
2021年6月8日までオーストリアのホテル・ザッハーが、60ユーロ以上の購入でオンラインストアの送料を無料にするキャンペーンを行っていた。ネットで話題になっていたので、ご存じの方も多いかと。
ちなみにホテル・ザッハーとは、あのザッハトルテの元祖とされるホテル。現在ではここのものだけが、オリジナルのザッハトルテを名乗れるのだという。そして送料無料キャンペーン中のオンラインストアでも、ザッハトルテは販売されていた。
日本にいながらオリジナルを食べる絶好のチャンス! そこでやってみたくなったのだ。日本で広く親しまれている洋菓子店デメルのザッハトルテと、オリジナルの食べ比べを。
・洋菓子店デメル
オリジナルのザッハトルテは、ホテル・ザッハーのものだけ。それは間違いない。しかし、洋菓子店デメルのザッハトルテもまた、決して偽物とかではない。
経緯については諸説あるようだが、「地球の歩き方」によるとホテル・ザッハーとデメルがザッハトルテについて法廷で争った結果、最終的にホテル・ザッハーが「Original Sacher Torte」を、デメルは「Eduard Sacher Torte」を名乗る権利をそれぞれ得たらしい。
実際にホテル・ザッハーのザッハトルテには「Original Sacher Torte」の文字が箱や包装など至るところに書かれており、デメルの箱には「Eduard Sacher Torte」という表記が見られた。
何にせよ、名乗り方は違えどザッハトルテをザッハトルテとして売る権利を正式に認められているのはホテル・ザッハーもデメルも同じ。共にそれぞれのザッハトルテの本家と言って差し支えないだろう。
梱包も似ており、どちらも立派な木製の箱を使用していて格調高い感じが凄まじい。
・正体を伏せて食べ比べ
ちなみにホテル・ザッハーは直径22センチのもの(58.9ユーロ)で、デメルは4号(税込み3240円)のものを購入している。デメル側が小さいが、これが筆者の行った池袋の店舗で売られていた中では一番大きいサイズだったのだ。
5号も取り扱いこそあるが、それは予約必須とのことだった。サイズに大きな差があるのはそういう理由だ。今回はこの2つのザッハトルテを会社にいる人たちに正体を伏せたまま食べ比べてもらい、それぞれの感想と、どちらが好みかを聞いてみることにする。
正体を伏せる理由は、それが何らかの形で味の評価や感想に影響する可能性を排除するためだ。不要な情報は無いほうが良いだろう。
と考えつつオフィスを覗いてみたのだが……当編集部はかなりリモートワークが進んでおり、この日居たのは亀沢郁奈と原田たかしの二人だけだった。まあいいだろう。
そこのお二方、ここにある大きいチョコレートケーキ(ホテル・ザッハー)と、小さいチョコレートケーキ(デメル)を、食べ比べてみてください。
正体を隠し通すため、筆者は最後まで「チョコレートケーキ」としか言わぬよう徹底し、この記事を執筆している現時点ですら、彼らにはこの時の「チョコレートケーキ」が何だったのかを伝えていない。
そして二人に渡した分は、文字が刻まれたチョコレートの印字が無いエリアを適当な大きさにカットしたものだ。デメルはともかく、ホテル・ザッハー版はデカくホテル名が書かれているので。
そういうわけで、この後で紹介する彼らからの感想でも、それぞれのザッハトルテを「大きい方」や「小さい方」と呼称する形になっている。
一つ懸念があるとすれば、それは亀沢記者だ。彼女はウィーンにてホテル・ザッハーのザッハトルテを食べた経験がある。その時のことも当サイトにて記事にしているため、少なくともホテル・ザッハー版の正体には感づかれた可能性があることを述べておこう。
・本家 vs 本家
ではそれぞれの感想と評価に入ろう。まずは原田記者から。
「どちらも好きだけど、どちらかといえば小さい方が好み。
小さい方は、チョコレートの甘さがおいしい。ただ、スポンジも甘さを感じるから人によっては甘すぎるかも。個人的にはブラックコーヒーが欲しくなる甘さで、単品だとガッツリ食べられない。おいしいけど。
