鉄旅のお供が「駅弁」なら、空旅のお供は「空弁」だ。駅弁同様、各地の特産品をコンパクトに詰めた弁当から老舗料亭がプロデュースした超本格的弁当まで、バリエーションはかなり豊か。箱を開けた瞬間に “現地の風” を感じることができる。

とくに利用客の多い羽田空港の品揃えは見事。約150種類の空弁がスタンバっている第2ターミナル2階の「空弁工房」に行けば、否が応でも旅行気分が高まるだろう。てことで今回は、人気弁当を購入してオフィスで空旅気分を堪能することにした。

・空弁工房

空弁工房のある羽田空港第2ターミナルを使用しているのは、ANA・エアドゥ・ソラシドエア・スターフライヤーの4社。

で、いきなり余談になってしまうが、ANAとJALでターミナルがわからない場合は「A」の数で覚えるのが簡単らしいぞ。JALは「A」が1つだから第1ターミナル、ANAは2つだから第2ターミナル。千原ジュニアさんがトークライブで教えてくれた豆知識だ。

でも「ANAの北九州空港行は第1ターミナル」という例外もあるから要注意……とまあ、脱線はこのくらいにして、目的地である空弁工房にやってきた。14時過ぎに訪れたため人はまばら。じっくり弁当を選べそうである。どれどれ。

ほほう、空港オリジナルのロースカツサンド、玉子焼サンド、イベリコ豚重……どれもこれも美味しそうなパッケージじゃないか。基本的に、弁当の戦闘力は「」で計測するしかない。あとはやはりポップが鍵となるだろう。売り場では壮絶な戦いが繰り広げられている。

そんななかで目立っていたのが、北海道新千歳空港から直送している「佐藤水産」のコーナー。そういえば最近、新幹線や飛行機をフル活用して、朝、地方で調理した弁当が昼前に売り場に並ぶ(または食材が届いて現場で調理)と聞く。空港や新幹線駅だからできるワザだ。

・いくら石狩鮨

悩んだ末に購入したのは、佐藤水産コーナー1番人気の「いくら石狩鮨(1150円)」。新千歳空港名物である。それにしても北海道の名物弁当が羽田でサクッと買えるとは便利な時代になったものだ。たしかにパッケージから放たれるオーラは無敵レベル、まるでメジャーリーガーであった。

さっそくオフィスに持ち帰っていただきます。まずフタを開けたら、お箸とおしぼり。弁当の定番ですね。じわじわとテンションが上がりますなァ~。

フィルムをぺらっとめくると……


はい、無敵である。新鮮なズワイガニのむき身、北海道産の秋鮭、佐藤水産自慢の甘口いくら……ご、豪華すぎるメンツだ。まるで全員がドラマの主役を張れるのよう。さすが人気ナンバーワン、全体的にキラキラ輝いている。うわああ~、たまらんぞぉぉ。



でもって、北海道の新鮮な海の幸をふんだんに使用しているだけあって……最高にうまい。当然だがズワイガニのむき身は、いわゆるカニフレークとは完全に別物で、ひと口食べれば甘くてまろやかな旨味や香りが口いっぱいに広がる。かなり身がしっかりしているな。

プチッと弾ける新鮮ないくらもザ・北海道の味。サーモンはふんわり乗っていて酢飯の酸味は控え目、全体的にとても品のある美味しさだ。なんでも佐藤水産は、天然の味にとことんこだわり、良質な素材を限りなく無添加で提供しているという。なるほど納得である。

・オフィスで空旅満喫

そんなわけで、殺風景なオフィスでも「北海道最高だなァ」と旅行気分を満喫できたぞ。なかなか旅行に行けない今だからこそ、旅先の魅力がギュッと詰まった駅弁・空弁を食べて旅行気分を味わってみてはいかがだろうか。気分転換にもなったし大満足、ごちそうさまでした!

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 空弁工房
住所 東京都大田区羽田空港3丁目4-2 羽田空港第2旅客ターミナル2F
時間 5:45~20:30
休日 無休

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.