日本でも一部で熱狂的な人気を誇るオオグソクムシたち。その生態は謎に満ちており、何年も絶食したり、あるいは餌を食べたり、脱皮したり、あるいは脱皮に失敗して死んだりと、基本的になにか動きがあるたびにニュースになります。

これまでオオグソクムシの仲間で最大の名を欲しいままにしてきたのはダイオウグソクムシ。ですが、このたびインドネシア近くの深海から、最大級のサイズを誇る新種が発見されたようです。

・巨人

The Indian ExpressやLive Scienceが報じています。新しく発見された新種の名は、Bathynomus raksasa。Bathynomusはオオグソクムシ属のことで、raksasaはインドネシア語で「巨人」を意味する言葉だそうです。ちなみに、ダイオウグソクムシはBathynomus giganteus。

B.raksasaを発見したのは、シンガポールにある李光前自然史博物館の研究者などからなる31人のチーム。2018年にジャワ島南部の海域で、水深950メートルから1260メートルあたりを調査している時に、オスとメスを1匹ずつ捕獲していたそうです。


・平均33センチ

研究者たちは、B.raksasaの頭や腹部のユニークな形状、そして腹部に生えている11から13本のトゲなどから新種であると判断したもよう。気になる体長は平均で33センチ。大きければ50センチほどにもなるそうです。

なお、ダイオウグソクムシに関して多くの実績を持つ鳥羽水族館によると、ダイオウグソクムシの体長は19から36センチほどとのこと。平均的には同じくらいのサイズなのでしょうか。



新種のオオグソクムシと聞いてまず気になるのはサイズですが、同じくらい気になるのは味ですよね。日本では、居酒屋で素揚げにされたり、大学の学園祭で丸焼きにされたり、あるいは煎餅にされたりと、食用利用もそれなりにありますから。いつか食レポが出てくるのが楽しみです。

ちなみにB.raksasaが発見された際の調査では、他にも11種類の新種が見つかっているそうで、李光前自然史博物館のインスタグラムにて写真を見ることができます。

参照元:The Indian ExpressLive Science鳥羽水族館、Instagram @lkcnhm
執筆:江川資具