大きい方は、スポンジにお酒か何か(ラム酒?)が入ってる? なんだかオシャレで程よい甘さもある。普通においしいが、味に特徴があるので人によっては苦手なこともあるかもしれない」
続いて亀沢記者。
「小さい方は日本人が普段食べ慣れているガトーショコラ。クセがなくてお子さんからお年寄りまで全員好きな味。スポンジがフカフカしておいしい。半ホールくらいなら5分で食べられる。個人的には断然こっちが好き。
いっぽう大きい方は「外国のガトーショコラ」という感じで、紅茶と一緒にチビチビ食べるタイプのヤツ。リキュールの酸味が強くて非常に甘い。こちらのほうが高級感があり、長持ちするのでカフェのお供にはイイかも。でもやっぱり普段のオヤツに食べるなら小さい方だなぁ……」
・わりと別物
ということで、今回は二人ともデメル版を好むという結果に。評価の分け目になったのは、ホテル・ザッハー版で両者が指摘した「お酒か何か」や「酸味」といった感想の主な要因と思われるアプリコットジャムではなかろうか。
デメル版はスポンジの表面にのみ、このアプリコットジャムが塗られているのに対し、ホテル・ザッハー版は表面だけでなく、スポンジの中にもジャムの層がある。この違いは両者の断面からもそれとなく見てとれる。
ホテル・ザッハー版は、デメル版よりもアプリコット率が高いのだ。確かに何かお酒の類を入れて、アルコールを飛ばしたタイプのスイーツを彷彿とさせる味がしなくもないが、公式HPのレシピ的に、お酒は入っていないと思われるので。
また、二人の感想を受けて筆者も両者を食べ比べてみたところ、表面を覆うチョコレートのグレーズだかフォンダンだかも違うように感じた。ホテル・ザッハーのほうが、圧倒的に甘くてシャリシャリする。
ということで、デメル版はそこそこな甘さのチョコレートと、ほどほどなアプリコットジャムの酸味。二つが合わさるとチョコレートが優勢となる。対するホテル・ザッハー版は、パワフルな甘さと強めな酸味で緩急があるというのが筆者の感想だ。
実は今回生まれて初めてザッハトルテを食べた筆者としては、ホテル・ザッハー版が好ましく感じた。負けている方に一票入れたとかではなく、正直な感想だ。
デメル版は少し派手さを欠くというか、初めて食べたザッハトルテのはずなのに、どこかで食べたことがあるような感じがして、端的に換言すれば「美味しいけど少し退屈」的なことを、失礼ながら思ってしまった。
ホテル・ザッハー版は、表面のシャリシャリで激甘な表面のチョコと、中から強めに主張してくるアプリコットジャムの酸味のバランスが絶妙だ。2系統の味が同じくらいの勢力で並び立つため、食べていて楽しかった。
直径22センチの半分を持ち帰り、晩飯代わりにうっかり全部平らげてしまった。糖分過多すぎて果てしなく不健康そうだが、本気を出せばホールもイケると思う。
ちなみに筆者は明治や森永のチョコよりも、ハーシーなどの甘みが強いチョコが好きなタイプ。なんとなくだが、そのあたりの好みからも、どちらのザッハトルテを高く評価するか判断できそうな気がする。
ということで、唐突に行われた二つの本家のザッハトルテの食べ比べ。好みはデメルに2票、ホテル・ザッハーに1票という結果だったが、両者の味がわりと違うという点と、どのように違うのかについては方向性の似た見解が出ている。そちらは何かの参考になるのではないだろうか。
ここで気になってくるのは、ウィーンのデメルと日本のデメルの間で、味は同じなのかという点だが……そこはまたいつか、機会があれば食べ比べてみたい。
参考リンク:Hotel Sacher、DEMEL、地球の歩き方
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼60ユーロ以上にするためにあわせて買った紅茶。ザッハトルテの味的にはコーヒーの方が良かった気がしなくもない。
江川資具









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