ホームセンターに行くと、用もないのに工具コーナーで長時間、商品を物色してしまう男。それが私(佐藤)だ。車を持っている訳でもなく、バイクは免許すら持っていない。リフォームやガーデニングもしないのに工具が好き。そんな工具好きに夢のお店を紹介したい。

「ファクトリーギア」は高級ツールを扱う工具専門店だ。2021年5月1日、国内最大規模のお店を東京・天王洲アイルにオープンした。ここへ来て、私は思った。ファクトリーギアとワークマンが組めば無敵じゃないのか? と……

・ワークマンと組めば……

ファクトリーギアは北海道から沖縄まで国内13店舗。海外3店舗。通信販売事業も行う工具の専門販売会社だ。この度、天王洲アイルに設けた店舗にはコンセプトスタジオも併設している。


「国内最大規模」というだけあって、約1万点の工具がびっしりと棚に並んでいる。ここに来て一瞬で思った。「ワークマンと相性が良さそうだ」と。


ワークマンは今でこそ、オシャレブランドとして認知されつつあるが、本来は作業服屋だ。実際、現在でも郊外のお店に行けば、ニッカボッカをはじめとする作業着を普通に販売している。当然、現場作業をする人に親しまれている訳だが……。


私の経験上、工具は痒いところに手が届くほどまで置いていない。そこで! ファクトリーギアとワークマンがタッグを組んで、隣同士で出店していたら、相乗効果が見込めるはず! 互いの強みを生かしつつ、お互いの魅力を補い合うことができるんじゃないのかーーーっ!! 美しい工具が並ぶ棚を眺めながら、私はそんなことを勝手に考えていた。


・工具は相棒

それにしても素晴らしい品々だ。実家が塗装業を営み、20代前半は解体業に従事していた私にとって、工具は心のふるさと。使い勝手の良いラチェットやモンキーレンチは「相棒」と呼ぶにふさわしい。ああ、懐かしいなあ。

腰袋にお気に入りの工具を指して、ガチャガチャと音を立てながら歩いた日々よ。へなちょこだった20代の小僧は、現場で随分鍛えられたものだ。そんな私は、工具のなかでもラチェットレンチが好きだ。武骨な金属の塊は使うほどに手に馴染み、油を差してやると、心地良くカチカチと回り出す。あのカチカチ音を聞くと、いまだに穏やかな気持ちになれる。


・ミニチュアセットでガマン

当然この店にもラチェットレンチは唸るほどある。欲しい! 1本くらい買って帰りたい!! 何なら、ソケットレンチのセットを買いたいくらいだ。しかし私が買っても、飾っておく以外に使い道がない。それじゃあ、工具がかわいそうだ。私に買われたばっかりに、使われることなく “工具の一生” を終えるのは不憫でならない……。

そこで、ドライバーと六角レンチの用途を兼ね備えた「ミニチュアビットラチェットセット」を購入して帰った。価格は税込4380円。手のひらにスッポリと収まるほど、小さなサイズなのに……。


プラスマイナス、ヘックス(六角)、トルクス(星型)など、ラチェット・アダプターを含めて26種ものパーツが詰め込まれている


見よ! この可愛らしいソケットレンチを。これでも家庭用としては十分に使えるはずだ。


アダプターを付ければ、この通り。ドライバーとしても使えるんだぞ!


・時間とお金を浪費するかも

ここに来れば、工具の悩みはすべて解決するといっても過言ではない。なお、工具好き並びに極端な収集癖のある人は、時間とお金を浪費する可能性があるので、それなりに心の準備をしてから訪ねるように

もうひとつ付け加えておくと、併設する「コンセプトスタジオ東京」は、ガレージ型ショールームになっており、夢のガレージが再現されている。ここにあるバイクメーカーが作った電動自転車(約40万円)が死ぬほどカッコいいので、誤って衝動買いしないように。

とにかくファクトリーギアとワークマン、工具専門店と作業服専門店がタッグを組めば無敵になるに違いない。いつかそんな夢の組み合わせが実現することを願っている。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ファクトリーギア 東京店
住所 東京都品川区東品川 2-3-10 天王洲アイル シーフォートスクエア206
時間 10:00~19:00

参考リンク:ファクトリーギア
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24