ここ数年、「回転寿司」で寿司が回転していないことが当たり前になってきたように思う。ご存知のように、卓上の電子タブレットで食べたいものを注文するか、板さんに直接頼むのが一般的。ベルトコンベアを使っていると思ったら、直線レーンで寿司が運ばれて来たりする。これはもはや「直線寿司」と呼ぶべきではないのか……。
今回紹介する東京・渋谷の「魚べい」は全席直線レーン。寿司は回らない。そんな魚べいのプリンが美味いとの情報を聞きつけ、食べてみることにした。
・依頼……
このプリン情報は、意外な人物からもたらされた。当編集部の編集長GO羽鳥だ。彼は社内ネットワークで私にこう伝えてきた。
羽鳥「知人よりタレコミです。回転寿司屋さん「魚べい」のプリンが激ウマとのこと」
なんだか、殺し屋に仕事を依頼する掲示板の書き込みみたいな伝え方だな……。ヨシ、私(佐藤)が仕留めてやろう。報酬はスイスの銀行に振り込んでおいてくれ……。ということで、渋谷・道玄坂の魚べいを訪ねた。
このお店は2012年7月にオープンしている。業界に先駆けて直線レーンを導入し、その当時話題になった。何度となくお店の前を通っているのに、実は入店するのは初めて。店内は全体的に白を基調としており、とても清潔な印象を受ける。案内された席に着き、タブレットでメニューを確認。
あった、「特製プリン」(税込242円)。見せてもらおうか、プリンの実力とやらを……。
注文を完了した後、少ししてタブレットから商品の到着を知らせるアナウンスが聞こえた。向こうの方から何かが走る音が聞こえる。カウンター席の1番端に座る私の方に向かって、その音がだんだん近くなってきた。
来る……
来る…………
来る………………
来たーーー!
怒った猫の鳴き声みたいな音を立てて、シャーーーッ! って来たー!
・今回のターゲット
さて、直線レーンを楽しんだところで、さっそく頂くとしよう。魚べいはつくり置きしないのが信条で、すべてオーダーが入ってから作っているそうだ。
軽く寿司を腹ごしらえしたところで、メインディッシュのプリンと対峙した。プリンそのものの “色” はレベル5段階の評価で2.5といったところだろうか。白よりの黄色だ。瓶底にはカラメルソースを確認できる。見た目としては、まずまず。悪くない。
スプーンを刺して “硬度” を確認。うん、なかなか良好な手ごたえだ。硬度をレベル5段階で評価すると2.8かな。分類としては「やわらかプリン」だ。基本的にプリンに固さを求めない私にとっては、好感触である。固めプリンの2歩手前、液状プリンの3歩先あたりに位置するちょうど良い硬度といえよう。
実際に食べてみると、口に入れた時の食感が良い。ただ、たまご感が少し控えめか。それからカラメルソースの苦味も控えめだ。個人的な好みを言わせてもらうと、もう少し濃いソースで苦味が効いている方が良かったが、決して悪くない。
という訳で全体の評価は……
78点!
回転寿司チェーンのプリンにしてはかなり質が高い。駅中の持ち帰りスイーツのお店に並んでいても、おかしくないクオリティだろう。まだ伸び代がある点を考慮して、今回は少し低めの採点とさせていただいた。さらなる改良を加えて、より質の高いプリンに進化することを願う。次回作に期待大!
・今回訪問した店舗の情報
店名 魚べい 渋谷道玄坂店
住所 東京都渋谷区道玄坂2-29-11 第六セントラルビル1階
時間 11:00~20:00 土日祝10:30~20:00
参考リンク:魚べい
執筆:プリン評論家 佐藤英典
Photo:Rocketnews24