聞くところによると大手デリバリーピザチェーン店「ドミノピザ」が、革新的なメニューの開発に成功したという。その名は『ピザライスボウル』──。日本食とピザの融合をテーマに、約1年かけて誕生したドミノピザ渾身の新商品らしい。
驚くべきはピザのアイデンティティとも言うべき「生地」を使用していないこと。果たしてピザの概念すら破壊しかねない『ピザライスボウル』とはどんな商品なのか? 実際に食べてみたのでご報告しよう。
・破壊なくして創造なし
生地を使用しないピザ。これは「麺を使わないラーメン」「米を使わない牛丼」「パンを使わないサンドイッチ」などと同義語で、見方によっては料理の存在意義さえも否定する “暴挙” と捉えらえても仕方がない。
だがしかし「バンズを使わないハンバーガー」が「ライスバーガー」や「パティがバンズのハンバーガー」に進化したことからもわかるように、既成概念をぶち壊すことで生まれる何かがあることまた事実。破壊なくして創造なし──。まずはドミノピザの勇気を称えたい。
・開発におよそ1年
さて、2021年5月19日から発売開始となった『ピザライスボウル』は、日本食とピザの融合をテーマに掲げて開発された商品である。先述のように、およそ1年の開発期間を経ている事実だけでもドミノピザの本気度がわかるというものだ。
公開されている動画を見てみると「ピザ天ぷら」「ピザラーメン」「ピザ寿司」……などなど、ドミノピザは真面目に日本食とピザの合体を試みたらしい。そして幾多の失敗を経て誕生したのが『ピザライスボウル』である。
簡単に説明すると、バターライスの上に具をトッピングして焼き上げたものが『ピザライスボウル』となっており、もちろんこれが世界初のメニュー化。仮にこれが激ウマだった場合、ピザ業界のみならず地球規模の大流行もあり得るのではなかろうか?
というわけで、発売開始直後の『ピザライスボウル』をオーダー。具は「ドミノ・デラックス」や「ガーリック・マスター」などピザのメニューに基づいて7種類がラインナップされており、価格は持ち帰りで799円から、デリバリーで1099円からとなっている。
・かなりウマい!
で、実際に食べてみたところこれがなかなかウマい! バターライスがトマトソースやホワイトソースと上手く絡み合い、実にソツのない味わいだ。具によって味が大きく変化するのも特徴で「高麗カルビ」あたりはライスとの相性も抜群である。
生地を捨ててこのクオリティに仕上げるとは、なんと革命的な商品であろう? やったな、ドミノピザ! 万歳、ドミノピザ!! だがしかし、たった1つだけ言わせて欲しい。というかこれって……
ドリアやん?
・ど真ん中のドリア
ホームページにも動画にもドリアの “ド” の字も出てこないが、ピザライスボウルは単なる「ドリア」である。逆にどこがドリアと違うのか探し出せなかったほど、完全体のドリアでしかない。むしろ「ピザライスボウルです(キリッ)」と言えた神経の太さに感心した次第だ。
さらに言えば、開発に1年を要したことについては「無能」と断じざるを得ない。記者がドミノピザの社長なら開発に携わった全員を降格処分にするところだが、発売されている以上、そうはなっていないのだろう。ドミノピザ、実に大らかな企業である。
まあ、普通にウマいので文句は無いのだが、フルパワーのドリアと知りながらも注文の際「ピザライスボウル」と口にすることが恥ずかしいと言えば恥ずかしい。だってドリアですから。100人が食べたら100人ともが「ドリア」と言う純度MAXのドリアなんですから。
とはいえ、ドリアが苦手でなければ普通にオススメできるメニューなので、興味がある人はぜひご賞味いただきたい。ピザライスボウルはドリア。ドリア以上でも以下でもない、ど真ん中のドリアである。
参考リンク:ドミノピザ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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