いつまでも若くいたい。たとえ歳を重ねても、若い頃と変わらない自分であり続けていたい。誰もが願うことだと思う。私(佐藤)自身もそうだ。気持ちの上では20代の頃と何も変わらない。多少髪に白いものが混じり、顔のシワが深くなったとしても、身体が動くうちは何も変わる気がしない。そう思っていた……。

しかし、身体は心よりもずっと正直だ。2020年9月に入った頃からだろうか。いや、本当はもっと前からだった。右肩に違和感を覚えはじめ、その違和感が疼くような痛みへと変わり、もはや放っておくことができないと感じた時に、最寄の整形外科へ行った。どうやら一般的に言われる「四十肩」と言われるものになったらしい……。

・「自分は大丈夫」と思っていた

誰でも自分の身体について、根拠なく「自分は大丈夫」と思っているはず。当然私も思っている。いや、思っていた。週に3回、ライフワークのポールダンスで身体を動かし、念入りにストレッチをしている。

おそれながら、自分では「動けるオッサン」「柔らかいオッサン」くらいに思っていた。ところが “老い” はそんな思い込みを無視して静かに、そして着実に進行してくる。


身体の使い方が上手でないことはわかっていた。もとより運動オンチなので、身体の右側にばかりチカラをかけるクセがある。そのせいか左右の腕の太さはアンバランスで、右足に体重をかけて歩くから、靴のかかとは右側ばかりがすり減っている。

それでもポールの練習の時には、しっかりストレッチを行い、場合によっては1時間くらい費やすことさえあるのだ。そんな自分が肩が上がらないようになるとは、夢にも思っていなかった


・角度でピリッ!

実のところ、この夏あたりから右肩に違和感があった。肩に負担のかかる技の練習はやめておくように、心がけていたつもりだ。しかし違和感は衰えるどころか、むしろ増している気がしてきた。

日常生活には影響はないが、ある角度に右腕をもっていくと、ピリッ! とした痛みを感じる。真上に腕を上げるか、もしくは斜め下に腕をもっていくと刺激がある。油断すると、テーブルの上のコップを取った拍子に、ピリッ! とする。

これは世に言う「四十肩」ではないのか? 小さい痛みではあるけど無視はできそうにない。何より、ポールの練習に影響が出るのは避けたいので、最寄りの整形外科に足を運んでみた。


・炎症を起こして水が溜まっている

初診で出た結果は「右肩関節周囲炎」だ。レントゲン撮影してもらったところ、肩を動かすのに重要な筋肉「腱板(けんばん)」には影響がなかったようだ。そして、その日のうちにリハビリをすることとなり、2種の電気治療を施してもらった。

理学療法士さんに「これは四十肩ですか?」と尋ねると、「一般的にわかりやすい名前として、そう呼ばれるものですね」とのことだった。四十肩とは通称であり、症状の名前を指すものではないそうだ。自分がなると思わなかったから、そんなことさえも知らなかった。


別日にMRI検査を受診した結果、肩が炎症を起こしている影響で、水が溜まっていることもわかった。この水とは「関節液」を指すらしい。幸い、筋肉や軟骨には影響が出ていないことも、この検査でわかった。


・寝るのを邪魔する痛み

この症状の厄介なところは、疼痛(とうつう)を伴うことだ。普段の生活には(今のところ)特に影響はない。おおむね痛みは無いのだが、ふとした瞬間に、疼くような痛みがある。ジクジクと肩の中の方で疼く感じが不快だ。時々忘れた頃に、腕の角度によってピリッ! とする。油断した時に限って、ピリッ! が来るので、その不意打ちがうっとうしい。

また就寝時に疼き出す。ふとんに入って横になると、ジクジクとかすかな痛みが湧いてくる。耐えられないってレベルではないけど、痛い? と尋ねられたら、「まあまあ痛い」という感じ。寝るのをちょっとだけ邪魔されているようなものだ。邪魔くせえ! 俺は寝るんだよッ!!


・「自分は大丈夫」ではない

とにかくなってしまったものは、もうしょうがない。生活に影響がないだけでも、ラッキーと思うことにしよう。ポールの練習も、穏やかな内容にしていくことにしよう。リハビリの際に、オススメの筋トレを教わりつつ、これを機に左腕の筋トレにも励みたいと思う。


私と同世代の皆さんもお気をつけて。四十肩・五十肩の原因は多くの場合不明らしい。つまり、誰でもなる可能性がある。同世代ではない皆さんも、私のように理由なく「自分は大丈夫」と思わずに、身体に違和感を覚えたら、早めに病院を訪ねるようにしてほしい。病気もケガも、「自分には無関係」ということはないのだから。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24