「沖縄へ行ったら『嫁ニーさん』にバッタリ会えるかもしれない」と密かに期待していた。『嫁ニーさん』とはテレビのバラエティ番組で一躍人気者になった沖縄在住の『一般人』。
と、思っていたのだが……那覇の土産物屋をのぞいてみると、どこもかしこも『嫁ニーさん』のグッズだらけだった。これは恐らく相当運が良くなければ「バッタリ会える」ことはないだろう。少し残念ではあるが、コロナ禍の景気回復に大きく貢献されているのは喜ばしい。
関連商品の主力は、某有名菓子へのリスペクトをビンビンに感じる『黒い濃い人』である。旅のネタとして1つ購入しておこうか。
・見た目で判断してはいけない
ちなみに結論から先に申し上げると、『黒い濃い人』は “本家超え” の可能性もあるハイクオリティスイーツだった。なぜ先に結論を言ったのかといえば、私は『黒い濃い人』に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだからだ。
だって正直、私の人生において “この手のパッケージと商品名” の菓子がウマかった試しはない。『黒い濃い人』はどう見たって “ネタ商品” の部類であり、よくある土産菓子と同様に『味は二の次』である可能性が高いと思われた。
が……それは大きな間違いだったのだ。私は「菓子を見た目で判断してしまった」ことを深く反省し、先に謝罪しておいた次第なのである。それでは時を戻そうか。
・お子さんもたぶん大ウケ
よく見ると『黒い濃い人』のパッケージには細かい仕掛けが隠されているぞ。
各サイド部分に沖縄を感じさせるフレーズ。
なかなか内容が哲学的である。
8枚入りで価格は800円(税抜)。
中身を食べ終えると……
なんとボックスの下から『濃い人』の顔面が出現する仕組み!
お面のように立て掛けることもできるぞ。う〜ん、凝ってるなァ!
・普通にウマいです
さて『黒い濃い人』の正体は、某北海道のアレと同様『ラングドシャ』である。「黒い」ったって、せいぜい “濃い茶色” くらいかと思っていたら……
黒っ!!!
この黒さは『炭末』によるものらしいが、別に炭の味がするわけではなく、パッケージにもあるように『芋』の風味がかなり強い。沖縄特産『ちゅら恋芋』という品種が使用されているようだ。凝ってる!
個人的に特筆すべきポイントは “ラングドシャの歯ごたえ” 。一般的なラングドシャは「しっとり」「サクサク」を売りにしているものが多いなか、この黒いラングドシャは「パリパリ」あるいは「ボリボリ」としていて非常に斬新である。
ネタとしてインパクトがあるだけでなく「かなりおいしい」ということも判明した『黒い濃い人』。直接聞いたわけではないけれど、『嫁ニーさん』が相当こだわって作り上げたことは間違いないはずだ。沖縄土産の頂点に君臨する日は近いかもしれない?