うーららーーーーー! ウマ娘、最高すぎますね。2021年冬アニメで放送中の『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』ではレースがある度に泣きまくりの私(中澤)。競走馬を美少女化するという設定は、冷静に考えるとギャグにしか見えないが、逆にそれでここまで泣けるんだから「アニメ作品として本物」と言えるだろう。

しかしながら、気になるのはガチの競馬ファンは本作をどう受け止めるのかというところ。そこで競馬好きのオッサンに現状でのウマ娘全話を見せてみた

・13才から競馬に夢中

そのオッサンとは編集部で毎週競馬新聞を読んでいる原田たかし記者(37才)。競馬にハマったのは1997年、サクラローレルとマヤノトップガンとマーベランスサンデーが激突した天皇賞・春がキッカケとのこと。競馬ファン歴24年の猛者である。って、13才で競馬に目覚めるってどんな子供だよ!?

普段シレッと仕事をこなしている原田記者の狂気を垣間見た気分になったが、それはひとまず置いておいて、ウマ娘を見てもらうことに。

・初めて見た時の反応

前述の通り、2021年3月16日現在、アニメのウマ娘はSeason2の真っただ中。Amazonプライムでは11話までが公開されているため、2018年に放送されたSeason1と合わせて現状24話ある。とりあえず、アマプラでSeason1の1話を見せた時の原田記者の表情がこちら↓

今日はこの辺りでやめておこう


無理やり見せてウマ娘に悪印象を抱いてしまうのは本意ではないため、「暇な時にでも見てみてください」と言っておいた。すると2日後……

原田「アマプラで見られる分を全部見ました」


──早い! どうでしたか?


原田「……」


原田「泣いた……」

──2日前とテンションが違いすぎる! 一体原田記者に何があったのか?

・見方が変わったポイント

原田「正直、最初は可愛らしい絵のタッチから『ああこういう感じか』と思ったんです。萌え狙いなのかと。でも、2話のスぺちゃんのお母ちゃんが2人いるという話でグッときました

というのも、現実でスペシャルウィークの母のキャンペンガールは、スペシャルウィークを生んですぐ死んでるんですね。そこで設定に競馬愛を感じたんです」


──なるほど、何も知らなくともグッとくるシーンではありますが、競馬を知っているとそういう想いも乗るわけですね。


原田「解説のキャストが細江純子さんなのも熱かったですね。元ジョッキーで競馬好きからするとおなじみの人です。Twitterだとテレビで見られないような意外な一面があっておもしろい……って、話が逸れかけましたが、5話からは一気に見ちゃいました」


──5話と言えば、スぺちゃんのダービーですか。


・if

原田「はい。現実の競馬史的にはスペシャルウィークが勝ってます。しかし、当時の外国産馬はクラシック三冠に出られなくてですね。2歳王者(当時は3歳)のグラスワンダーは骨折していたので仕方ないですが、エルコンドルパサーはルールに阻まれてダービーに出走できなかったんです。

そのため「あの時、エルコンドルパサーが……グラスワンダーが骨折せずに出ていたらどうなっていたのか?」というのは熱い議題の1つなんですが、ウマ娘を見ていたら、普通にエルコンドルパサーが出走する流れになったので結果が気になりました。どういう結論を出すのかな……と。

そう思って見ていたら、あの結果だったんで納得してしまいましたね。制作陣の愛にスタンディングオベーションの回でした。こういう夢の描き方もあるのかと思いましたね」


──なるほど。


・もう1つの未来

原田「気になると言えば、サイレンススズカがメインで登場していることも気になってました。なぜなら、サイレンスズカは悲劇の馬だからです。絶頂期だった秋の天皇賞で足を粉砕骨折して安楽死となったことは、当時の競馬ファンなら誰もが衝撃を受けた事件でした。世に言う「沈黙の日曜日」ですね

この天皇賞は1000メートルの通過タイムや骨折する場所など基本的に史実通り描かれてます……といってもエルコンドルパサーがダービー同様に出走しちゃってる(本来は出走権なし)んですが、もっとも感動したのは「その後」です。

そう、ウマ娘ではサイレンススズカが再びレースに戻ってきた。第11話の『おかえりなさい』は当時の全競馬ファンの夢を描いたものと言えるでしょう。改めて制作陣にお礼を言いたい。サイレンススズカをまた走らせてくれてありがとう……と。ウマ娘はロマンの塊です」

──話しながら泣いているように見える原田記者。Season2でのトウカイテイオーとメジロマックイーンの天皇賞・春、ツインターボのオールカマーでも泣かされたという。そんな原田記者に今後ウマ娘で見てみたい競走馬について聞いてみた。


原田「BNW(ビワハヤヒデ・ウイニングチケット・ナリタタイシン)はSeason2で一瞬出てきましたし、ナリタブライアンやオグリキャップもいますよね? まだ出ていないところで言うとオルフェーヴルとか面白そうですね

気性が荒くてゴールドシップのように癖がある気分屋なんですが、それでもクラシック三冠を制し、凱旋門賞で日本の夢を叶えてくれる寸前にまで近づいた名馬です。

あとは、そのオルフェーヴルとゴールドシップの父・ステイゴールドも良いですね。ずっとG1を勝てなくてシルバーコレクターだった馬ですけど、最後の最後に世界で勝つところは熱いストーリーになりそう。この作品だったらウマくやってくれると思います。ウマ娘だけに!」


──とのこと。まだまだ競走馬の熱いストーリーは尽きないようだ。

ガチの競馬好きの心にも響いたウマ娘。アプリではアニメに登場していない競走馬もたくさんいるので、Season3、Season4と続いていくことを願わずにはいられない。ウマ娘よ永遠なれ。うーららーーーーー

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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