いろんなことがあった2020年もあとわずか。12月27日には第65回有馬記念が中山競馬場で開催される。2017年以降、ホープフルSが「年内最後のG1」だったが、今年は有馬記念が大トリに戻ってきた。

その有馬記念といえば、世相を表すことでも知られており、9.11事件の年にマンハッタンカフェ&アメリカンボスの大波乱決着、1年を表す一文字である「北」からキタサンブラックが優勝など、気がついたら思い切りサインが出ていたなんてことも少なくない。果たして今年はどうなのか。

・コロナ関連

2020年は新型コロナウイルス関連のニュースばかり報道される年だった。今年の漢字には「密」が選ばれ、『新語・流行語大賞』の年間大賞は「3密」ととにかくコロナ尽くし。ここまできたら何かと馬券に関連してくるはず……これはどう考えてもミッ(密)キースワローの激走気配がプンプンする……しかも低人気っぽいからシメシメのシメ……

そう思っていたら、本番を前にしてまさかの出走回避が決まったことで本稿の予定が大幅に狂ってしまった。これが本当の密(ミツ)回避……! でも捨てる神あれば拾う神あり!!

何度も出馬表を見ていたら「三密を避ける」でサインが出ている馬がいた。そう、ッキーックで馬名の「ラ」に注目していただくと分かるが、「ラ」が3つ入っているにもかかわらず密になっていないのだ。レース間隔が密じゃないのも二重丸!

また、コロナは数字にしてみると見えてくるものがある。あまりに単純で恐縮ではあるのだが、コロナ(567)馬券……つまり、5番(ワールドプレミア)6番(キセキ)7番(ラッキーライラック)でここにもラッキーライラックは入っている。この567馬券は抑えておく人も多いような気がする……ていうか普通に売れそう。

んでもって、見落としてしまいそうになるのがカレンブーケドール。ご存じのように新型コロナウイルスの名称は「COVID-19」。枠番にこそ19はないものの、ファン投票順位を見ると19位だからサインとの見方もできる。ファン投票で上位に入るも出走しない競走馬がいるなか、これは期待できる数字ではなかろうか。

・芸能界から

ちなみにそのカレンブーケドールは別方面からもサインが出ており、松坂桃李さんと戸田恵梨香さんの結婚がそうである。競馬ファンであればご存じだろうが、松坂桃李さんはJRAのプロモーションキャラクターを務めているため、結婚からブーケドール(花束)、そしてラヴズオンリーユー、クレッシェンドラヴまでも連想できるのだ。

他にもサインはある。幸せなニュースが流れた一方、多くの著名人が亡くなった2020年。中でも先日、世界に衝撃を与えたのが元サッカー選手でアルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナの訃報だ。アルゼンチン国内はもちろん、世界で大きく取り上げられたためアルゼンチン共和国杯を勝ったオーソリティにサインが出ているとも考えられる。

・グランプリ連覇?

もう1つ、まだ記憶に新しいのがM-1グランプリを制したマヂカルラブリーの存在だ。表記こそ違うものの、ラブ繋がりで「ラヴズオンリーユー」「クレッシェンドラヴ」が当てはまる。しかも、マヂカルラブリーのサインはそれだけじゃない。

ボケ担当の野田クリスタルさんは今年R-1、M-1グランプリを続けて制覇と大活躍。ここにサインがあると考えるならば宝塚記念、有馬記念とクロノジェネシスがグランプリを連覇するかもしれない。そういえば野球界だと福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズを連覇しているし、何気に「連覇」のサインは強いかも。

・ドラマとの結びつき

まだまだあるぞ。ドラマ関係だとフィエールマンのサインがとにかく濃い。朝ドラ『エール』からフィエールマンなだけでなく、第71回NHK紅白歌合戦のテーマは「今こそ歌おう みんなでエール」なのだから。

また、そうなってくると浮上してくるのがキセキ。主題歌を歌うGReeeeNが紅白初出場するのは周知の通りだが、もっとも有名な曲といえば『キセキ』だ。それに加えて今年の競馬界は牡馬・牝馬ともに無敗の三冠馬が誕生、アーモンドアイがG1・9勝の新記録を樹立、さらには白毛馬がG1初勝利と奇跡(キセキ)のような年でもあった。

・強烈な数字「5」

そのキセキがソーシャルディスタンスの大逃げをしたら……と期待したいところだが、ここで時を戻して数字を振り返ると異様に主張が激しいのが「5」だ。

本来であれば東京五(5)輪だったことに加え、GO(5)TO(2)ととにかく5が絡む。そして話題になった『鬼滅の刃』までも「5」。というのも……

作者の吾峠呼世晴(とうげ こよはる)先生は、名前に「5」が入っているだけでなく誕生日も5月5日ととにかく5尽くし。さらにさらに!

間もなく活動休止する嵐は「5」人組。2020年はスマホ5G時代本格化……と震えるほどに「5」ばかり! さらにさらにさらに!!

大ヒットドラマ『半沢直樹』からもここにきてバッキバキのサインが出たからヤバい。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、傘下の三菱UFJ銀行の頭取に同行の取締役常務執行役員の半沢淳一氏(55)を昇格する人事を固めたのだ。余談だが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長も55歳である。

そんな運命的な5番に入ったのがワールドプレミア。ここに先ほど……五弁の花の意味を込めた名前を持つ上にG1・5勝目を目指すラッキーライラック(牝5)が入っていたら単勝にぶちこみたいところだったが……。

とはいえ、ジョッキーに注目するとコロナで話題になった中国・武漢から「豊」。映画『鬼滅の刃』はワールドプレミアな人気だし、サインがビシバシ出ているとも考えられる。あと『鬼滅の刃』でいくなら竈門炭治郎の羽織の色と勝負服が似ているラヴズオンリーユー、バビットあたりも気になるところだ。

・音楽業界から

他にも数字関連だと、J.Y.ParkプロデュースのNiziUから「2・10」、『香水』が大ヒットした瑛人(エイト・8)さん、さらにはフワちゃん……は何も思いつかなかったが、女性の活躍が目立った上に今年のG1はとにかく牝馬が強かった。最後の最後まで流れは続く!?

ここに書ききれないが、2020年はレジ袋有料化、山手線49年ぶり新駅「高輪ゲートウェイ駅」開業、菅総理誕生、としまえん閉園……など、本当にいろんなことがあった。泣いても笑っても有馬記念は今年最後のビッグレース。

予想に半分くらいの馬が入っているじゃないかというツッコミ、あと馬券が外れて「詫びろ」と言われても受け付けないので、今年1年を振り返りつつお楽しみ程度で参考にしていただきたい。どうかみなさんに馬券の女神が微笑みますように。それではよいお年を!

イラスト・執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
イラスト:稲葉翔子