「コロナで生活に困っている」という自称・留学生から手作りチョコを買ってぜんぶ食ったら…数日後に泣いた(2ページ目)
チョコ1袋を平らげた私は、空になった個包装の包みを眺めているときに気がついたのだ。袋のラッピングやチョコ自体は手作り感が全開だったのに比べて、個包装の包みだけは妙に洗練されていることに。
いまどきは手作り用のキットなんていくらでも売っているだろうから、中にはオシャレな包みくらいあるだろう。そう思ったのだが、何か引っ掛かる。この違和感は何なんだと思いながら、包みに記載されていた言葉「Bianco Cuore」をググってみた。
その直後、私は軽く混乱した。スマホから顔を背けたくなった。もっと言うと、どこかへ旅に出たくなった。なぜなら……
似たようなチョコが……
楽天で……
売ってる!?
これは一体どういうことだろう? 彼女はたしかに「手作り」だと自らの口で言った。見せてくれたメッセージカードにも、そう書いてあった。にもかかわらず、楽天で似たようなチョコが売っているという現実。これをどう考えればいいのか。もしかして……。
いや、焦るのはまだ早い。彼女の手作りチョコと楽天チョコが同じかどうかは分からない。似ているだけで別ものって可能性は十分にある。あるいは、彼女はどうしても個包装の包みが見つからなかったので、それだけ楽天チョコのものを利用した可能性だってあるじゃないか。
──と、思いながら、楽天でチョコレートを注文。
届いた日に速攻で開封し、まだ残っていた手作りチョコと見た目・味を比べてみた。その結果……
これは……
買っとるな。
下手したら……
楽天で買っとるな。
つまり……
手作りじゃないな。
そうか、そうか。「生まれて初めて手作りチョコを食べた」と思ってテンションが上がっていたけれど、実はバリバリ市販のチョコだったってことか。手作りチョコリーグでようやくゴールを決めたと思ったのに、オフサイドだったんだね。
もっとキツいことを想像すると、あのときの彼女は手作りチョコをもらった経験がなさそうなオッサンを狙って声をかけていた……かもしれないってことか。
でも、それを言い出したら彼女自身が「手作り」の意味を知らなかったことも考えられる。つまり、「美味しいチョコレート」という意味で、「手作り」と言った可能性だってゼロとは言い切れない。日本語の難しさを考えたら十分あり得る。そうだろう?(震え声)
[おわり]
参考リンク:楽天市場
執筆:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.
▼手作りチョコの正体。楽天で買ったものは1kgで2000円ほど。
▼自称留学生から買ったものは7個入りなので、そこまでムチャクチャな価格設定ではなかった。
▼「Bianco Cuore」はコストコが輸入しており、メイド・イン・イタリー。美味いはずだわ……。
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