場所は、基本的に「利き腕と逆側の肩」らしい。これは接種後に痛みや腫れの症状が出た場合に「利き手じゃない側のほうが支障が出にくいだろう」ということが主な理由だ。
私は右利きだが、ちょうど左腕にジンマシンが出ていたため右腕に注射することになった。接種後30分ほどは重大なアレルギー反応が出る可能性があるらしく、しばらく会場の待機スペースで待つ。あとは2回目の予約をしたら終了。
受付からここまで47分。いやぁ、早かったな〜。
・そして5日間が経過
さて心配していた副反応に関しては、接種直後から注射跡を中心に半径5センチほどが痛みはじめた。翌日の晩は寝返りを打った瞬間に痛みで飛び起きる事件も発生。胸より上に腕を上げることができない。
が、パソコンを打ったり食事する程度の動作は問題なく行え、生活に支障は全くなかった。3日もたつと痛みはなくなり、5日間が経過した今はどこに注射したかも分からないほどである。注射箇所が腫れるといったことも一切なかった。
ワクチン接種後に現れるかもしれない症状には「発熱」「頭痛」「疲労感」などが挙げられるのだという。ハッ! そう言われてみると……なんか今日いつもよりダルイような気がしなくもないかもしれない? よく考えると頭も痛いような……これってまさか……副反応!?
……といった心配性な人は、接種後に仕事を休めるタイミングで予約を入れたほうがいいだろう。また私の2回目接種日は最短だと7月26日なのだが、枠に空きがなく、もう少し先の予約になってしまった。希望通りに予約するのは難しいと思っておいたほうがいい。
各国のデータや体験者の証言によると、1回目よりも2回目の接種のほうが強い副反応が出る可能性が高いようだ。よって予約を取る際は、トータルで1カ月半ほどのスケジュールを立てて計画的に行うことが望ましい。
「とにかく一刻も早く接種したい」という人は、集団接種、個別接種、大規模接種全ての空き状況をこまめにチェックし、空いている枠を勝ち取るべし!
参考リンク:防衛省・自衛隊 公式HP
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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