火を起こせる道具というのは、「男の子ってこういうのが好きなんでしょ」なアイテムの割と上位に来るのではなかろうか。それも、変わったタイプであればあるほどポイントが高い。
そういうアイテムを見かけると、特に必要ないのに欲しくなる。今回もそのパターンだ。なんとなくクラウドファンディングサイトを眺めていたら「太陽光だけで3秒火起こし!」というキャッチが目に留まり、手ごろな値段(1900円だった)というのもあってポチってしまったのだ。
仕組みとしては、鏡で太陽光を一点に集中させて発火させる感じ。ほう……ガンダムのソーラー・システムみたいじゃないか。さっそく試してみたぞ!
・シンプル
パッケージはシンプルだ。何やら外国語が書かれており、内容はわからない。まあ、別にどうでもいいだろう。
中には本体と
日本語も書かれた説明書が入っている。説明書には、火起こしテスト用に黒く塗りつぶされたページが含まれているぞ。
折りたたまれた本体を開くと、中には湾曲した鏡が。
そして、火をつけたいものを挟むための、金属製の爪のような部分。果てしなくシンプルで、大まかな使い方は見ただけでわかるだろう。
・失敗
先に結論から書くが、この道具の着火性能は割とガチだった。が、火をつけるにはちょっとしたコツが要る。それをわかっていないと、なかなか上手くいかない。筆者は2度チャレンジして失敗し、3度目でやっとこのコツに気づいて上手くいった。
失敗の過程も含めて記していこう。1度目のチャレンジはある晴れた日の夕方。安全を考慮して近所の河原にやってきた筆者。太陽はかなり低くなっているが、ワンチャンあるかもしれないと思ったのだ。いざテスト用の紙をセットし、太陽の方角に向けてみたが……
https://instagram.com/p/CJ-gfVnpAHZ/
火は着かなかった
あとで詳しく書くが、ちゃんとコツをふまえていれば夕方でも着火は可能だ。しかし、この時の筆者はそれをまだ知らず、この時は太陽のパワーが足りないせいだと考えて撤収。
そして2度目のチャレンジ。前回の反省をふまえて、まだ日の高い昼過ぎに再び河原へ。メチャクチャ寒いが、雲一つない快晴だ。これなら火も燃え盛るに違いない。
しかし……
いくら待てども火は着かなかった。なぜなのだ? さすがに太陽光のせいではない。ではこのアイテムが駄目なのだろうか? もしかしたらもっと燃えやすいアイテムを挟んだ方がいいのだろうか?
・コツ
家までの道すがら、買った漫画雑誌のページを破って適当に挟み、ダメ元で太陽に向けてみる。まあどうせ着かないだろう。ほら、つかな……
https://instagram.com/p/CKWPyrHpcJD/
着いたァァアアアアアア! 着火というか、煙が出たというか。外してみると、太陽光の照射をやめた後でも煙は出続けている。火種として機能し得るだろう。マジかよ! クソ寒い河原まで出張って頑張っていたのは何だったのか。
https://instagram.com/p/CKWQARPJOYz/
火種と化した雑誌の切れ端は、持っていた水入りのペットボトルの中に入れて完全に消火した。そして、この時に気づいたことがあった。正確に太陽の方角に向けられていれば、爪に挟んだアイテムにめちゃくちゃ光が集まって眩しくなるのだ。
そういえば河原で試した時には、そういう光景が見られなかった。漠然と太陽の方に向けるだけでは駄目なのだ。角度の調整はそこそこシビア。光が明らかに一点に収束している様子が見てわからないようなら、それは角度が正しくないということなのだろう。
重要なコツとはそれだ。よく考えればまあ当然のことだが、気づくまでに時間を要してしまった。ついでとばかりに、近くに落ちていた小さく細い木の棒でも試してみることに。
コツを掴んだら着火まではマジで速い。3秒かどうかはわからないが、たしかに数秒で煙が出てくる。太陽光を収束させる正しい角度を見つけるのに少し手間取ったが、ひとたび照射に成功したら一瞬だ。
https://instagram.com/p/CKWRWXDJHzX/
この木の棒が燃えるなら、大体のものは燃やせるだろう。もちろんこの木の棒も水入りペットボトルにブチ込んで完全に消火したのでご安心を。アウトドアをしない筆者としては、ぶっちゃけ今のところ使い道が特にない。しかし太陽光で火を着けられてそれなりに満足した。火遊びというのはいくつになっても楽しいなぁ。
ちゃんと安全に気を配った上で、夕暮れまで色々なモノに照射して遊んでみたが、ある程度くっきりと影ができる程度の太陽光があれば着火可能なようだったぞ。なお、曇りの日には全く無力だった。
筆者のゲットしたものはすでにクラウドファンディングが終了している。しかし、バージョン違いの同じメーカーのものは、Amazonで2079円(2021年1月21日時点)で売られているようだ。火を着けるアイテムが好きな人や、アウトドア派の方はいかがだろう。