ガキの頃から朝はパンと決まっていた私(佐藤)は、パンが好きだ。もしかしたら、ご飯より好きな気持ちが上回っているかもしれない。

でも近頃はオシャレなパン屋が増えすぎて、昔馴染みのパン好きから言わせると少々物足りない。お店によってはスイーツ気取りの菓子パンがとても高かったりする。安くて食い応えのある菓子パンはどこに行った?

探し求めていたところ、東京・池袋を中心に店舗を展開する「タカセ」に私の望むものがあると判明。実際に購入したところ、懐かしい昭和の記憶がよみがえってきた。

・昔馴染みのお店

タカセの本店はJR池袋駅東口を出てすぐのところにある。店舗のあるタカセセントラルビルの1階にパン・洋菓子コーナー、2階に喫茶室、3階にレストラン、9階にコーヒーラウンジがあり、本店裏の別館にはコーヒーサロンもある。

東池袋・南池袋・巣鴨、そして板橋にも店舗があり、板橋店は工場を併設している。今回私は板橋店へと足を運んだ。


入り口で手指の消毒をして中に入ると、あるある! 昔馴染みのあま~いパン!! ここはドーナツの種類が豊富だな。揚げパンに砂糖をまぶした「クリームドーナツ」や「パンあんドーナツ」、「コーヒーアンドーナツ」(いずれも税込150円)なんてのもあるぞ!


そのほかコッペパンタイプのドーナツも4種類ある。


さらに「ファンタジークリーム」(税込250円)や「アポロ」(税込300円)といったオリジナル商品もある。商品名もパッケージも、パンそのものもとても可愛らしい。パン屋に行くとトキめいた幼少期の記憶がよみがえるようだ。


・あんこがギッシリ

それらの魅力的な商品のなかから、「あんみつドーナツ」(税込150円)と「カジノ」(税込380円を購入した。


あんみつドーナツは見るからに激甘そうだ。コッペパンにあんこがギッシリ詰まっている。上には求肥(ぎゅうひ)が2つ乗っていて、あんみつ感を演出している。


それにしても、凄まじいあんこの量だ。コメダの小倉トーストの比じゃない。このあんこは自家製で粒あん! パンの向こうから粒々あんこの食感が伝わってくる。甘い! 甘いんだけど、あとを引く甘さではないので、意外とペロリといけてしまう。コレコレ! こういう、武骨だけど優しさを感じるパンを食べたかったんだよなあ~。


・ザ・菓子パン

そして今日のメインディッシュのカジノだ。タカセを代表する商品のひとつとして噂を耳にはしていたが、イメージを超えるデカさだ。先ほどのあんみつドーナツ4本くらいのサイズはある。

まずはパッケージに注目したい。緑と白と赤の3色の輪、その中心に「Casino(カジノ)」の文字。デザインが昭和のノスタルジックを感じさせてくれる。いいね、昔のままデザインは変わっていないんだろうなあ。それがとてもいい!


甘いモノ好きの私ではあるが、さすがに4本も1度に食えないので、半分の2本を頂くことにした。器に出すと、黒い方はチョコレート、白い方は砂糖がべったり塗られている。ザ・菓子パン! 甘味をトコトン摂取するためのパンだ。こういうワクワクを感じるパン、最近見なくなったよなあ。


側面を見ると、間にホイップクリームとりんごのコンポート(甘く煮たもの)が入っているじゃないか! 表だけじゃなくて、中にも甘味がギッシリ!!



大口を開けてかぶりつくと、クリームがあふれ出してくる。よく見ると間には りんごだけじゃなくレーズンまで入っているじゃないか。怒涛の甘さが口のなかに飛び込んでくる。

カロリーが気になるけど、どこにも表記されていない。そうだ、そんなの気にして食べるもんじゃない! 童心にかえって無邪気にかぶりつくべきなのだ。甘いモノを食べたい! その欲求を子どものように爆発させて食べるべきなのだ。


お店の創業は大正9年なのだとか。つまり西暦1920年に誕生して、ちょうど100年を迎えている。タカセもこのコロナ禍で厳しい状況かもしれない。100年の歴史がこの先も続くように、美味しくて夢のあるパンやお菓子を作り続けて欲しい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 タカセ板橋店
住所 東京都板橋区板橋1-37-10
時間 パン・洋菓子コーナー9:00~19:00
定休日 なし
(新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、営業時間を変更する場合あり)

参考リンク:タカセ洋菓子
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24